マネックス好決算もコインチェック減益 米S&P500が調整局面に|28日金融短観
10/28(土)朝の相場動向(前日比)
仮想通貨関連銘柄 続落
- コインベース|70.7ドル(-5%)
- マイクロストラテジー|406ドル(-1.6%)
- マラソン|8.8ドル(-1.4%)
個別銘柄情報
仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル・ホールディングスはハイブリッド株式オファーリングで最大7億5000万ドルの資金調達を計画している。今週(24日)米SECにFORM S-3フォームが提出されたことで判明した。
全体市況
仮想通貨関連株はS&P500の続落を受けて値下がりを続けた。この日はS&P500が「調整局面」とされ市場の全体を圧迫していた。*S&P500は米国株式市場全体に対し約80%の時価総額比率を占めており、米国市場全体の動きを概ね反映。アップルやアマゾンなどを含むいわゆる「マグニフィセント・セブン」企業が指数の構成上位銘柄を占めている。S&P500は3日続落し7月の高値から10%以上の下落率を記録している。
一方、昨夜発表の米FRB最重視するインフレデータであるPCEデフレーターデータ(9月)では、コアデフレータが前月比で加速し予想を上回り過去4カ月における最大の伸びとなった。一方、前年比としては2年余りぶりの低水準へ落ち込んだ。
個人消費については前月比0.7%増で主に旅行や自動車などでの消費が増加したが、所得に関しては3カ月連続のマイナスとなったことから支出のためにコロナ禍中に積み上がった過剰貯蓄が解消されている状況で支出が2024年初めからは停滞するとの見解が出ている。
- PCEデフレータ・前月比:予想0.4% 結果0.4% 前回0.4%
- PCEデフレータ・前年比:予想3.4% 結果3.4% 前回3.5%
- PCEコアデフレータ・前月比:予想0.1% 結果0.3% 前回0.1%
- PCEコアデフレータ・前年比:予想3.7% 結果3.7% 前回3.9%
- 個人所得:予想0.4% 結果0.3% 前回0.4%
- 個人支出:予想0.4% 結果0.7% 前回0.4%
データを受け一部のアナリストは今後数ヶ月にかけて追加利上げの可能性が残されたとみているようだが、依然として利上げサイクルがすでに終わっているという見方が優勢で、金利先物市場では来週発表予定のFOMC11月金利政策について現行金利の据え置きへのベットがほぼ100%となっている。
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仮想通貨相場
- ビットコイン:34,127ドル -1.2%
- イーサリアム:1,798ドル +0.6%
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国内仮想通貨・ブロックチェーン関連銘柄
- マネックスグループ|664円(+0.6%)
- クシム|406円(-10.9%)
- ドリコム|631円(+8.4%)
27日の日経平均は大幅に反発し+389円の30,991円で取引を終えた。好決算だった富士通やSGホールディングス、野村総合研究所などの株高が市場を支えた格好だ。また、前日決算発表したインテルとアマゾンの時間外株高も買い支えにつながったとみられる。
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マネックスグループは昨日引け後に決算を発表した。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結最終利益は前年同期比3.4倍の42.5億円に、直近3ヵ月では7-9月期(2Q)の連結最終利益は前年同期比6.2倍の18.4億円に急拡大し大幅に増益した。
- 売上高:448億円(前年比+1,500万円)
- 経常利益:2.7倍
- 最終益:3.4倍
マネックスの仮想通貨交換事業である「コインチェック」の業績については、「第2四半期連結累計期間における取引所暗号資産売買代金は8,877億円となり、前第2四半期連結累計期間比で45.1%減少した」。背景については、根強いインフレに伴う金利高・ビットコインETF上場承認に対する延期・原油高といったリスクオフを促す要素があったという。
ドル円下落
円(1ドル=149.63円)は27日発表の10月の東京都消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)の伸び拡大を受け、対ドルで上昇し前日の150円台を下回った。
東京消費者物価は全国の物価の先行指標となる指標とされている。伸び拡大には、食料品や宿泊料の値上げや政府の電気・都市ガス代の抑制対策規模縮小という背景がある。10月の市場予想を上回った状況から日銀が来週31日に金融政策決定会合で議論する2024年の物価見通しが上方修正される可能性が高まった。
- 10月東京消費者物価 前月比:予想2.5% 結果2.7% 前回2.5%
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伝統金融 ナスダック小幅反発
- NYダウ:32,417 -1.1%
- ナスダック:12,643 +0.3%
- 日経平均:30,991 +1.2%
- 上海総合指数:3,017 +1%
- 米ドル/円:149.63 -0.5%
- 原油先物WTI:85ドル +2.3%
- 金先物:2,016ドル +0.9%
主要IT・ハイテク銘柄
- アルファベット:122ドル -0.09%
- マイクロソフト:329ドル +0.6%
- エヌビディア:405.ドル +0.4%
- メタ:296ドル +2.9%
- アマゾン:127.7ドル +6.8%
- インテル:35.5ドル +9.2%
相場を動かした主な材料は以下数点。
- S&P500種株価指数が調整局面
- PCEデフレータ
- 原油相場2週間ぶりに大幅高 中東戦争拡大への警戒強まる
- ドル軟調 円反発
- 米2年債利回z低下 30年債利回り上昇
主要な決算スケジュールは以下通り(米時間)。
- AMD:10/31 16:00
- アップル:11/02 16:00
- エヌビディア:11/21 16:00
今週以降の重要経済指標・イベント
- 10/31(火)朝 日銀金融政策決定会合 政策金利発表/日銀展望レポート
- 10/31(火)21:30 米7-9月期四半期雇用コスト指数
- 11/01(水)21:15 米10月ADP雇用統計
- 11/02(木)3:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
- 11/03(金)21:30 米10月失業率
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