CPI発表迫り方向感を欠くビットコイン、イーサリアムETF承認は悲観的な見通し強まる
マクロ経済と金融市場
14日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比126.6ドル(0.32%)高、ナスダック指数は122.9ポイント(0.75%)高で取引を終えた。
米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、マイクロストラテジーが前日比4.1%高の1,297ドルに。
「MSCI ACWI(All Country World Index)」の四半期ごとの組み入れ銘柄見直しで、マイクロストラテジー株が指数に追加された。MSCIはインデックスをベンチマークとしている機関投資家、資産運用会社、ヘッジファンド、年金基金、保険会社など幅広い投資家に利用される。
そのため、インデックスを追跡するファンドやETFがマイクロストラテジーの株式を購入する必要があり、一定の株価上昇圧力となり得るとの見方もある。
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東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前日比135円(0.35%)高の3万8491円となった。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比1.19%安の1BTC=61,768ドルに。
本日21時30分にCPI(米消費者物価指数)発表を控える中、様子見基調にある。
Farside Investorsのデータによると、現物ETFの純流入・純流出を示す「Net Inflow (USD)」は、10日に8400万ドルのアウトフロー、13日に6600万ドル、14日に1億ドルのインフローと拮抗しているが、ローンチ以来の過去平均が1.39億ドル/日のインフローだったことを踏まえると意欲の低下は明らかだ。
13日のデータではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への流入が途絶える中、フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)は3,860万ドルの流入を集め、次にビットワイズ・ビットコインETF BITBが2,030万ドルで続いた。
IBITはFBTCの2倍水準の資金流入が見られたが、4月下旬以降は買い意欲が沈静化しているようだ。
香港のビットコインおよびイーサリアムETFも流出額4,000万ドルを記録するなど、今のところ存在感を示てはいない。
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アルトコイン相場
一方、イーサリアム(ETH)については、ここへ来て現物ETF(上場投資信託)の承認期待が大きく後退するなど逆風が吹いている。
イーサリアムチェーン基盤の大手分散型予測プラットフォームPolymarketでは、イーサリアムETFが今月中に承認される確率について14%と悲観的な見方を示している。現時点で550万ドル相当のUSD Coin(USDC)が賭けられており、1月上旬時点では76%だった。
VanEckの申請するイーサリアムETFを巡り、米SEC(証券取引委員会)の最終承認期日は5月23日となっており、その翌日にARK Invest/21Sharesの申請の最終承認期日を迎える予定だ。
ブルームバーグの上級ETFアナリストであるEric Balchunas氏は、新たに確認されたSECの法的文章を踏まえ「イーサリアムETFが承認される可能性は限りなく低い」との見立てを示している。
仮に米SEC(証券取引委員会)がイーサリアムETF申請を拒否し、商品(コモディティ)ではなく有価証券として分類することを決めた場合、グレースケールのイーサリアム信託「ETHE」などの金融商品が事実上の閉鎖を余儀なくされる可能性も指摘される。
有価証券として分類されると信託会社は厳格な米証券法の規制に従う必要があり、運営コスト増が懸念されるほか、イーサリアムを保有する投資家が規制リスクを嫌って投げ売りを行うリスクも否めない。
Wolf氏は、下降ウェッジで推移する中、(,300ドル水準の上方ブレイクがない限り、サポートライン(下値支持線)付近の1ETH=2,717ドルまで下落すると予想した。
一方、6月中旬以降はホルダーの入れ替わりを伴うウォッシュアウトで反転上昇し、4,400ドルに向かうと見ている。
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