イーサリアム先導の仮想通貨相場再来か、ETH/BTCは重要ラインまで接近
金融マーケット市況
11月30日の議会証言にて、米連邦準備制度(FRB)のパウエル議長が、持続的なインフレーションリスクを念頭にテーパリング(量的緩和縮小)終了時期の2〜3ヶ月の前倒しに言及。12月14,15日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)で議論する考えを示した。
これに伴い、金融引き締め及び利上げ観測が強まったことなどから、米ダウ平均株価は前日比652ドル(1.9%)安と1ヶ月半ぶりの安値を付けた。
既存ワクチンや治療薬が効きにくい新型コロナウイルスの変異種オミクロンについては、「雇用と経済活動に下振れリスクをもたらし、インフレの不確実性やサプライチェーン(供給網)の混乱を招く可能性がある」などと懸念を表明した。
仮想通貨市況
1日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比-1.13%の647万円(56,875ドル)とほぼ横ばいで推移。前月比では-6.19%と反落した。
金融マーケットのリスクオフが重石となり、6万ドル付近ではレジスタンスライン(上値抵抗線)に阻まれている。
依然として際どいラインにはあるが、ここ数日活況にあるイーサリアム(ETH)がけん引する形で再上昇に転じ、MACDのゴールデンクロス(日足)が成立するようであれば、年末相場の騰勢にも弾みがつくか。
現在の仮想通過相場で強さが目立っているのが、Coinmarketcap(CMC)時価総額2位のイーサリアム(ETH)だ。前月末から1日にかけて過去最高値4,867ドルに迫る4,700ドル台を回復。前月比では+8.52%となっており、前月比-6.19%のビットコイン(BTC)とは明暗が別れた。
米SEC(証券取引委員会)によるイーサリアム先物ETF(上場投資信託)の申請も思惑につながっていると見られるが、特筆すべきはビットコイン建ての「ETH/BTC」チャートだろう。
2018年5月以来、約3年半ぶりに0.083BTC〜0.085BTCのブレイクに成功してひとつ上のステージまで伸長した場合、イーサリアムの時価総額がビットコインの時価総額を上回る「フリッピング」が再び意識され始める可能性もありそうだ。Coinmarketcapのデータによれば、現在のビットコインの時価総額は約122兆円、イーサリアムが約63兆円となっており、およそ2倍ほどの開きがある。
今夏のロンドン・ハードフォーク以来、イーサリアム(ETH)のバーン(焼却)数は加速の一途をたどっている。ETH2.0のデポジットも増え続けているため、ますます市場供給量は減少し、その希少価値を増していると評される。
CryptoQuantに投稿したmaartunn氏が示したオンチェーンデータによれば、仮想通貨取引所での総ETH供給割合を示す年間のインジケーターの値は約21%から約14%まで低下し、最低値を記録した。
一部アナリストの間では、このままいけばDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)市場で高まり続けるETH需要に対して「浮動数」が不足する”供給ショック”を引き起こす可能性すらあると見る向きもある。
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アルト市場と個別銘柄
その他の上位アルトでは、最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのユーティリティトークンであるバイナンスコイン(BNB)が、前週比+6.11%と反発。632ドルを回復した。
BNBは過去最高値の700ドル台を越えられるかどうかが目下の焦点だろう。ここ最近の相場サイクルは、犬系、メタバース(仮想空間)関連銘柄などのテーマ性のあるトークンから、再びイーサリアム(ETH)やバイナンスコイン(BNB)などの主要アルトにシフトしつつあることを示唆する。
イーサリアム(ETH)上昇に伴い、CMC19位でイーサリアムスケーリングソリューションのポリゴン(MATIC)も復調。前週比+10.5%で1.86ドルを回復した。
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また、ネム(XEM)がハードフォーク「Harlock(ハーロック)」を無事完了した。新通貨シンボル(XYM)のCyprus(キプロス)」はすでに成功しており、新体制での船路が始まることになるため、思惑が加速しそうだ。
今後の展望など、詳細は以下の記事で解説している。
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