米政府のTornado Cash制裁、仮想通貨シンクタンクは違憲の可能性を指摘
米財務省を提訴する可能性
暗号資産(仮想通貨)の米シンクタンク「Coin Center(コインセンター)」は15日、米国がミキシングサービス「Tornado Cash(トルネードキャッシュ)」を制裁対象にした動きを受け、分析レポートを公開した。
このレポートでは、どの主体が制裁対象になり得るのかを詳細に分析。トルネードキャッシュを制裁対象にした米財務省外国資産管理局(OFAC)が、自発的なコードを人間のように扱ったことは、法定権利を超えているとコインセンターは指摘した。
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コインセンターは、OFACがトルネードキャッシュを制裁対象に指定した数時間後、まずは今回の対応が法律や憲法に違反している可能性があるという分析を発表。その後に先週は、時間をかけて法的な分析を行ったと説明している。
今回のOFACの対応についてコインセンターは、トルネードキャッシュのスマートコントラクトアドレスを制裁リストに加えたことで、OFACは法定権利を超えたと指摘。正当な法手続きを行っておらず、言論の自由を侵害したとみなされる可能性があるとの見解を示した。
また、OFACが、今回の制裁が無実の米国民に与える影響を軽減するための対策を充分に講じていたとは言い難いとも主張。コインセンターは今後の対応について、以下のように説明した。
- OFACとお互いの見解を共有。議員にもヒアリングを実施する。
- 資産がロックされた無実の米国民が出金できるように救済に取り組む。
- 訴訟を検討する。
コインセンターの訴訟事例
コインセンターは過去に、実際に訴訟を起こしたことがある。今年の6月に、インフラ法に含まれる仮想通貨の税務申告要件が違憲であるとして、米財務省と内国歳入庁を相手取り裁判を起こしたと発表した。
問題と指摘したのは、インフラ法の6050I修正案。これは仮想通貨で約133万円(1万ドル)以上を受け取った個人と企業に、送金人の氏名、生年月日、社会保障番号を政府に報告することを義務付けるものである。
この条項が実施されれば、例えば人道的な活動のために寄付を受け付けるNPOは、1万ドルを超える場合に、匿名で寄付を受け付けることができなくなってしまうなどと訴えた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します