金融市場リスクオフ加速でビットコイン2万ドル割れ、パウエルFRB議長講演の余波残る
伝統金融市場
26日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比1008ドル(3.03%)安の大幅下落となった。
年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」におけるパウエル議長講演内容が、市場予想よりネガティブだったことから売り注文が膨んだ。
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現在の追加利上げ幅が理論上限近くに達していること、10日発表のCPI(米消費者物価指数)の数値が天井を示唆ことなどを受け、市場からは「今後インフレ指数のピークアウトが認められれば、早ければ来年前半に金融引き締め政策が一服し、やがて金融緩和へと転じる」との楽観論も出始めていた。
これまでの経緯から、パウエル議長のタカ派姿勢自体は織り込み済みだったと見られるが、ジャクソンホール会議で「インフレ抑制のためには、家計や企業に痛みをもたらす」「歴史は時期尚早な金融緩和を強く戒めている」などと物価高の抑制を最優先とする不断の決意を強調し、金融引き締めの”長期化”を強く示唆したことから、少なくとも短期的に買い向かう根拠が剥落したものとみられる。
大幅利上げによるリセッション(景気後退)リスクが取り沙汰される中、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて相場が荒れることは必至な情勢と言えそうだ。
金利上昇に伴い、外国為替市場では、ドル高が進行している。
Danny Baldus-Strauss(@BackpackerFI)氏は、ドル指数(DXY)との逆相関を指摘。「過去の相場において、ビットコイン(BTC)の大底は、DXYの天井とほぼ一致している」と主張した。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコイン(BTC)は、前日比1.27%安の19,758ドルに。
金融市場のリスクオフで売り優勢となり、7月中旬以来となる1万ドル台後半まで押し込まれた。直近安値は今年6月に記録した1BTC=17,567ドル。前週比ではビットコイン(BTC)が7.5%安、イーサリアム(ETH)が10.8%安、ソラナ(SOL)が13.7%安、アバランチ(AVAX)が19.6%安となっており、先月は反発基調にあった主要アルトも厳しい情勢だ。
先物市場では、ジャクソンホール会議後の急落局面にて、24時間で約3億5000万ドルがロスカット(強制清算)された。
そのような状況にある中、データ分析企業CryptoQuantに投稿したアナリストmaartunn氏によれば、イーサリアム(ETH)のFunding Rate(資金調達率)は、21年7月以来となる14ヶ月ぶりの低水準まで下落した。
この点について、「ETHの大規模アップグレードThe Mergeの不確実性に備え、現物ポジションのエクスポージャーをデルタニュートラルになるようヘッジしていることを示す」との見方を示している。
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