ビットコイン買い集めフェーズへの転換示唆、テラ(LUNA)が時価総額7位に浮上
世界情勢と仮想通貨市況
2日の米株式市場で、米ダウ平均株価は前日比596ドル(1.8%)高と3営業ぶりに反発した。昨日は大幅下落しており、相場の乱高下が目立つ。
ロシアとウクライナの戦争が世界中で懸念される中、2回目の停戦交渉が3日中に行われる見込み。
3日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比0.34%安の506万円(43,779ドル)と横ばいで推移。
3/4(金)22:30には米雇用統計を、3/10(木)22:30には消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、様子見基調となりやすいか。
データ分析企業のSantimentによれば、ビットコイン(BTC)の感情指数は今週、20年10月以来の過去最低値まで落ち込んだ。
FundingRate(資金調達率)は、ロシアがウクライナに軍事侵攻する前から10日間の内大半をマイナス圏で推移しており、有事の際の反騰局面では相応の規模のショートスクイーズ(踏み上げ)発生を示唆している。
Santimentは、異なる資産クラスであるビットコイン(BTC)、金(ゴールド)、S&P 500(米株価指数)それぞれの相関を可視化。最近のBTCは米株指数とデカップリングの兆候を示しており、独立した値動きは良い傾向だとした。
サイクル転換の兆候
データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOによれば、「Accumulation(買い集め)」フェーズが再開した。
これは、ビットコイン残高を算出する「UTXO(未使用トランザクション出力)」バンドを元に、保有者の年季分布を示したもの。
特に6〜18ヶ月の保有率で顕著に出ており、中・長期保有が最も減少した21年5月頃の比率はわずか13%だった。その後再び拡大傾向にあることが見受けられ、少なくともオンチェーンデータ上では、「Distribution(売り抜け)」期間から次のサイクルへと転じ始めている。
同指標によると、6ヶ月以上保有されたアドレスのBTC時価総額がBTC全体時価総額の52%に達した。半数の50%はサイクル転換の節目と言える。
累積UTXO年齢の上昇は、相場の底で弱小投資家の降伏(損切り)を経て、中・長期保有を前提とした機関投資家のスマートマネーが断続的に流入。昨年購入した大口投資家の多くが保有し続けていることを示唆している。
Ki Young Ju氏は、このことから、「昨年の最安値1BTC=28,800ドルに達する可能性は低い」と結論づけた。
一方、In The Money StocksのチーフマーケットストラテジストであるGareth Soloway CEOは、中期的には弱気だと言及。「チャートパターンは巨大なベアフラッグの中にある。1BTC=20,000ドルまで下落する可能性は十分考えられる。」と懐疑的な見解を示した。
2万ドルは、2017年12月に記録した約3年前の仮想通貨バブルの最高値。
個別銘柄
テラ(LUNA)の時価総額が、ソラナ(SOL)とエイダ(ADA)を上回り、Coinmarketcap(CMC)時価総額7位に浮上した。前週比+42%のパフォーマンスは、ビットコイン(BTC)の前週比+14.2%、イーサリアム(ETH)の前週比+12.9%と比較しても群を抜いている。
テラ(LUNA)は、分散型ステーブルコインのブロックチェーン決済ネットワークで、分散化ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」が利用されている。USTは現在、暗号資産(仮想通貨)市場で第4位のステーブルコイン。
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2月21日には、テラ(LUNA)のエコシステムをサポートする非営利組織「Luna Foundation Guard(LFG)」が、LUNAトークンのプライベートセールで10億ドルを資金調達したことを発表した。リード投資家には、Jump CryptoとThree Arrows Capitalといった著名VCが名を連ねる。
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Staking Rewardsのデータによれば、300億ドル以上のLUNAが預け入れられた。デリゲート(委任)のAPR(年換算利回り)は6.8%。
クロスチェーンプロトコルOrion.moneyによるLUNAのステーキングは20億ドル以上に及ぶ。
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