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EU、新たなマネロン防止機関設立に向け前進 仮想通貨企業の監督も視野に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マネーロンダリング防止局の必要性

欧州連合(EU)全域で、資金洗浄とテロ資金供与防止の取り組みを監督するマネーロンダリング防止局(Anti-Money Laundering Authority=AMLA)の設立計画が着実に前進しているようだ。

欧州連合理事会は6月29日付で、AMLAの設立についての見解を発表。同組織の監督権限や他の規制当局との連携について詳細な提案を行った。

AMLAの設立については、2021年7月に欧州委員会(EC)が提案。EUレベルでマネロンやテロ資金供与などの組織犯罪に対処するため、各国の規制当局を統括する中央機関と「単一のルールブック」の必要性を訴えていた。

関連:欧州連合がマネーロンダリング防止機関の設立を提案、仮想通貨送金にも新規制導入を検討

理事会は、犯罪の国境を越えた性質を考慮すると、AMLAの設立により、マネロン・テロ資金防止(AML/CFT)に「強力かつ有益な貢献」が期待できるとして、以下の点を強調した。

  • 金融および非金融部門における監督業務の調和と調整
  • 高リスクで国境を越えた金融機関の直接の監督
  • 金融情報機関(FIU)間の調整に貢献

マネーロンダリング

マネーロンダリングとは、犯罪によって得られた収益金の出所などを隠蔽する行為のこと。不正に取得した収益金の出所などを隠蔽し、正当な手段で得た資金と見せかけることで、一般市場で使っても身元がわからないようにする行為。G20でも問題提起されるなど、マネロン対策は最優先課題の一つとされる。

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仮想通貨規制も強化

AMLAには幅広い権限が付与されることになるが、その中には「暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーを含む特定の種類の信用・金融機関が危険とみなされる場合、直接監督する」ことも含まれる。

AMLAが直接監督する「リスクの高い」事業体とは、次のように定義されている。

  • 少なくとも7つの加盟国で事業を行い、少なくとも4つの加盟国から「高リスク」と判断された金融機関(FI)貸付業者
  • 金融機関(FI)、貸付業者、またはノンバンク金融機関で、少なくとも欧州10カ国で活動し、「十分にリスクの高い」業務に従事する者

直接監督下に置かれる全ての金融機関のリストは公表され、3年ごとに更新される予定。

またFIU(金融情報部門)に対し、ALMAは中央当局の調整役およびまとめ役として機能するが、「疑わしい国境を越える取引や活動に関しては、共同分析の組織化と実施」を支援することになるという。

設立までのスケジュール

AMLAは2023年の設立を目指しており、2024年までには運営を開始する予定だという。そのため、2025年までに約250人の職員を採用するが、そのうちの100人が監督業務に特化した業務を行うとされている。

なお、AMLAの権限については確定したものではなく、理事会の見解も部分的に限定されたものとなっている。今後、新機関の設立を含むAML対策については、欧州議会で審議されることになる。

関連:EU、仮想通貨の包括的規制法案MiCAで暫定合意

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