下院でも修正案提出、米インフラ法の仮想通貨条項めぐり

超党派議員グループの修正案

米国の下院議員グループは18日、超党派でインフラ法案の暗号資産(仮想通貨)条項を修正するための法案を提出した。「Keep Innovation in America Act(アメリカのイノベーションを守るための法案)」と題されている。

この法案を主導したPatrick McHenry議員とTim Ryan議員を含め、計9名の議員が提出者として名前を連ねた。

McHenry議員は、「次世代インターネット技術を発展させるための明確性を提供するものだ」とコメントした。

インフラ法とは

今後8年間で1.2兆ドル(約130兆円)を道路・橋、鉄道、港湾・空港、水道、高速通信網、電力網などの国内インフラへの投資を行う。バイデン政権の経済分野の主要政策の1つ。2021年11月15日に成立。

▶️仮想通貨用語集

背景として、現行のインフラ投資・雇用法には仮想通貨関連の「ブローカー」に対し、税務報告として、その顧客の情報開示を求める条項がある。しかし、ブローカーの定義が不明確であるため、マイナーや、ウォレット提供者、開発者など、本来顧客情報を持たない事業者にも報告義務が課せられるのではないかと懸念されている。

仮想通貨条項の問題点を指摘

議員グループは声明で「マイナー、バリデーター、ハードウェア、ソフトウェア開発者、プロトコル開発者は、真のブローカーではなく、顧客情報を収集しておらず、また収集する理由もない」と述べた。

また、その他の仮想通貨条項の問題点を二点挙げている。

まず、条項が、報告対象となる「現金」の定義を拡大して「あらゆるデジタル資産」を含むようにしている点。これについては「取引を大規模な範囲で報告しなければならず、ユーザーのプライバシーに関する懸念が生じる」と指摘。

さらに、米財務省に「デジタル資産」の定義を修正する大きな権限を与えている点についても、恒久的に悪影響をおよぼしかねないとしている。

議員らは、デジタル資産取引に関する情報報告の必要性を認めつつ「規制は技術に見合ったものでなければならない」「起業家精神やイノベーション、プライバシー権を妨げたりしないようにする必要がある」と述べた。

修正法案の提起事項

このために、McHenry議員らの法案は主に以下のことを提案している。

  • 「ブローカー」の定義を明確化し、実際にブローカー業務を行っている者のみが報告義務を負うようにする。
  • 「ブローカー」ではない者の口座に「ブローカー」がデジタル資産を送信する際に把握すべき情報を明確にする。
  • 報告の対象を「あらゆるデジタル資産」に拡大することの影響を検討する。

この法案には、Coin Center、Blockchain Association、Crypto Council for Innovationなどの業界団体からも賛同の声が挙がっている。

上院でも修正を求める法案提出

また、下院だけではなく、上院でも仮想通貨条項の修正を求める法案が提出されている。

Cynthia Lummis議員とRon Wyden議員が共同で、さらにTed Cruz議員が単独で、それぞれ提案していた。

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