- ステーブルコインの担保活用をさらに後押し
- 農産物やエネルギーは24時間化に適さない可能性
大規模トークン化への備え
米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は22日、ニューヨーク連邦準備銀行が主催する「2026年米国債市場カンファレンス」で基調講演を行い、市場を大規模なトークン化に備える必要があると訴えた。ブロックチェーンや人工知能(AI)を大規模に導入できるよう既存の規制枠組みを調整し、オンチェーン金融と24時間取引への準備を進める考えだ。
同氏は講演の締めくくりで「トークン化やオンチェーン金融、24時間取引といった進展により、次の10年は金融市場に過去数十年を合わせた以上の変化をもたらす可能性が高い」と述べた。米国が引き続き主導権を握るとの見方も示し、トランプ政権全体でイノベーションの受け入れや規制の適正化を進め、その基盤を築いてきたと強調している。
セリグ委員長が最も重要な技術革新の一つに挙げたのが、現実資産(RWA)のトークン化だ。高品質なトークン化担保は流動性をより機動的にし、市場の耐性を高める可能性があるという。清算機関や仲介業者、エンドユーザーの間でほぼ即時の決済とリアルタイムの担保移動が実現すれば、手信号による取引が電子取引に置き換わったときと同様の進歩が全資産クラスで起こりうるとの認識を示した。
講演の前半では、米国債市場を取り巻くデリバティブ市場の構造変化を取り上げた。世界のデリバティブ市場は過去20年で想定元本1,200兆ドル規模とほぼ倍増し、その半分近くをCFTCが監督する。米国債先物の1日あたり売買高も約2,000億ドルから約9,000億ドルへと4.5倍に拡大したという。
関連記事:米CFTC、仮想通貨規則案2件をホワイトハウスに提出|セリグ委員長方針を実行
米CFTCが仮想通貨関連の規則案2件を、規則案を事前審査する米政府機関に提出した。上院でのクラリティー法案不成立から2日後の動きで、セリグ委員長がかねて示していた「準備は整っている」という姿勢を行動で裏付けた。
ステーブルコインの担保利用を拡大
ステーブルコインについてセリグ委員長は、ジーニアス法の成立を受け、デリバティブ市場での取り扱いを進めてきたと説明した。CFTCは2026年2月6日付の職員ノーアクションレター(No.26-05)で、証拠金として受け入れ可能なトークン化担保の対象に、国法信託銀行が発行する一部の決済用ステーブルコインを加えた。
3月20日には、トークン化担保の利用に関するFAQも公表している。CFTCは、市場参加者や取引所、清算機関による責任あるステーブルコインの導入を促す方法を引き続き探るという。
24時間取引は資産クラスごとに判断
24時間取引をめぐっては、一律のアプローチは取らないと明言した。CFTCは2026年5月29日に24時間365日の取引・清算・決済に関する職員勧告(No.26-16)を出し、6月25日には標準的な先物契約の24時間取引への拡大と、現物受け渡し型または貯蔵可能なエネルギー商品を参照する無期限先物(パーペチュアル)について意見募集を始めた。
同氏は、仮想通貨や貴金属は現時点で24時間取引に適している可能性がある一方、農産物やエネルギー、一部の金融商品は適さない可能性があると指摘した。市場が24時間体制へ移行する場合に備え、監視システムや証拠金の枠組みが継続的に機能するよう整えることがCFTCの役割だとしている。
姉妹機関の米証券取引委員会(SEC)も2026年9月17日、トークン化株式のオンチェーン取引に道を開く「イノベーション免除」を公表した。仮想通貨業界全体を規制する法案が上院で停滞するなか、両機関がそれぞれ施策を前に進めていると見られる。
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米証券取引委員会(SEC)は17日、許可制のAMM流動性プールを通じたトークン化された米国株式の取引を暫定的に認める適用除外を発表した。対象銘柄数や取引参加者には制限が課される。
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