はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

テザー社とBitfinexが米CFTCと和解 USDTの裏付け資産や取引所の運営巡り

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

テザー社とBitfinexがCFTCと和解

米商品先物取引委員会(CFTC)は15日、ステーブルコイン発行企業「テザー社」と、テザー社の関連企業である暗号資産(仮想通貨)取引所「Bitfinex」に対し、罰金として合計4,250万ドル(約48億円)の支払いを命じ、両社とも和解に応じたことを発表した。

テザー社に対しては、「同社が発行するステーブルコイン『USDT』が、法定通貨で全て裏付けられていなかったことが過去の説明に反する」と指摘。Bitfinexに対しては、仮想通貨取引所の運営において、以前に指摘した規制違反が再度確認されたとしている。

USDTとは

価値が米ドルと1:1になるように運営されているステーブルコイン。法定通貨など、発行されるUSDTと同等の資産をテザー社が保有することで、価値が担保されている。

▶️仮想通貨用語集

関連初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

CFTCは今回の発表で、テザー社は2014年以降、「USDTは法定通貨に連動したステーブルコインで、米ドルやユーロのような法定通貨を裏付け資産として持っている」と説明してきた主張。

その上で、「少なくても2016年6月1日から2019年2月25日までは、流通するUSDTを裏付けるだけの十分な法定通貨を保有していなかった」とし、消費者や市場に虚偽の説明をしていたと指摘した。CFTCは、法定通貨以外の資産がUSDTの裏付け資産に含まれているのを公表していなかったことを問題視している。

関連テザー社「USDTの裏付け資産に中国恒大集団のコマーシャルペーパーは含まれていない」

また、100%の裏付け資産を常に保有していることを証明するため、定期的に専門企業の監査を受けるとテザー社は説明していたが、それも守られていなかったとした。

さらに、裏付け資産の保有を、規制下にない企業や第三者に任せていたと指摘。Bitfinexの運営資金や顧客の資産と混ぜて裏付け資産を管理していたことも問題視しているという。

Bitfinexの問題

Bitfinexについては、少なくても2016年3月1日から2018年12月31日まで、商品取引所法(CEA)が定める「プロの投資家」以外の米国民に、取引所外で商品の取引サービスを行なっていたと指摘。これが違法行為にあたるとした。

また、先物取次業者としてCFTCに登録せずに、ビットコイン(BTC)やUSDTなどの注文を受けたりしていたことも指摘。さらに、証拠金取引を提供する際に、Bitfinexの顧客同士が資産の貸し借りをするサービスを使って、資金繰りを行なっていたことも問題視した。

CFTCはこういった問題行為を行わないように2016年にも指摘していたが、それが守られていなかったと主張。罰金以外の対応として、CFTCはBitfinexに対し、2021年12月31日までに、プロの投資家以外は対象の取引に参加できないような手段を講じるように命じている。

CFTCはこれらの主張をもとに、テザー社には4,100万ドル(約46億円)、Bitfinexには150万ドル(約2億円)の支払いを命じ、両社が支払いに応じて和解したという。

テザー社側の声明

テザー社は今回のCFTCの発表を受け、声明を発表。CFTCは、テザー社の現在の運営については何も問題を指摘していないとし、2年半以上前の裏付け資産に関する問題も、2019年2月の利用規約の改定で解決済みだとした。

裏付け資産が全て現金ではないこと、またテザー社名義の銀行口座に裏付け資産が保有されていなかったことを指摘しているだけで、裏付け資産が十分ではないとしているわけではないと主張。現在も常に裏付け資産は十分に保有しており、償還の要求に応じなかったことは一度もないと改めて強調した。

Bitfinexに関する指摘についても、2018年12月以降の状況は指摘されていないと説明。今回罰金を払って和解したのは、今後の事業に集中するためだとしている。

両企業の顧問弁護士であるStuart Hoegner氏も、今回罰金を支払ったが違反行為を認めたわけではないとし、監査についても準備を進めているとコメント。

関連仮想通貨テザー(USDT)に関する厳格な監査結果、数ヶ月以内に公開か

また、今回の指摘は過去の問題だとし、CFTCが指摘する期間は、銀行の問題でBitfinexのような他企業に資産の保有をサポートしてもらっていたこともあったと説明している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/17 月曜日
20:08
暗号資産の金商法移行が本格化、分離課税実現へ最終局面=ブロックチェーン議連
金融庁が暗号資産を金商法に位置づけ、インサイダー取引規制を整備する方向を明示。業界団体は20%申告分離課税を要望。来年の通常国会での法整備を目指す。第31回ブロックチェーン推進議員連盟で議論。
17:41
IG証券、仮想通貨ETF CFD取引を終了へ 金融庁の新指針受け
IG証券が仮想通貨ETF CFD取引の終了を発表。金融庁が「望ましくない」との見解を示したことを受け、12月1日から新規建て停止、2026年1月末までに既存ポジションの決済が必要に。
16:43
ステーブルコイン取り付け発生ならECB金利再考も、オランダ中銀総裁が警告=FT報道
欧州中央銀行の政策委員がステーブルコインの取り付け騒ぎ発生時にはECBが金融政策見直しを迫られる可能性があると警告。米ドル建てステーブルコインの急拡大が欧州の金融主権に及ぼすリスクについて、ECB当局者や専門家の懸念が高まっている。
14:32
ハーバード大のビットコイン投資が急増 IBIT保有を前期比257%拡大
ハーバード大学がブラックロックのビットコイン現物ETF(IBIT)保有を257%増加し、685億円相当を保有していることが明らかになった。これによりIBITがポートフォリオ最大の銘柄となった。
12:15
金融庁、資金調達目的の暗号資産発行者への情報開示義務化へ=報道
金融庁は資金調達型暗号資産発行者に年1回の情報開示を義務化する方針。金融審議会では継続開示の必要性や頻度をめぐり議論が展開。ICO・IEOの構造的課題も指摘され、2026年の金商法改正案に盛り込まれる見通し。
11:40
デッドクロス形成のビットコイン、市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」水準で推移
ビットコイン急落に伴いテクニカル指標は弱気のデッドクロスを形成している。FRB利下げ期待の後退を受け、投資家がリスク資産から安全資産へシフト。市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」を示す水準まで悪化した。デリバティブ清算が連鎖しETF大規模償還につながったが、専門家は感謝祭後の回復を予測している。
11:30
「ビットコインは底値圏に達した」金融大手JPモルガンのアナリストらが見解
JPモルガンが、仮想通貨ビットコインの価格を生産コストの観点から分析。底値に到達したとの見解を示している。同社はビットコインの目標価格を17万ドルとしている。
10:45
カードン・キャピタル、888BTC取得完了 不動産とビットコインの融合プロジェクト
不動産投資大手カードン・キャピタルが「101 Mizner Boca Bitcoinプロジェクト」向けに888BTCの取得を完了。年内で3,000BTC超を購入し、不動産収益でビットコインを継続購入する独自の融合モデルを展開。マイクロストラテジー戦略を不動産に応用した新たな投資手法として注目を集める。
09:49
アーサー・ヘイズ、保有していたアルトコイン大量売却か 実際の価値提供が必要との意見も
著名仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏がイーサリアムやエセナなどのアルトコインを大量売却している。専門家は4年サイクル論の終焉と実需の重要性を指摘している。
11/16 日曜日
16:22
金融庁、暗号資産105銘柄の「金融商品」扱いを検討 金商法適用へ=報道
金融庁は暗号資産に金融商品取引法を適用し、交換業者が取り扱う105銘柄に情報開示とインサイダー取引規制を導入する方針。税率は最大55%から株式と同じ20%への引き下げを検討。2026年の通常国会で改正案提出を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、XRP現物ETFの米上場や世界初のZcash保有企業の91億円調達など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナ、ジーキャッシュといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、下値余地残すも反発は時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC相場は1530万円周辺で推移。米政府機関閉鎖解除後もハイテク株軟調で上値重い展開。12月FOMC前の経済指標不足が懸念材料に。一方、STH損失レシオが95%超となり売られ過ぎの水準。オプションOI分析では9.5万ドルがターゲットに。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米史上最長の政府閉鎖終了に高い関心
今週は『金持ち父さん貧乏父さん』著者ロバート・キヨサキ氏によるビットコイン・金・銀の価格予想、堀田丸正のBitcoin Japanへの社名変更、米政府の閉鎖終了に関する記事が関心を集めた。
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧