なぜブロックチェーンゲームなのか?

プロローグ:ロボットが私たちの仕事を奪ったら

私たちは費用効率の良い高性能ロボットの時代に突入しています。従来の自動車企業とUberやWaymoなどとITモビリティアプリは既に自動運転技術を開発し、タクシーやバス運転手に取って代わろうとしています。さらに、アマゾンGoやその他多くの自動カウンターはアメリカの小売販売員を淘汰しつつあります。サンフランシスコに拠点をおくCafe Xはロボットバリスタの運用を始めていますし、ピザ作りロボットのズームピザはソフトバンク・ビジョン・ファンドから350万ドルもの出資を受けました。

出典:「彼らはロボット」(ザ・シンプソンズ、シーズン23の17話より)

旧来の仕事が自動マシンやAIテクノロジーによって奪われるのは時間の問題です。我々は以下の問いに対する適切な回答迫られているのです。

  • どこで働き、何をすべきか?
  • 現行の経済システムは持続可能か?
  • どのように社会貢献し我々の価値を証明するのか?

冒険、競争、獲得、通商の発展の歴史

多くの人は今日の「勝者総取り」の経済モデルに批判的ですが、これまでの歴史は少数による富や権力の独占と勝利の繰り返しを物語っています。その結果、虐げられた者たちは新たな世界で新たな活路を見出してきたのです。

この地球上にもう新たに進出しうる領域がなくなった今、アメリカとロシアは目を上空に向けました。イーロン・マスクは、火星を新たな文明が生まれる場所として、将来的に火星に街をつくる計画を発表しました。

しかしながら、これらの試みは投機的な事業ではあるものの、単純な事実を見過ごしています。実は、より容易で実現可能性の高い未来が現実世界にあるのです。

レディー・プレイヤー1(スティーブン・スピルバーグ、2018)

スティーブン・スピルバーグ監督のレディー・プレイヤー1(2018) は、テクノロジーの発展により仕事を失った人々が暮らすVR上の世界を描いており、登場人物は彼らの勤務時間のうちのほとんどをバーチャルゲームに費やしています。仮想世界で獲得した成果は現実世界で実物として交換されるため、人々は仮想世界でためた借金を仮想世界で清算しようとするのです。この映画を見て私は、困惑を禁じえませんでした。我々の経済はレディー・プレイヤー1のような仮想世界になりうるのではないでしょうか?もしそうだとしたら、我々はうまくやっていけるのでしょうか?

ゲームでお金儲け

多くの親は子供にビデオゲームをさせません。ゲーム中毒になる恐れはもちろん、趣味としても職探しにおいても建設的ではないという一般論があるからです。

しかし時代は変わりました。ゲームが得意であれば、それで生計が立てられる時代になったのです。事実、ゲームで大金を稼ぐことができます。アメリカのeスポーツ市場は閲覧回数で既にメジャーリーグを凌駕し、数年後にはナショナル・フットボール・リーグを超えて国内最大のスポーツ市場になると予想されています。リー・サンヒョク氏は、世界一のリーグ・オブ・レジェンドプレイヤーのFakerとして知られ、2018年だけで400万ドル稼いだと言われています。これは他の韓国人アスリートの誰よりも高い収入です。YouTubeやTwitchでゲームの実況をする人もかなり増えています。ゲーム・ユーチューバーである“Great Library”氏は、「YouTubeで年収170万ドル稼ぐには」(“How I make a $1.7 million a year on YouTube”)という本まで出しています。

しかし同時に、そのようなごく一部の頂点に至らないその他大勢がいることも事実です。リネージュでは、1998年にリリースされた第一世代のオンラインゲームが、発売から20年以上経った今でも広く人気を博しています。オリジナルのモバイル版となるリネージュMは、2018年上半期世界高収入モバイルゲームのトップ10に入りました。

リネージュの成功の鍵は、ゲームでお金儲けできるエコノミーにあります。典型的な例は、競争率の高い共同のコミュニティ・アクティビティに参加するMMORPGのプレイヤーです。より高レベルなアイテムはコミュニティの中での価値を高めるため、多くのユーザーがそのアイテムのために現金を注ぎ込むのです。そのため、それらを売却しようとするプレイヤーは利益を得ることができます。このような需要によって、ビジネスとしてのアイテム交換の概念が2001年に持ち上がって以降、急速に広がっていきました。

リネージュ (1998) とアイテムベイ (2001)

ゲームの3つのタイプ

歴史的に見て、ゲームというのは3つのビジネスモデルに分類できます。注意すべきなのは、新たなビジネスモデルが旧来のものより優れているとは限らないということです。

第一のタイプはハードコピーのゲームです。最も初期のものはフロッピーディスクやゲームパック、CD・DVDなどを通して発売されました。ゲーマーはハードコピーを購入すると、それらが擦り切れるまで使いました。現在これらのゲームは、SteamやOriginなどのプラットフォームによって、ユーザーがダウンロードできるデジタルコピーの形で提供されています。

第二のタイプは無料ゲームです。無料でダウンロードしてオンラインでプレイが可能ですが、アイテム購入などで課金することもできます。アップアニーによると、71%のゲームアプリが無料であり、このタイプが標準的なモデルになりつつあるということです。この方式は「課金しないと、ただの製品に成り下がる」という文句とともに、ゲームのみならず多くのインターネットサービスに広がっています。ユーザーはゲーム空間上でアクティブに互いのインセンティブのために貢献し、競争と共同を通してゲーム自体をよくしていく訳です。これがプレミアムなサービスや高価なアイテムを使って上位を目指す動機付けとなっているのです。

第三のタイプはユーザーに収入を与えるものです。リネージュやその他多くのMMORPGゲームがこれに当たります。このジャンルはゲームに限定されていますが、新たな仮想世界を作り出そうとしています。さらに、仮想世界でのエコノミーは我々の現実世界と比べ物にならないほど高度なシステムになるでしょう。

中央集権的な主体による閉鎖された仮想世界を信用していいのか?

ユーザーは多くの場合、低収入や内容の薄さが原因でサービス終了したオンラインゲームに憤慨します。ゲームに多額のお金を投じていた人やそのデータが全てだった人にとって、まるで世界が崩壊したかのような気分になるでしょう。

仮想世界に進出する我々のエコノミー構造にとって、いくつか解決すべき問題があります。まず第一に、誰が仮想世界での出来事の責任を取るのでしょうか?もしサノス(アベンジャーズ・インフィニティウォー)が指を鳴らして仮想世界が半分消えてしまったら?そのような状況に備えて、仮想世界を統治しうる信用ベースのシステムが不可欠でしょう。

現実世界ではサノスが世界人口の半分を消すなどありえません。

多くの熱狂的なゲーマーは、製作者側がゲーム内の経済システムを変えてしまうことを恐れています。例えば、2017年にリネージュの激レアアイテムの価格が1日で10万ドルから3万ドルに下がり、市場経済に大きな混乱を巻き起こしたことがありました。これは多量のキャッシュアイテムが注入されたことで、ゲーム内のお金の価値が急激に低下したことが 原因でした。さらに悪質なケースでは、製作者が故意にゲーム内システムを操作し、アイテムやカジノの確率アルゴリズムを書き換えることもあります。今日私たちの知るゲームの世界ではこのような事が山ほどあり、どれほど複雑に設計されていても現実のようにはならないのです。

では一体、何が我々の世界を現実たらしめるのでしょうか?我々の生きる現実世界はファンタジーとどのように異なるのでしょうか?万有引力や地球の自転、時間の流れなど、我々の考えは不変の自然法則に基づいています。思想や文化、コミュニティはそれらの上に成り立ち、巨大かつ複雑な現実を紡いでいきます。

加えて、私たちは資産はどこにでも存在しそれは所有し使用する事が可能だと信じています。私がサングラスを持っていたとしても、街の外で使えなければその価値は下がってしまいます。このような限られた相互運用性が、ゲーム内のアイテムが現実資産と考えられている理由なのです。

ブロックチェーンはこれらの問題を解決しうるテクノロジーと思想を与えてくれます。中央のゲームサーバーに保存されるコードの代わりに、書き換え不可能な透明性のあるブロックチェーンプロトコルを想像してみてください。デジタル資産が正しい方法で発行・所有され、多様なプラットフォームによる操作性が保証された時、我々は現実のインターネット世界で暮らすことになるのです。さらに言うと、我々の考える現実世界の資産は、プラットフォームによって発行される非代替性トークンになるのです。

ブロックチェーンゲームの世界は我々の思いのまま

我々のエコノミーは、ブロックチェーンエコシステム内の多くの暗号通貨がもたらすトークン経済によってより公正で効率的になります。現在、ほとんどのブロックチェーン事業は興味のあるアダプタコミュニティにとどまり、広く拡大してはいません。そしてその原因は実証実験をする機械の欠如にあるのではないでしょうか。現実世界に統合されたトークンは実現したら多大な影響をもたらしますが、実際の現状としてこの変化を受け入れる余裕がありません。コーヒーや切符など、不変の価値を持つ日常的なモノやサービスをトークンで支払えるようになれば、少しのトークン価格の変化が多くの混乱を巻き起こすでしょう。

一方でゲームの世界では、エンターテイメントが薄っぺらいストーリーや不確実性の正当化になります。私たちはSF映画に未来を投影しますが、それ以前に、ファンタジーは我々の想像力をかき立ててきました。J.K.ローリングがアイアンマンスーツを纏うずっと前に、我々の頭の中には箒にまたがる魔女がいたのです。

現実世界の多くの教義は、これまでのゲームの世界で示されています。

貨幣システムや市場、ギルド、統治など、現実のインターネットに必要なものはこれまでのゲームの中で示されてきました。ブロックチェーンとゲームの融合により我々の新たな試みが可能になるわけです。近い将来、ブロックチェーン上で現実世界を作り出すプラットフォームは、もはやゲームとは言われないでしょう。我々はブロックチェーンに投資することで、新たな文明の境地を探す旅へ乗り出しているのです。我々と共に共に進んでいきましょう。

著者プロフィール: サイモン・ソジュン・キム ハッシュド CEO兼パートナー
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