ビットコイン3週間ぶり2万ドル台を回復、イーサリアム前日比は10%超える

マクロ経済と金融市場

26日のNY株式市場では、ダウは前日比337ドル(1.07%)高と3営業日連続で続伸した。米金融当局の利上げペースが鈍化するとの観測が背景にある。

ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、利上げ幅縮小の議論が始まる可能性について報じた。

次回会合となる11月3日のFOMCでは、0.75%の大幅利上げはほぼ織り込まれており、焦点は12月のFOMCに移る。 米総合購買担当者指数(PMI)が4ヶ月連続で減速するなど、欧米諸国を中心とする景況感の悪化も利上げペース減速期待に繋がっているとされる。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比5%高の20,234ドルと反発。

BTC/USD日足

米株指数の反発に伴い、約3週間ぶりに2万ドルを超えて取引された。20,500ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)を抜けることができれば一段高も見込めるか。大統領選の前哨戦である”米中間選挙”を間近に控える中、政府関係者を中心に、株価に冷や水を浴びせるような言及には慎重なスタンスを取ることが想定される。

主要アルトでは、時価総額2位のイーサリアム(ETH)が前日比11.2%なったほか、8位のエイダ(ADA)が10.3%高、9位のソラナ(SOL)が10.4%高と全面高に。

Messari

イーサリアム先物取引では、24時間で7億ドル(105億円)相当のショートポジションがロスカットされた。Liquidation Dataで清算量の規模感を確認すると直近3ヶ月では群を抜いており、ハイレバポジションが一掃されたことを示唆する。

coinglass

dave the wave(@davthewave)氏は、中期トレンドラインのブレイクから翌年4月までに30,000ドル台を回復すると予想。半年間に渡る弱気相場の底入れシナリオもあり得ると予測した。

注目されるドル指数

市場関係者からは、「ドル指数(DXY)」の反転シグナルを指摘する声も挙がった。

ドル指数の推移

デジタル資産管理会社CoinSharesリサーチ部門責任者であるJames Butterfill氏も、先行指標として米ドルのトレンドを注視する1人だ。

同氏は、異なる通貨間の購買力比較を示す購買力平価(PPP:purchasing power parity)の観点から、「現在の米ドルはかなりの割高水準(過大評価)にある」と指摘。FRBが現在のタカ派スタンスのピボット(政策転換)を示唆した場合、貿易加重ベースでもドルが急落する可能性が高いと述べた。

昨今のマクロ経済状況やウクライナ情勢など地政学リスクの観点から楽観するには早計であり、この先も予断の許さない展開が想定されるが、相場の重石となっている米長期金利やドル指数のトレンド転換が現実のものとなった場合、リスク資産から離れた資金の巻き戻しが想定される。

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英国情勢はポジティブ

英国の新首相に元財務大臣のリシ・スナク氏が就任したことも追い風だろう。

今年4月には、英国を仮想通貨技術と投資のグローバル・ハブにするための措置として、NFT領域における王立造幣局との協力やフィンテック企業のイノベーション支援のための実証実験制度「レギュラトリー・サンドボックス」の導入、英国金融行為規制機構(FCA)主導で適切な規制設計を探る「CryptoSprint」の開催などを掲げた。

その際、「英国発の金融サービスがテクノロジーとイノベーション分野で常に世界の最前線に立つようにするための計画の一部だ」として意欲を示している。

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英国では先日、前トラス政権が打ち出した大型減税策が金融政策と逆行するとして市場が動揺。英国債の信認低下や法定通貨のポンド急落といった大規模な”金融不安”を招き、避難先としてポンド建てのビットコイン取引が急増する場面があった。

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