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米民主党重鎮議員、退職金401kの仮想通貨解禁規則の撤回を要求

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 米議員が401k仮想通貨解禁規則の撤回を要求
  • 対象は14.2兆ドル規模・約9,000万人の確定拠出型年金

撤回要求書簡を送付

米下院金融サービス委員会筆頭野党メンバーのマキシン・ウォーターズ議員は26日、米労働省(DOL)のキース・ソンダーリング長官代行に書簡を送り、401k(米国の確定拠出型年金)退職口座に仮想通貨などの代替資産投資を解禁する規則案の即時撤回を求めた。

401kは米国の確定拠出型年金制度で、約9,000万人の米国人が加入している。企業と従業員が積み立てた資金を株式・債券等で運用し、老後の生活資金とする仕組みだ。

問題の規則案は、DOLが3月30日に公表したもので、401k運用責任者が仮想通貨・プライベートエクイティ・不動産・コモディティなどの代替資産を投資対象に組み込む際に法的免責を受けられる「セーフハーバー」を設ける内容だ。トランプ大統領が署名した大統領令に基づく措置で、確定拠出型年金市場が対象となる。

ウォーターズ議員は書簡の中で、規則案が「長年にわたって積み重ねられてきた投資家保護を退職貯蓄者から剥奪し、よりリスクが高く複雑で費用のかかる投資の利用を促す」と批判した。仮想通貨市場は「いかなる連邦規制の枠組みも外で運営されており、投資家に莫大な損失をもたらしてきた」とも指摘した。

関連記事:米退職金401kの仮想通貨投資、解禁へ前進 規則案が審査通過

米政府は24日、401k退職金口座へのビットコイン・仮想通貨投資を解禁する規則案の審査を完了した。約12兆5,000億ドル規模の退職金市場に新たな投資選択肢が加わる可能性があり、正式発表が数週間以内に見込まれる。

利益相反と規制空白を問題視

ウォーターズ議員はSEC(米証券取引委員会)が投資家保護の枠組みを構築中の段階で仮想通貨を退職貯蓄に適した資産として認定することは「不整合だ」と主張した。規則案の策定に関与した省内幹部が、規則の採用によって利益を受ける立場の受託者責任保険会社を以前率いていたとして、利益相反も指摘している。

また、退職貯蓄を民間市場に誘導することで企業が株式公開を回避する動機が強まり、「一般投資家が透明性の高い公開市場を通じて優れた企業の成長に参加する機会が失われる」と警告した。

トランプ大統領の成人した子息らが管理するデジタル通貨事業が独自トークンの発行等を通じて約50億ドルの資産を積み上げたとされることも踏まえ、「大統領の利益を押し上げる可能性がある」との懸念を示した。

連邦捜査局(FBI)の報告書では2025年に報告された仮想通貨関連詐欺の損失が110億ドル超と過去最高を記録したとされており、ウォーターズ議員はこのデータも撤回要求の根拠として挙げた。経済協力開発機構(OECD)のデータでは米国の高齢者の22.8%が貧困状態にあるとされ、退職貯蓄の保護を強化すべきだとの立場を取る。

関連記事:全国ビジネス企業年金基金、通貨リスク分散目的で仮想通貨投資へ=報道

1200社が加入する全国ビジネス企業年金基金が2026年度内に仮想通貨投資を開始する方針を示した。大阪取引所もビットコイン現物ETF解禁に合わせ2028年の先物投入を検討中。

これに対しソンダーリング長官代行は、規則は運用責任者が慎重なプロセスを踏んで全ての候補商品を評価することを明確に定めていると反論し、規則案の撤回には応じない姿勢を示している。6月1日には上院のバーニー・サンダース議員とエリザベス・ウォーレン議員、下院教育・労働委員会筆頭野党メンバーのボビー・スコット議員も連名でソンダーリング長官代行に撤回を求める書簡を送っており、野党民主党による反対運動が続いている。

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