CPI発表控えビットコイン小幅推移、機関投資家の資金は5週連続流出超過に

マクロ経済と金融市場

12日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前週末比229ドル(0.7%)高と4日続伸した。

日本時間21時半発表予定の8月CPI(米消費者物価指数)では、市場予想は前年同月比8.1%。先月の結果8.5%から若干の減速を見込む。原油価格の下落や米長期金利上昇一服が相場を支える中、CPIでインフレ鈍化の兆しが見えるかどうかが最大の焦点だ。

前回は、市場予想9.1%に対して8.5%に留まったことから、それまで高進していたインフレ指数のピークアウトとFRB(米連邦準備制度)の金融引き締め緩和が示唆され、リスク資産の買い(株高・仮想通貨高)につながった節がある。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比2.57%高の22,233ドルに。

BTC/USD 日足

CPI発表を前に上値追いは限定的か。

資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、暗号資産(仮想通貨)投資信託などのデジタル資産に対する機関投資家の資金フローは、5週連続で計6,300万ドルの流出超過となった。

CoinSharesのJames Butterfill氏は、「マージの確実性が向上しているにも関わらず、イーサリアム基盤の投資商品から資金流出が続いている」と指摘。「マージの失敗リスクなど機関投資家の懸念を浮き彫りにしている」との見立てを示した。

直近では、BTCドミナンスが過去最低水準まで下落後、急進していたETH/BTCのパフォーマンスが反落。イーサリアム(ETH)よりもビットコイン(BTC)の方がリターンで優っている。前週比では、BTCの18.3%高に対し、ETHは9.5%高と2倍近い差が開いた。

イーサリアム(ETH)

Google Cloudのブロックチェーン開発者であるSam Padilla氏は9日、英語版のGoogle検索で「the merge」と入力すると、The Merge(ザ・マージ)に向けたカントダウン機能が追加されたことを発表した。

イーサリアムのハッシュレート(採掘速度)と難易度もトラッキングされる。「the merge」に関するGoogleトレンドの検索ボリュームは、直近数ヶ月間で急上昇していた。

なお、チェーン分岐を伴うETH PoWのハードフォークは、The Merge(ザ・マージ)から24時間以内にデプロイ予定。

国内外の取引所対応一覧は、以下を参照。

関連:イーサリアムPoWフォーク:新トークン付与に関する「仮想通貨取引所」対応一覧表

アルトコイン相場

The Merge(ザ・マージ)を控えたイーサリアム(ETH)が前日比3.7%安となる中、時価総額9位のソラナ(SOL)が前日比8.1%高、同12位のポリゴン(MATIC)が前日比3.5%高と上昇した。

分散型ワイヤレス(Wi-Fi)ネットワークのHelium Networkが、トランザクションと決済でネットワークをサポートするL1チェーンとして、ソラナ(SOL)への移行を提案した。

HeliumコミュニティはDiscordコールで協議の上、18日までに”移行の是非”について投票を行う見通し。

すでに世界中で100万近くまで普及するHeliumの専用ルーター(ホット・スポット)で構成されるネットワーク拡大に寄与した場合、インセンティブとしてHNKトークンが付与される。

米カルフォルニアに本拠を構える開発会社のNova Labs(Helium Inc.)は22年3月、Tiger Globalが主導する2億ドル規模の資金調達ラウンドを実施している。

米スターバックスは12日、ポリゴン(MATIC)と提携し、Web3体験サービス「Starbucks Odyssey」の提供を発表した。 コレクション可能なNFT(非代替性トークン)のデジタルスタンプを獲得できるようになる。

関連:米スターバックス、ポリゴン(MATIC)を採用 NFT活用してWeb3体験提供へ 

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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