7月の主要マイナー動向、ビットコイン売却と使用電力抑制
ビットコインの売却
米暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Core Scientific社は5日、7月度に1,975BTCを売却し、約59億円(4,400万ドル)の収入を得たと発表した。同月の総採掘量は1,221BTCで、売却量が生産量を上回った格好だ。
6月には7,202BTCを1BTCあたり平均23,000ドルで売却。約225億円(1.67億ドル)を調達していたばかり。7月における平均売却価格は22,000ドルだった。
ビットコイン売却による収入は、主にデータセンターの能力増強のための設備投資や、2021年に発注した10万台のマイニング機器に対するビットメイン社への支払いに充てたと説明。同社は今後も、経費の支払いをはじめ成長資金、債務の償還、流動性維持のため、採掘したビットコインの売却を継続していくとした。
なお、7月31日時点で同社のBTC保有量は1,205BTC。バランスシート上の現金残高は約112億円(8,300万ドル)だ。
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また、米マイニング企業Riot Blockchainも7月、275BTCを売却し、約7億5,560円(560万ドル)の収益を計上。同月の総採掘量は318BTCで、7月末時点で同社は自社で採掘した約6,696BTCを保有していると報告した。
英マイニング企業のArgo Blockchainは5日、7月度に887BTCを売却して約27億円(2,010万ドル)の収入を得たと発表。平均売却価格は22,670ドルだった。
Argoの7月の総採掘量は219BTC(BTC相当を含む)で、7月末時点では1,295BTCを保有している。
同社はこの収益を、仮想通貨投資会社Galaxy Digitalへのビットコインを担保とする融資返済と営業経費、及び成長資金に充てた。7月31末時点では、同社のBTC担保融資残高は、第2四半期の5,000万ドル(67億円)から672万ドル(9億円)まで減少している。
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テキサス州における停電とBTCマイニング量
安定した電力供給はビットコインのマイニングに欠かせない反面、猛暑となった7月には、上記3社がマイニング施設を展開する米テキサス州では停電が発生。現地の発電所から節電の要請が発令されていた。
各社は自主的に操業停止して電力不足に対応し、従来のデータセンターでは難しい柔軟な対応が可能であることが示された事例となった。
Core Scientific社は7月、テキサス州のデータセンターで数回にわたり、完全に機器の電源を切ったと説明。消費電力の削減量は8,157メガワット時となった。一方、ビットコインの採掘量で見ると、6月から10.4%増加するという結果になった。
同じくArgo社も自主的に操業停止することで、ピーク時に1,000メガワット以上の使用量を削減し、送電網への負担を軽減させたと報告。それにもかかわらず、同月のビットコインの採掘量は22.4%増加していた。
Riot社は、同州の送電網運営会社からの節電要請に応じて、自主的に電源を切り、11,717メガワット時の削減に成功。その結果、ビットコイン採掘量が前年同月比28%減の318BTCとなった。
しかし、このような「効果的な電力戦略の採用」により、12.8億円(950万ドル)相当の電力クレジットを付与され、相応の電気料金と相殺することができたと報告。Riotによると、この金額は7月のビットコイン平均価格に換算すると約439BTCに相当し、電力削減しなかった場合に採掘可能だったビットコイン収入を上回ると考えられるという。
同社のJason Les最高経営責任者は、今回の対応で7月のRiotの電力コストは事実上ゼロとなると述べ、「業界のマクロ経済環境が厳しい中、当社の財務力をさらに高めることができる」とコメントした。
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