香港の規制当局、仮想通貨取引所向けガイドラインを5月にリリースへ=報道 中央銀行は仮想通貨関連の声明を発表
仮想通貨のハブに向けて
香港の証券先物委員会(SFC)は、5月に暗号資産(仮想通貨)取引所向けの規制ガイドラインをリリースする計画であることがわかった。「ブルームバーグ」が27日に報じた。
今回の内容は、SFCのJulia Leung CEOがイベントで公表したという。香港は仮想通貨のハブ(中心地)になることを目指しており、規制内容や動向に大きな注目が集まっている。
他にLeung氏は、仮想通貨取引所に適用する規制ルールへの意見公募に、150超の応募があったことも公表。SFCは今年2月から3月末まで、意見公募を行なっていた。
SFCは2月に、仮想通貨取引所に事業認可を与える際の必要要件について、諮問文書を公開。6月1日に新ルールを施行して取引所らにライセンス制度を導入する予定になっており、このルールには、個人投資家にも仮想通貨取引を認可する案が含まれていた。
この時に公募した意見を考慮し、仮想通貨取引所向けのガイドラインを5月にリリースするとみられる。
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中銀が仮想通貨に言及
香港については27日、中央銀行に相当する香港金融管理局(HKMA)が、仮想通貨に言及した声明を発表。声明のタイトルは「新たな機会の獲得と銀行サービスへのアクセス」である。
HKMAは声明の中で、コロナ禍が終わりに近づき、香港経済が勢いを取り戻す中、新しい企業や海外の企業が香港で銀行口座を開設する動きが増えていると指摘。その中で、マネーロンダリングなどのリスクを理由に、口座を開設することが難しくなっているという声が増加しているとした。
その上で、仮想通貨関連企業に対して銀行がサービスを提供することを禁じるルールはないと主張。そして、顧客の審査を行う時はリスクをベースにしたアプローチを行い、汎用的なアプローチで口座開設を断ることがないように要求した。また、顧客は公平に扱うようにも求めている。
他にも、「仮想通貨」と題した項目を設け、仮想通貨の規制を整備していることも説明。仮想通貨企業の口座開設は場合によってはより注意を払う必要はあるが、規制下の仮想通貨企業には、公平なプロセスで申請を行うことを望むと述べている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します