CoinPostで今最も読まれています

米上院議員、インフラ法の仮想通貨条項を撤廃する法案提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

税務報告義務の拡大に反対

米国のTed Cruz上院議員(共和党)は16日、インフラ投資・雇用法に含まれる仮想通貨条項を修正する法案の提出を発表した。こうした動きは、昨日Cynthia Lummis議員(共和党)とRon Wyden議員(民主党)に続くものとなる。

現行法では、暗号資産(仮想通貨)関連の「ブローカー」に対し、税務報告として取引を行うユーザーの情報開示を求める条項がある。しかし、ブローカーの定義が不明確であるため、仮想通貨のマイニングや、ウォレット提供、プロトコル開発などに携わる企業や個人にも報告義務が課せられるのではないかと懸念されている。

こうした事業者は、本来ユーザーデータを所持していないにも関わらず、内国歳入庁(IRS)への報告義務が課せられるという矛盾が生じる格好だ。

米財務省は、法案を過度に適用することはないとしているものの、具体的にどのような範囲の企業を対象とするかは現在明かしていない。

インフラ法とは

今後8年間で1.2兆ドル(約130兆円)を道路・橋、鉄道、港湾・空港、水道、高速通信網、電力網などの国内インフラへの投資を行う。バイデン政権の経済分野の主要政策の1つ。2021年11月15日に成立。

▶️仮想通貨用語集

これに対して、15日にLummis議員とWyden議員が、当該条項の一部を改正する法案を提案していた。両議院の案は、マイニングやステーキングを行う事業者、ウォレット提供者、開発者を「ブローカー」の定義から除外することを規定している。

関連米インフラ法成立、議員が仮想通貨条項の修正案を提出

Cruz議員の法案

Cruz議員の法案は、この条項自体を完全に撤廃し、カストディなども含めた仮想通貨事業者が、IRSに顧客データを報告する義務を負わないようにするものだ。

Cruz議員は、法案について次のように説明している。

上院は、この新たな産業(デジタル資産関連業界)に参加する米国人の生計やプライバシーを危険にさらす前に、公聴会を開いて、この法律を適用することの影響を理解しておくべきだった。

私は上院の同僚に、規制の不確実性を生み、イノベーションにとって不必要な障壁ともなる、この文言の廃止を強く求める。

また、仮想通貨に関する条項の問題点としては、取引所以外の様々な企業に「顧客の名前、住所、取引内容を収集することが義務付けられる」ことにより、そうした企業が「ユーザーの監視を強いられる」可能性がある点を指摘した。

行き過ぎた条項により、将来性のある関連産業が海外に流出してしまうことにも懸念を示した。

現在のところ、2つの条項修正案のうち、上院財務委員会の委員長を務めるなど、影響力の強いWyden議員らの法案の方が、議会で取り上げられるには有利とみられている。Cruz議員の法案が前進する可能性を高めるには、他の議員から支持を得たり、超党派で協力する必要がありそうだ。

また、Tom Ryanら10名の下院議員も、イノベーションを阻害するとして、仮想通貨条項の修正を求める書簡を、Nancy Pelosi議長に提出している。

約3兆円の税収見込む

インフラ法では、インフラ投資のための資金調達として、仮想通貨セクターから約3兆円の税収が見込まれている。米政府内の匿名筋によれば、仮想通貨企業の口座情報などは、税金に関する法的順守の目的で、各国政府とも共有される見込みだという。

関連米財務省、インフラ法案に関して仮想通貨取引の課税対象拡大を推進か

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア