高速L1インジェクティブ、独自EVMを開発 ソラナやコスモスとの相互運用性向上

inEVMの開発が98%完了

デリバティブに重点を置いた分散型取引所(DEX)を提供する高速L1プロジェクトのインジェクティブ(INJ)は5日、Injectiveイーサリアム仮想マシン(inEVM)の開発が98%完了したと報告した。画期的なイーサリアム(ETH)ロールアップだとしている

inEVMの仮想マシン環境は、さまざまなプログラミング言語で記述されたスマートコントラクトや、個別の実行モデルに準拠したスマートコントラクトを実行できるように調整されたものだ。

インジェクティブは「inEVM」を統合ネットワークの下で複数の仮想マシン環境を維持することにより、コスモス(ATOM)やソラナ(SOL)を横断して高いレベルでコンポーザビリティ(一般に組み合わせて機能させられること)を実現できる史上初のEVMだと説明し、次のように続けた。

イーサリアム開発者はinEVMを使用することにより、プログラミング言語「WASM」とEVM(仮想マシン)の空間全体で、コンポーザビリティを実現しつつ、同時にインジェクティブの圧倒的な高速や手数料がほぼゼロであることを活かしたアプリケーションを構築できる。

インジェクティブは、エコシステムに参加する開発者が増えるにつれ、彼らの共通のリクエストは開発可能性を広げるイーサリアム仮想マシン(EVM)環境の追加だったとも述べた。

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ロールアップとは

メインのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をオフチェーン(ブロックチェーン外)で処理することにより、ネットワークの混雑解消を図るスケーリング・ソリューションのこと。

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DEXの機能向上も

複数の仮想マシンを有効にすることで、inEVMはトランザクションをより高速に処理し、より多くのユーザーを処理できるようになる。これは、分散型取引プラットフォームとしての、インジェクティブの機能強化にとっても重要である。

inEVMは、インジェクティブ・プロトコルをイーサリアムにリンクすることで、トレーダーの取引手数料を大幅に引き下げることも可能だ。インジェクティブの公式サイトによると、現在の平均取引コストは0.01ドル未満となっている。

inEVMは、モジュール式ネットワークのCelestiaなどを活用して構成されている。Celestiaは、現在ブロックチェーン技術の主要な動向として注目される「モジュラー(連結式)」アーキテクチャとして代表的なものの一つだ。

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インジェクティブとは

インジェクティブは、分散型金融に特化した相互運用可能なブロックチェーンだ。2022年には、Jump Cryptoやバイナンス、Pantera Capitalなどから4,000万ドル(約59億円)の資金を調達している。

1月には新たなメインネットアップグレード「Volan」を実施した。この際には現実資産(RWA)トークン化への対応を強化するソフトウェアモジュールの統合も行った。

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