NEARプロトコル、グーグルクラウドと提携 Web3スタートアップの支援を強化
Web3スタートアップを支援
暗号資産(仮想通貨)NEARプロトコル(NEAR)のエコシステムを支援するNEAR財団は5日、グーグルクラウドとNEARプロトコルがパートナーシップを締結したことを発表した。
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これからグーグルクラウドは、NEARから助成金を受け取っている開発者に、技術的なサポートを提供。dAppsを含むWeb3プロジェクトの開発や拡張性向上をサポートしていく。
拡張性とは
英語で「スケーラビリティ」と表現され、ネットワークの規模が拡大しても機能する能力を指す。一般的には、トランザクションの処理能力や処理速度、処理にかかるコストなどの概念を含蓄していて、ネットワークが拡大し、参加者やトランザクションが増加しても適切に機能できるブロックチェーンは、「拡張性(スケーラビリティ)が高い」と形容される。
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またグーグルクラウドは、NEARのスタートアップ向けプラットフォーム「Pagoda」にインフラを提供する。開発者がコードを速くて安全に、そしてシームレスにデプロイ(展開)できるようにサポート。Pagodaは、スマートコントラクトのテンプレートなどの開発ツールを提供し、dAppsを速く容易にローンチできるように開発者を支援するプラットフォームだ。
グーグルクラウドのデジタル資産部門のCarlos Arenaディレクターは、今回の発表に以下のようにコメントを寄せた。
最も安全で信頼性が高く、持続可能なクラウドのインフラをWeb3開発者に提供し、NEARをサポートしていく。
我々は、ブロックチェーン基盤のプラットフォームで新しいプロダクトやサービスを作る未来のリーダーを、今後も支援していきたい。
また、NEAR財団のMarieke Flament CEOは、以下のように述べている。
インターネットの開拓者であるグーグルクラウドとの協業を嬉しく思う。このパートナーシップで新しい章が始まるだろう。
我々は、開発にNEARを選ぶ先見の明のある次世代の人々に、これからも可能な限り最高のサポートを提供していきたい。
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NEARプロトコルとは
NEARは、高速処理を実現し、安全で拡張性の高いブロックチェーンを開発して、dAppsのプラットフォームになることを目指しているプロジェクト。昨年に急成長を遂げ、現在はネットワーク上にアカウントが2,000万超あり、NEARのブロックチェーンは1日に30万から40万のトランザクションを処理している。また、ネットワーク上のプロジェクトの数は800以上だ。
NEAR財団は、グーグルクラウドとのパートナーシップで、ブロックチェーンのイノベーションが加速することを期待している。
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グーグルクラウドの取り組み
グーグルクラウドは以前から、Web3事業に取り組んでいる。今年の5月には、グーグルがWeb3の専門チームを設立しようと取り組んでいることがわかった。エンドユーザー向けではなく、ブロックチェーンアプリの開発者向けのサービスを提供する計画で、この時にグーグルクラウドの幹部Amit Zavery氏は以下のように述べている。
Web3の普及は世界的に見てまだ初期段階だが、マーケットには多くの顧客がいて、現時点でも非常に大きな可能性を示している。
顧客たちは、我々がWeb3や仮想通貨関連技術のサポートを強化することを望んでいる。
最近では先月、BNBチェーンがグーグルクラウドとパートナーシップを締結。NEARと同様に、BNBチェーンを活用するWeb3スタートアップ企業は、グーグルクラウドが提供する様々な最先端のサービスやツールを活用できるようになった。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します