EUの仮想通貨規制法案MiCA、ステーブルコイン制限を緩和か

MiCA最終案、ステーブルコイン制限を緩和か

欧州連合(EU)は、包括的な暗号資産(仮想通貨)規制法案「MiCA」の議論を終えた。最終版となる見込みのMiCA規制案では、米ドルに紐づけられたステーブルコインの使用に関する制限が取り除かれていることが示された。コインポストの提携メディアThe Blockなどが報じた。

EU地域のブロックチェーン業界団体Blockchain for EuropeのTommaso Astazi規制担当責任者は次のように述べている。

トレーディングするためのトランザクションは、制限対象として考慮されないことが明らかになった。もしこうした取引も制限対象になっていれば、EUの市場全体で問題になっていただろう。

草案自体はまだ公に発表されていないため、具体的な条文変更内容は明かされていない。

MiCAの規則が確定すれば、欧州の仮想通貨業界には、拘束力のあるガイドラインが設置されることになる。規則は各EU加盟国の言語に翻訳される見込みだ。現時点で、ステーブルコインに関する規定は2024年1月頃、それ以外の規定は2024年6月頃に発効する予定である。

Astazi氏は、「MiCAはEUの仮想通貨業界にとって、非常によい内容になっている。詳細は間もなく公開される」とツイートした。

MiCAは、ステーブルコインやその他のデジタル資産取引に重点を置いているが、欧州の金融規制当局による分散型金融(DeFi)や非代替性トークン(NFT)に関するルール作りにも道を開くものとなると伝えられる。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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これまでの議論

MiCAは「Market in Crypto Assets」の略で、EUが2020年9月に発表した包括的な仮想通貨規制案である。今回の最終的な草案は、6月30日に終了した欧州議会、欧州委員会、欧州理事会による公式の3者協議を受けて行われた。

MiCA審議の過程では、一時ビットコイン(BTC)を始めとするPoW銘柄の炭素排出を考慮して、これらを禁止する可能性がある条項も浮上したが、三者協議に進む前に非承認となっていた。

欧州議会のStefan Berger議員は、PoW銘柄が禁止されなくなったかわりに「仮想通貨関連プロバイダーは、将来的にエネルギー消費量や、その資産が環境に与える影響について開示することになる」と説明している。

その他に、6月30日時点の草案では仮想通貨企業に対す要件も盛り込まれていた。

暗号資産サービスプロバイダー(CASP)が、EU域内で事業を行うにはライセンスが必要となる。最大手のCASPについては、各国当局が欧州証券市場監督局(ESMA)に定期的に関連情報を送信することも規定されていた。

また、消費者保護のための厳格な要件も規定。企業は、投資家の資産を失った場合に責任を負わなければならない。あらゆる種類の取引やサービスに関して、市場操作やインサイダー取引なども監視される。

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欧州証券市場監督局(ESMA)とは

EUの専門機関の一つ。フランスに本拠地を置く機関であり、EU全体の金融市場の監視役として、証券法と規制を担当する。また、EU各国の金融当局間での協力と投資家保護を促進する。

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