米仮想通貨マイニング企業、100億円の債務を完済
NYDIGらに対する債務を完全解消
米ビットコイン(BTC)マイニング企業Stronghold Digital Mining(ストロングホールド・デジタルマイニング)は1日、NYDIGとBankProvに対する債務を完全に解消したと発表した。WhiteHawkとの契約を再編成した。
ストロングホールドは、NYDIGらとの融資契約で担保としていたビットコインマイニングマシンの引き渡しを完了。これにより、NYDIGらに対する債務約100億円(6,700万ドル)のうち、残っていた約1.5億円(約100万ドル)も返済したことになる。
ストロングホールドは、合計約26,200台のマイニングマシンを引き渡した。
さらに同社は、WhiteHawk Financeとの債務契約について、加重平均償還期間を13か月から36か月へと約3倍に引き延ばす変更を行った。これにより、ストロングホールドが毎月支払うべき額が減少し、同社バランスシートに約31億円(約2,100万ドル)の現金が追加された。
11月1日現在で、ストロングホールドは現金と暗号資産(仮想通貨)ビットコインで構成される約44億円(約3,000万ドル)の流動性を保有している。
キャッシュフローを改善中
ストロングホールドのグレッグ・ビアード会長兼CEOは、次のように説明した。
我々は、第2四半期決算の発表時に説明した戦略、つまりバランスシートにおける債務削減と流動性強化を実行しているところだ。
流動性を慎重に管理しつつ、現在の停滞市場で価格が下がっているビットコインマイニングマシンの買収も積極的に探っている。
その他に「機会を図りながら、マイニングマシンの数を再び増強する」ことや、「財務の柔軟性を向上させる方法を模索する」ことにも言及している。
ストロングホールドは10月14日も、キャッシュフロー改善施策について報告していた。Northern Dataとのホスティング契約を解消する和解契約を結び、Northern Dataに対する未払金約3.9億円を返済した。
8月には、当面ビットコインマイニングよりも電力販売に事業の重点を移すとも発表。キャッシュフローの改善が必要になった要因として、ビットコイン価格の低下と電力価格の上昇を挙げていた。
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低迷するマイニング企業
仮想通貨市場の低迷に加えて、電気代高騰やハッシュレート上昇などが重なり、マイニング業界は窮地に立たされている。
英国を拠点とする上場仮想通貨マイニング企業Argo Blockchainは10月31日、同月に発表していた40億円相当の資金調達を完了できない可能性が高いと発表。資金調達方法を模索しているが、もし現在の財務状況が継続すれば、キャッシュフローがマイナスになり、事業の縮小や閉鎖を余儀なくされる可能性もあるとしている。
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米仮想通貨マイニング企業Core Scientificも10月、財務状況悪化により債権者への支払期限に間に合わず、破産を検討する可能性が浮上。現在、様々な企業に対して合計約1,470億円の債務を抱えている。
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ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。「1秒間に何回計算ができるか」を表しており、マイニング機器の処理能力を表したり、仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示したりする際の指標として用いられる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します