はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米仮想通貨シンクタンク、インフラ法の税務申告要件を「違憲」として提訴

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

税務申告要件を違憲として提訴

米国の暗号資産(仮想通貨)シンクタンクCoin Center(コインセンター)は11日、インフラ法に含まれる仮想通貨の税務申告要件が違憲であるとして、米財務省と内国歳入庁を相手取り裁判を起こしたと発表した。

インフラ法とは

今後8年間で1.2兆ドル(約130兆円)を道路・橋、鉄道、港湾・空港、水道、高速通信網、電力網などの国内インフラへの投資を行う。バイデン政権の経済分野の主要政策の1つ。2021年11月15日に成立。

▶️仮想通貨用語集

コインセンターが問題とするのは、インフラ法の6050I修正案であり、これは仮想通貨で約135万円(1万ドル)以上を受け取った個人と企業に、送金人の氏名、生年月日、社会保障番号を政府に報告することを義務付けるものである。

コインセンターは、この条項が実施されれば、匿名の寄付などが行えなくなってしまうと指摘。例えば、人道的な活動のために寄付を受け付けるNPOは、1万ドル以上について匿名での寄付を受け付けることができなくなってしまう。

また、絵画やNFT(非代替性トークン)を仮想通貨で販売するアーティストについても同様であり、ある顧客の買い取り額が規定を超えた場合は、その顧客の個人情報を政府に提出する必要が生じてしまうと論じている。

NFTとは

NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームや音楽、アート作品、各種証明書など幅広く技術が活用されている。

▶️仮想通貨用語集

憲法に違反する点

コインセンターは、これは「私たちの市民的自由に対する冒涜」であるとしており、次のような点が違憲であると説明している。

(1)一般人に対して、他の一般人に関する非常に立ち入った情報を収集し、それを令状なしで政府に報告することを強いるのは、憲法修正第4条の下で違憲である。

(2)政治的な活動を行う組織が、寄付者の名前や身元情報の一覧を作成し、それを政府に報告することを義務付けるのは、憲法修正第1条の下で違憲である。

(1)については、プライバシー保護や、不当な捜索や押収から安全であるための権利に関するものだという。(2)については、結社や団結の自由に関するものだという。ある団体の支援者を報告することは、政府が幅広い表現活動を監視することを可能にし、政治的な集まりの実質的冷遇につながると指摘する格好だ。

コインセンターは、今回の訴訟に参加する原告を増やすことも検討しており、関心のある人々に連絡を呼びかけている。公式発表によると、コインセンターは「自由でオープンな仮想通貨ネットワークを構築し使用する個人の権利を守ること」を使命とする団体だ。

「ブローカー」の定義にも懸念の声

インフラ法案については、特に仮想通貨関連の「ブローカー」に対し、税務報告として、その顧客の情報開示を求める条項について、仮想通貨コミュニティや一部議員から懸念の声が挙がっていた。ブローカーの定義が不明確であるため、マイナーや、ウォレット提供者、開発者など、本来顧客情報を持たない事業者にも報告義務が課せられるのではないかと問題視されている形だ。

関連下院でも修正案提出、米インフラ法の仮想通貨条項めぐり

こうした条項についても、コインセンターは修正するための法案提出に関わってきた。今後も、財務省が関連する規則や指針を作成していく上で、可能な限り建設的に関与していきたいとしている。

一方で、1万ドル以上の報告義務については、規則作りの際などに修正することが難しいものであり、今回訴訟に至ったという。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/26 土曜日
13:20
米ナスダック、SECの仮想通貨規制緩和を歓迎も有価証券分類の明確化求める
米ナスダックがSECに対し、仮想通貨が「実質的に株式」である場合は同等の規制を適用すべきとのコメントレターを提出した。
11:40
世界初のXRP現物ETF、ブラジルで先行取引開始 米国承認前に実現
ブラジル証券取引所B3で世界初のXRP現物ETF「XRPH11」の取引が4月25日に開始。Hashdexが運用する本ファンドはナスダックのXRP指数に連動する。
11:25
スイス中銀総裁がビットコイン準備金提案に反対表明、国民投票イニシアチブの行方は
スイス国立銀行総裁が、ビットコインは準備金として不適合だとの見解を示した。一方で国民投票を目指す「ビットコイン・イニシアチブ」は署名活動を継続中だ。
11:15
オソフ上院議員が批判 トランプ大統領のミームコイン晩餐会は「弾劾されるべき違反」
ジョージア州代表のオソフ上院議員がトランプ大統領のTRUMPコイン保有者向け晩餐会を「弾劾に値する犯罪」と批判。上位220名の保有者を招待する計画に対し、民主党議員からは利益相反の懸念が高まり、SECへの調査要請も行われている。
10:45
「1000万BTC保有でも問題なし」─アモウズ氏、ストラテジー社のビットコイン寡占懸念を一蹴
サイフェディアン・アモウズ氏が、企業によるビットコイン寡占リスクについて見解を示した。トランプ関税政策を批判し、ビットコインによる米国債務問題の解決策についても言及している。
10:15
世界経済の不確実性はビットコインにとって追い風=ブラックロック幹部
ブラックロックの幹部が世界経済の不確実性がビットコインの価値上昇につながると指摘。フィンクCEOは先月、米国の債務管理失敗によりドルの準備通貨地位がビットコインに奪われる可能性を警告。市場の地政学的分断が進む中、低相関資産としてのビットコインの役割が注目される。
08:40
ブラックロックのビットコインETF、BTC総供給量の2.8%を保有
世界最大の資産運用会社ブラックロックのビットコインETF(IBIT)がBTCの総供給量の2.8%を保有。58万2000BTCに到達し、今週単日で6.4億ドルの資金流入を記録した。
08:02
リップル社のトップ「現時点でIPOの必要はない」
リップル社のプレジデントは、同社がIPOを行う計画は現在はないと語った。財務は健全な状態にあるとし、買収などを行なって事業を成長させることに集中すると話している。
07:55
2026年までに世界の企業が300万BTC保有を予測 ビットコイン・マガジンCEO
ビットコイン・マガジンのベイリーCEOが上場企業によるビットコイン保有が急増すると予測。現在の70万BTCから2026年末には200万〜300万BTCに拡大の可能性。
07:25
ドラゴンチェーン(DRGN )価格が2倍以上急騰、米SECの訴訟取り下げを受け
米SECとドラゴンチェーンが4月24日、新政権下の「政策的観点」を理由に2022年から続く未登録証券訴訟の取り下げを共同申請した。
06:40
米SEC新委員長初参加の円卓会議、仮想通貨業界に「大きな恩恵」期待──前任ゲンスラー氏の厳格路線を批判
米SEC新委員長アトキンス氏が就任4日目の円卓会議で仮想通貨からの「大きな恩恵」を期待すると発言。バイデン政権下の厳格路線を批判し、「目的に合った合理的な規制枠組み」確立を目指す。
06:10
前週比65%以上高騰、仮想通貨SUI(スイ)がビットコインやイーサリアムを大幅アウトパフォーム その背景は?
仮想通貨Suiが週間66%高騰し主要銘柄を上回る急成長。グレースケールSUIトラスト設立やxPortalマスターカード提携がけん引。TVLは40%増、DEX取引量は177%増と実需も拡大中。「次のソラナ」との期待も。
04/25 金曜日
21:03
コインチェック、PEPEなど4銘柄を新規取扱いへ
仮想通貨取引所コインチェックは5月13日、PEPE・MASK・MANA・GRTの取り扱いを開始する。取引所の板取引銘柄は25へ拡大し、販売所・つみたて・貸暗号資産など全サービスで対応。
13:44
取引所のビットコイン残高が過去6年の最低水準に、企業購入加速も懐疑的な見方浮上
フィデリティの報告によると、取引所のビットコイン供給量が2018年以来最低の約260万BTCに減少した。上場企業による大量購入が背景にあり、この傾向は今後加速するとフィデリティは予測している。
11:30
ステーブルコイン市場、2030年まで最大500兆円規模へ シティが成長シナリオを予測
シティグループが、ステーブルコイン市場は2030年までに最大3.7兆ドル規模に成長すると予測した。また、そのうち米ドル建てコインが90%のシェアを維持すると見ている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧