反転攻勢のビットコイン23000ドル台まで続伸、パニック相場終焉でトレンド転換の兆し
仮想通貨市況
19日の米株式市場では、ダウが前日比754ドル(2.4%)高と大幅上昇。これを受け東京株式市場では、日経平均株価が前日比637円(2.3%)高となった。
記録的なインフレ抑制のためFRB(米連邦準備制度)が傾倒する金融引き締めの水準がピークアウトするとの見方が強まった。
13日発表のCPI(米消費者物価指数)では、40年ぶりの高値である前年同月比+9.1%に達した一方、ミシガン大学の「消費者信頼感指数」は上げ止まっており、追加利上げ1.00%を巡る投資家の思惑が交錯した。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比+5.4%の322万円(23,290ドル)と強く続伸。
週足では、前週までに18,000ドル台を耐え抜いた後上放れ、200週移動平均線の22,713ドルを超えるなどトレンド転換を示唆するとの見方が強まった。
週足MACDも上向き始め、このまま推移すればゴールデンクロスが成立する。
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一方、金融引き締めは今後も続く見通しで、世界的な景気後退リスクへの懸念強まる中、「下落トレンドの最中の一時的な反発に留まる」とする慎重な見立ても少なくない。
バイナンスのプレゼンス拡大
Blockware SolutionのリードインサイトアナリストであるWill Clemente氏がシェアしたデータによれば、バイナンス関連ウォレットのビットコイン保有残高が、コインベースウォレットの上回ったことがわかった。
月間出来高では、バイナンスが3,980億ドルで業界首位。2位がFTXの716億ドル、3位がコインベースの591億ドルとなった。
コインベースは21年4月にナスダック株式市場に上場を果たした。機関投資家御用達の取引所としてフロー状況が注視されるなど一際目立つ存在感を放ってきたが、下落トレンドの長期化及び市況急悪化に伴い、機関投資家のスマートマネーが激減。昨今では人件費削減を余儀なくされるなど、リテール主体の大手取引所と比較して影響力に翳りも見られる。
アルトコイン相場
ここ数ヶ月間に渡って売り叩かれていた主要アルトも前週比で軒並み大幅反発しており、全面大幅高の様相を呈している。
相場反転に伴い、先物市場では大規模なショートスクイーズ(踏み上げ)を引き起こした。イーサリアム(ETH)価格が12.5%上昇した際には、1時間で9,800万ドル以上のショートポジションがロスカットされたという。
ETH価格は前週比+40%上昇し、1ETH=1,500ドル台を奪還した。ここ数日間のアルト市場への資金流入により、市場占有率を示すBTCドミナンスは2%ほど低下、ETHドミナンスは16%→18.9%まで拡大した。
伝統金融市場の地合い好転のほか、大手ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)や融資企業Celsiusの連鎖破綻という結末を迎え、DeFi(分散型金融)市場を発端とする”パニック相場”終息の兆しが見え始めたことで買い戻し圧力が強まった。
また、新チェーンと旧チェーンの統合を図る大型アップグレード「The Merge(ザ・マージ)」のメインネット実装予定日が9月19日に行われる見通しであることが伝わり、思惑買いを集めている。
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行が実現すると、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)で行わるETHのマイニング(採掘)は終了し、1日あたりのETH生成数は現在の12,000ETHから1,280ETHへと「インフレ率」90%減が見込まれる。
最終テストネット「Goerli」でのマージを経て、問題が発生しなければ、いよいよ仕上げの行程に進むことになる。
なお、オンチェーンデータ分析企業のSantimentによれば、5月初旬以降131頭の新しいクジラ(大口投資家)が出現。1,000ETH〜100,000ETHのアドレス層の増加が確認された。
Santimentは、イーサリアムのスケーラビティ問題を緩和するスケーリングソリューションであるポリゴン(MATIC)にて、アドレスアクティビティが急増したことも注視した。
Walt Disney Companyは先週、「DisneyAccelerator」の6社の内の1社にポリゴンを選出した。事業開発プログラムでディズニーの支援を受けるのは、ブロックチェーン企業として初の事例となる。
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