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「誰もがアクセスできる真に自由な金融システムを」インジェクティブCEOインタビュー

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チェンCEOインタビュー

インジェクティブ(Injective)は、DeFi(分散型金融)、デリバティブ、およびWeb3アプリケーションを念頭に構築された、相互運用可能なレイヤー1プロトコルだ。

インジェクティブでは、その設立当初から、幅広いデリバティブ商品などを含む「全ての市場」をサポートすることを目的に設計された取引所を提供している。

今回、インジェクティブのエリック・チェンCEOに独占インタビューを実施。インジェクティブ設立の経緯や現在のDeFi業界の問題点、またチェン氏の理念や日本市場などについて尋ねてみた。

関連:分散型クロスチェーンのDeFiを提供 インジェクティブ・プロトコル(INJ)とは

目次
  1. 自己紹介
  2. インジェクティブについて
  3. DeFi(分散型金融)業界に関して
  4. インジェクティブの取引所について
  5. ブロックチェーンのマルチチェーン化について
  6. 日本における計画
  7. 読者へのメッセージ

1)自己紹介

チェンさんのこれまでの経歴について教えてください

私は米ニューヨーク大学・スターン経営学部で、金融とコンピュータサイエンスを学びました。インジェクティブを設立する前は、ニューヨーク州のInnovating Capital社で暗号技術の研究者兼トレーダーとして、ブロックチェーン分野における革新的なマーケットニュートラル取引や、0x(ゼロエックス)、Chainlink(チェーンリンク)、Cosmos(コスモス)といった著名企業への投資を主導したこともあります。

2)インジェクティブについて

そこからインジェクティブ設立までの経緯を聞かせてください

Injective Labsは、革命的なWeb3プロダクトのプロデュースに焦点を当てたフィンテック企業です。暗号技術とブロックチェーンへの情熱は、大学で金融とコンピュータサイエンスを学びながら、イーサリアムのマイニングや暗号の研究に参加したことから始まりました。

大手暗号資産ヘッジファンドで働いた後、大学を中退し、CTOのAlbert ChonとともにInjective Labsを設立することにしました。

Injective Labsは、レイヤー1、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のパブリックブロックチェーンであるインジェクティブを支える中核的貢献者であると自覚しています。

3)DeFi(分散型金融)業界に関して

DeFi全般は(ここ最近の価格チャートを見る限り)大きな打撃を受けています。低迷の理由にはどのようなものが考えられるでしょうか。また、DeFiプロジェクトがこうした弱気相場を生き抜くためには何が必要だとお考えでしょうか?

DeFi業界全体では、ガス代、スケーラビリティ、流動性などの課題を解決するためのインフラ革新に注力しています。

一方、既存のDeFiの成長は、新しいプリミティブの開発と一般的なユーザーの増加によってもたらされています。

そのことからも、最先端の技術ソリューションを活用し、ユーザーが必要とする製品を作るということは、現在の市場がどのような局面にあっても、間違いなくプロジェクトの長期的な発展に寄与することでしょう。

4)インジェクティブの取引所について

既存のほとんどのDEXがAMMモデルに依存している中で、オーダーブックをベースにした取引所を作ろうと思ったのはなぜでしょうか?

我々は中央指値注文モデルを採用していますが、これはデリバティブやレバレッジ市場全般において、今なお最適なソリューションであると考えているからです。

十分な流動性を確保するために、我々は複数の強力なマーケットメーカーと協力し、資金調達を通じた支援を受けたり、または提携して強力な流動性を確保できるよう努めています。

また、マーケットメイキングを行う際に適切なインセンティブが得られるよう、メイクオーダーリベートや流動性マイニングのスキームも用意しています。

関連:DeFi提供の「Injective」、取引所が大幅アップグレード

5)ブロックチェーンのマルチチェーン化について

「インジェクティブ・ブリッジV2」ではユーザー体験が向上しているように思います。ブリッジ技術全般はまだ発展途上であり、改善の余地は大きいと思いますが、ブリッジの開発における最大の課題は何でしょうか。そして、インジェクティブはどのようにそれに取り組んでいるのでしょうか?

ブリッジV2の開発で最も難しかったのは、ユーザー体験を最適化することでした。

初めて利用するユーザーにとっては、送金先のチェーンに残高が表示されるまで、ブリッジ処理のトランザクションが成功したかどうかが分からないので、本当に怖いプロセスなのです。

ブリッジV2では、ブリッジングプロセス中のあらゆる疑念を取り除き、プロセス全体を非常にシームレスで透明性の高いものにすることができるようになりました。ユーザーは5分以内にプロセスを完了し、チェーン上のブリッジングプロセスのすべてのステップを観察することができます。

各チェーンが特定のユースケースに特化したマルチチェーンネットワーク構造(例:コスモスやインジェクティブ)と、1つのブロックチェーンに様々なアプリが集まる汎用ブロックチェーンネットワーク構造(例:イーサリアム)の将来については、どのようにお考えですか?

アプリケーションに焦点を当てた、アプリケーション固有のチェーンが、マルチチェーンの世界で最も重要な部分となるでしょう。

汎用ブロックチェーンは、スケーリングの過程でスループットやコンポーザビリティのトレードオフが発生しますが、アプリケーションにフォーカスしたチェーンに関しては、特定のアプリケーションのニーズに合わせてチェーンとコンセンサスを最適化することができます。

新しいマルチチェーンの世界では、汎用ブロックチェーンネットワークの勝者はわずかですが、アプリケーションに特化したチェーンの勝者は無数に存在することになるはずです。

現在のL1ネットワークはサイロ化しすぎていて、簡単にシームレスに利用できるほど相互接続がうまくいっていないという意見もあります。インジェクティブはこの問題にどのように取り組んでいるのでしょうか?

ブリッジの安全性と柔軟性を拡大することが、この問題を解決するための最も重要なステップです。これは、L1間のブリッジングに対するユーザーエクスペリエンスの期待値であるべきです。

6)日本における計画

今後、日本でのユースケースを拡大するような計画はありますか?

我々のチームは、常にインジェクティブのユースケースを拡大しようと考えています。

インジェクティブのミッションは、誰もがアクセスできる真に自由な金融システムを作ることです。インジェクティブネットワークは、この目標を達成するために設計されました。レイヤー1のパブリック・ブロックチェーンとして、インジェクティブのすぐに使えるクロスチェーンのオーダブックプリミティブは、多数の金融関連アプリケーションをシームレスかつ相互運用可能に構築することを可能にします。

現時点ではまだ我々の計画を公にすることはできませんが、これからエコシステムの拡大をより強力に推進していきますので、近々日本や世界のnINJaコミュニティに具体的な情報を共有できることをとても楽しみにしています。

7)読者へのメッセージ

それでは最後に、日本の読者およびコミュニティに向けたメッセージを頂けないでしょうか?

我々のチームは、今年から来年にかけて予定されている新製品、およびエコシステムへの追加に関して発表するのが待ち遠しいです。

我々のプロジェクトを見守り続けてくださった皆様に感謝し、日本でのコミュニティを強化することを楽しみにしています。

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