次期CFTC委員長候補、仮想通貨に対する権限拡大を要求

仮想通貨に対する権限拡大を求める

米商品先物取引委員会(CFTC)の委員長に指名されたRostin Behnam氏は27日、上院農業委員会での公聴会で、就任した際の方針を説明した。暗号資産(仮想通貨)に関するCFTCの権限を拡大することも求めている。

CFTC(商品先物取引委員会)とは

商品取引所に上場する商品や金利、デリバティブ全般など、米国の先物取引市場を監督する機関。1974年設立の政府機関。市場参加者を保護し、市場の健全性を確保するため、不正の防止・摘発を行う。「CFTC」は「Commodity Futures Trading Commission」の略。

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Behnam氏は、テザー社やデリバティブ取引所BitMEXに対して罰金を科したことなど、最近CFTCが実施した数々の法的措置に触れ、「これは氷山の一角だ。昨日の時点で、デジタル資産市場の規模は2.7兆ドル(約307兆円)で、そのうち、60%近くがコモディティだった」と発言。CFTCが仮想通貨を監督する上での、より大きな法的権限を求めた。

仮想通貨セクターの成長や、それが消費者や金融の安定性に与えるリスクを考慮すると、CFTCが仮想通貨の現物市場も監督できるように、その権限を拡大することを検討すべきだとも提案している。

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Behnam氏は、公聴会の冒頭で仮想通貨に対する方針について次のように語った。

デジタル資産の成長と普及は、すべての規制当局に多くの新しい課題をもたらしている。こうした背景から、CFTCは既存の法的権限を積極的に活用し、仮想通貨市場における不正や市場操作を摘発・抑止してきた。

認められれば、CFTCは引き続き、顧客を保護し市場の回復力を強化するために、積極的なアプローチをとっていく。

本委員会と協力してCFTCの権限を再検討し、必要であればそれを拡大したい。それにより、新たなデジタル資産市場の恩恵を確かなものにして、顧客や金融市場の安定性に不必要なダメージを与えることなく、関連テクノロジーを活用できるようにしたいと考える。

「一つの規制構造」の必要性

Behnam氏は、現物市場の監督は「従来の、デリバティブを規制するというCFTCの役割からは逸脱しているだろう」としつつ、望まれる場合には、CFTCの準備は整っていると述べている。

さらに、「市場取引は、デジタル資産がもたらすリスクの大きな部分を占めている」として「証券とコモディティの両方に適用できる一つの規制構造」の必要性にも言及した。

CFTCは、デリバティブなど先物商品にあたる仮想通貨の監督について権限を持っている。一方で、米証券取引委員会(SEC)は証券にあたる資産を担当しており、両機関の連携が以前より求められているところだ。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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