EU経済委員会、仮想通貨法案MiCAを承認

MiCA法案が一歩前進

欧州連合(EU)の経済委員会は10日、包括的な暗号資産(仮想通貨)規制法案「MiCA」を承認した。

経済委員会は、最終投票の結果を賛成28票、反対1票と報告。欧州議会を代表してMiCAの交渉を主導してきたStefan Berger議員もこれを確認した。

今後の流れとしては、欧州議会全体で10月下旬に、同法案の最終的な承認を得るための投票が行われる予定だ。MiCAの条文が確定すれば、規則は各EU加盟国の言語に翻訳され、2024年前半から発効される見込みである。

MiCAは「Market in Crypto Assets」の略で、EUが2020年9月に発表した包括的な仮想通貨規制案。ステーブルコインやその他のデジタル資産取引に重点を置いており、ライセンス制度や消費者保護要件なども定めている。

Stefan Berger議員は、「仮想通貨関連プロバイダーは、将来的にエネルギー消費量や、その資産が環境に与える影響について開示することになる」とも述べている。

9月には、米ドルに紐づけられたステーブルコインの使用に関する制限が取り除かれていることが報じられたところだ。

関連EUの仮想通貨規制法案MiCA、ステーブルコイン制限を緩和か

資金移動規制も暫定合意

欧州議会はMiCAと並行して、不正が疑われる取引の追跡と遮断を目的とする資金移動規制(TFR)についても暫定的な合意に達した。

経済委員会の共同報告者であるErnest Urtasun議員は、TFRにより、制裁を受けた仮想通貨アドレスの徹底した追跡や、マネーロンダリングなど不正行為の防止ができるようになると述べている。

Urtasun議員は「他の国や地域もこうした野心的で厳格なアプローチに従うことを望む」とも続けた。この規則についても、今後欧州議会全体で承認されれば、法律となることが予想されている。

DeFi監視のパイロットプログラムも実施へ

欧州委員会は、DeFi(分散型金融)ネットワークの監視についてパイロットプログラムの実施を予定している。12月1日まで、このプロジェクトへの参加申請を受け付けているところだ。

これは欧州委員会の金融・市場総局が提案したもので、金融監督機関が、DeFiで最大の決済プラットフォームとなっているイーサリアム(ETH)のネットワークをどのように規制できるかを調査することを目的としている。

パイロットプログラムは約3,500万円(25万ユーロ)規模で、最低6カ月間実施される予定だ。

具体的なところでは、欧州委員会の文書は「ブロックチェーンから直接、自動的に監督すべきデータを収集し、リアルタイムでDeFiにおける活動を監視するための技術をテストする」と述べている。

DeFi(分散型金融)とは

ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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