マスメディアの「ビットコイン高騰」報道相次ぐ 紙面の一面掲載も

フィナンシャルタイムズの1面トップに「ビットコイン」

暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)が2021年初に最高値を更新し3万ドルを突破する中、主流メディアがBTCをトップニュースとして取り上げる事例が続いている。

フィナンシャルタイムズ国際版1月4日の紙面では、トップニュースとして「ビットコイン価格3万ドルを超える」の見出しが登場、BTCが急騰する様子を示す図も付された。

ビットコインが一時約3万5000ドルまで急騰したこと、また2020年にS&P500が16%、金(ゴールド)が25%の値上がりだったことに対し、BTCは305%も値上がりしたことに言及している。

またこの背景に触れて、次のように述べた。

ビットコインの上昇は、仮想通貨がより金融システムに統合されてきているというサインにより促進されている。10月には、PayPalが米国ユーザーはデジタルウォレットにビットコインを保有する選択肢を得るだろうと発表した。

一方で、3年前のように強気相場の崩壊が繰り返されるのではないかとの懸念の声もあると報じている。

ブルームバーグ報道

ブルームバーグも1月3日の「あなたが知っておくべき5つのこと」という記事のトップで、ビットコイン急騰について取り上げた。

ビットコインは、下落する前に9.8%も上昇して34,792.48ドルになった。初めて2万ドルを突破した12月には、約50%上昇した。

さらに、仮想通貨ローン融資プラットフォームNexoの共同創設者Antoni Trenchev氏の「BTCは、おそらく2021年の第1四半期に5万ドルに達する見込みだ」との独自見解も掲載している。

日経新聞報道

また日本では、日本経済新聞もビットコインの3万ドル突破を報道。機関投資家や、データ分析などの事業会社が自己勘定投資に乗り出していることも、「バブルの様相を見せるビットコイン相場の波乱要因となっている」と説明している。

昨年11月時点でも、ウォールストリートジャーナルが、一面でビットコインを取り上げており、BTCが著名投資家Paul Tudor Jonesなど新しい支持者を獲得していることに言及していた。主流メディアもBTCを大きく取り上げるようになってきたことが分かる。

2020年に金融大手の参入が加速

2020年の1月1日には7258ドルだったBTC価格は、コロナショックで3月に急落したものの、3度目の半減期を目前にBTC市場が回復。相次ぐ機関投資家の参入により10月からビットコインは騰勢を強め、12月には2万ドルを突破し、3年ぶりに過去最高値(ATH)を更新した。勢いが衰えずに高値を更新する市場を受け、2021年の1月3日には、一時3万4000ドル(約350万円)を記録している。

関連:ビットコイン生誕12周年 どのように350万円まで高騰したのか、激動の歴史を振り返る

フィナンシャルタイムズなども指摘するように、2020年は機関投資家や大手金融企業が仮想通貨分野への参入を加速させた年になった。

企業のBTC購入事例が相次いだほか、PayPalは2020年11月に、まず米国で仮想通貨売買のサービスを開始。BTCだけでなく、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)も取り扱っており、2021年中には世界の2800万以上の加盟店で仮想通貨決済が導入される予定を発表するなど一般投資家の参入障壁低下も期待が高まっている。

これについてみずほ証券シニアアナリストのDan Dolev氏は「PayPalにとってBTCは単に収益を得るための手段ではなく、同社のアプリの利用を増やす引き金になり、それがまた収益の増加につながる」と説明した。

関連:「ビットコイン価格高騰で恩恵を受けるのはPayPalのような決済企業」──みずほ証券シニアアナリスト

またクレジットカード大手Visaも加盟店で仮想通貨での決済を可能にするサービスを仮想通貨関連の20社以上と提携して行っている。昨年11月、VisaのAlfred Kelly CEOは「仮想通貨は決済の領域において発展を続けている分野だ。コモディティではなく通貨として仮想通貨に注目している」と発言した。

関連:クレカ最大手Visa CEO「コモディティではなく決済面での仮想通貨に注目」

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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