7営業日ぶりダウ反発でビットコイン耐える、英国ではポンド急落の影響も
マクロ経済と金融市場
29日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比548ドル(1.9%)高と7営業日ぶりに反発した。
これに伴い暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインが前日比4.6%高の19,494ドルと反発。
年初来安値17,500ドル更新の瀬戸際にあったが、一旦の急場はしのいだ。とは言えレンジ下限の薄氷上を推移しており、当面の地合い改善が見通せない状況で来月中旬にはCPI(米消費者物価指数)発表などを控えることから、底割れは時間の問題と見る向きも強い。
デュケイン・ファミリー・オフィスの創業者で、ジョージ・ソロス氏の右腕として知られるスタンリー・ドラッケンミラー氏は、28日開催のCNBCカンファレンスでマクロ経済に関する見解を述べた。
ドラッケンミラー氏は以前からFRBの金融政策に強い不満を抱いていたことを吐露した上、「現状を鑑みるに米国経済が来年リセッション(景気後退)に陥ることは必然であり、そうならなければ驚愕に値する。想像以上に酷い状況になる可能性もある」などと言及した。
一方、「中央銀行への不信感がさらに高まった場合、暗号資産(仮想通貨)市場が恩恵を受ける可能性がある」との見方を示した。同氏は、2020年にビットコインを保有していたことがある。
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Arcane Researchは28日、FOMC中のBTC市場のボラティリティ(価格変動性)が過去最大に達したことを報告した。
このデータは、暗号資産(仮想通貨)投資家にとってもマクロ経済イベントの重要性が高まっていることを如実に物語っている。
来月13日にCPI発表を、11月2日には次回FOMCを控えている。金融当局の金融引き締め判断に直結するため、インフレ指数が落ち着くまではイベント前後で相場変動が起こりやすくなる不安定な状況は続くだろう。
マイナー売り
なお、Glassnodeのデータによれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)前に1BTC=24,500ドルの戻り高値を抜けられずに大幅下落して以降、採掘業者(マイナー)の大量売却の痕跡が見られる。
同データは、デリバティブよりも現物主導の売り圧力にさらされた最近の下落を裏付けており、米ドル建ての採掘コストを補うため、月平均8,000BTCほど充当せざるを得ない状況にあることを示唆する。
英国で関心急増
英国で暗号資産(仮想通貨)の関心が急速に高まっている。
英ポンドの暴落が市場を揺るがした26日には、「ポンド(GBP)/ビットコイン(BTC)」通貨ペアの取引量が、過去最高の8億8,100万ドルに達した。
同通貨ペアの出来高は、前月比8倍ほど急上昇している。背景には、トラス新政権の打ち出した巨額の財政出動案(大幅減税)及び国債増発計画に伴う、英国の財政悪化懸念がある。
拒絶反応を示した外国為替市場ではポンドが急落。対ドルで最安値更新を続けた後乱高下、1ポンド=1ドルのパリティ割れも意識され始めた。「自国通貨・株式・債券」のトリプル安に加え、政情不安も重なり極めて不安定な事態と言える。
Finboldのレポートによれば、英国人はこれまでに350億ドル相当を暗号資産(仮想通貨)に投じてきた。
調査結果によると、英国の人口の約34%が暗号資産(仮想通貨)を保有。シェア率ではビットコイン(BTC)が20%、イーサリアム(ETH)が8%、ドージコイン(DOGE)が6%と続いた。
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