- 出金再開から約9時間半で純流出約36億ドル、預かり資産の2.1%
- 第1弾の15ネットワーク・銘柄で出金を再開
- 10月31日時点の新PoR、近く公開へ
出金再開から約9時間半の資金動向
大手仮想通貨取引所バイナンスは日本時間2日未明、ハッキング被害を受けて停止していた出金サービスの再開状況を公式Xで報告した。出金は1日15時(日本時間、以下同)から段階的に再開した。21時36分までに、第1弾の対象とした15のネットワーク・銘柄のすべてで再開を終えている。
1日15時から2日0時30分までの約9時間半で、出金は46億4,900万ドル(約7,300億円)、入金は10億1,000万ドル(約1,600億円)だった。差し引きの純流出は約36億4000万ドル(約5,700億円)。同社は、10月28日時点のプルーフ・オブ・リザーブ(PoR)データに基づく預かり資産総額1,710億ドル(約27兆円)の2.1%にあたると説明している。
同社によると、出金量は「最初の急増の後、想定どおり減少し、安定しつつある」。入金も相当な規模を保っているという。投稿では「市場の状況は安定している」とも記した。
関連記事:北朝鮮ハッカー、バイナンス1兆円窃盗の大半をわずか約20分で実行 秘密鍵に頼らず署名悪用
バイナンスで1兆円相当の資産が流出し、大半が約20分に集中したことが判明。分析会社は秘密鍵の盗難・漏洩ではなく署名の仕組みへの侵害と指摘し、EIP-7702が悪用された手口を踏まえ、承認ルールの独立判定などの対策を挙げた。
新たな準備金証明を近く公開へ
PoRは、取引所が利用者から預かった資産と同等以上の準備資産を保有していることを、外部から検証できる形で示す仕組み。バイナンスはゼロ知識証明(ZKP)と呼ばれる暗号技術を使い、個々の利用者の残高を明かさずに負債総額との照合ができるようにしている。
新たなスナップショットは10月31日9時に取得済みで、ZKPの計算を進めている。同社は投稿で、更新版のレポートを翌日(協定世界時2日)にPoRのウェブサイトで公開する見込みだとしている。残るネットワーク・銘柄はテストを続けており、次の段階の詳細は準備が整い次第知らせるとしている。
ハッキングから出金再開までの経緯
出金の停止は、10月29日(協定世界時)に起きた不正アクセスを受けた措置だった。バイナンスは被害の影響額を約63億ドル(約1兆円)と推計し、約30億ドル相当の資産をブロックチェーン上で凍結したと公表している。損失はユーザー保護基金「SAFU」と自社資金で全額補償する方針で、31日には補償用に63億4000万ドル超の自社資金を確保したと明らかにした。
日本法人のバイナンスジャパンは10月30日、顧客資産への影響は確認されていないとしたうえで、予防措置として仮想通貨の出庫を一時停止すると発表した。入庫や取引、日本円の入出金は通常どおり提供していた。同社は11月1日、出庫を順次再開すると発表している。
関連記事:米クラリティー法案が再び焦点に、バイナンス被害で資産凍結の法的保護めぐり論争広がる
仮想通貨取引所バイナンスで約63億ドル(1兆円超)の被害が出たハッキングを受け、ルミス上院議員は、クラリティー法案が成立していれば不審な取引を凍結できたと主張した。これに反論も出ており、業界団体は取引所の連邦監督を議会に求めている。
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