マージの実施予定日
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のコンセンサスアルゴリズムをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行する「The Merge(マージ)」の実施予定日が22年9月19日に設定された。
マージ(Merge)は英語で「統合」を意味しており、The Mergeでは、ユーザーが現在利用している旧イーサリアム(メインネット)と「ビーコンチェーン」と呼ばれる新しいチェーンを「統合」することにより、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)へのアップグレードが完了する。
PoS移行によりETHのマイニングは終了し、ETHの1日あたりの生成数はPoW時の12,000 ETHから、1,280 ETHへと、インフレ率が約90%減少することになる。
14日に開かれたカンファレンスコールで、主任開発者Tim Beiko氏が提案したスケジュールに対して、コミュニティから異論は出なかった。ただし、メインネットでのマージまでにチェックポイントが複数残されている点に注意が必要だ。
イーサリアム開発者superphiz.ethは、9月19日は確定ではなく、あくまで計画の見通し(仮予定日)として見るよう説明している。
The https://t.co/4GFmxSB928 mobile app has a great merge checklist that solo stakers will find very useful. You'll want to pay close attention until after the merge to ensure that your node is fully ready. It's almost showtime frens! @beaconcha_in pic.twitter.com/Ua6EXJ2S02
— superphiz.eth 🦇🔊🐼 (@superphiz) July 14, 2022
関連:待望のPoSへ、イーサリアム大型アップグレード第一弾「The Merge」を詳細に解説
アップグレードまでのプロセス
マージはこれまで、Ropsten、Sepoliaの2つのテストネットで実装されてきた。イーサリアム・メインネット実装までは、最後のテストネット「Goerli」での試運転が必要となる。
14日の会議資料によるとGoerliでのマージは8月11日に予定されている。また、イーサリアム・メインネットでのマージ(9月19日)の2週間前(9月上旬)には、本番環境の準備のためにクライアントフォーク「Bellatrix」が実行される。
なお、開発者チームは、イーサリアムのテストネットのうち、Ropsten、Kiln、Rinkebyの3つを、マージ完了後に閉鎖すると発表している。GoerliとSepoliaは存続予定である。
チームによると、Goerliには、強力なコミュニティと多くの既存インフラがあり、プロトコルのアップグレードをテストするステーカーや、既存インフラで機能を検討したい開発者に推奨される。
関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み
一方、Sepoliaは比較的新しく、その状態や履歴はどちらも非常に規模が小さいため同期も早い。より軽量なチェーンとの同期やインタラクションを望むユーザーや開発者に推奨されるという。
PoSとは
保有(=ステーキング)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。取引の承認に高性能なコンピューターが必要で、大量の電力消費を伴うPoWに比べ、環境への影響が少ないとされる。
▶️仮想通貨用語集