コインベースなど仮想通貨関連株全面高 1月の米小売売上高は予想超え|16日金融短観 ディスインフレのプロセスは失速するか
2/16(木)朝の相場動向(前日比)
- ビットコイン:24,107ドル +8.2%
- イーサリアム:1,668ドル +7.3%
- NYダウ:34,128ドル +0.1%
- ナスダック:12,070ドル +0.9%
- 日経平均:27,501円 -0.3%
- 米ドル/円:134.1 +0.7%
- 米ドル指数:103.8 +0.5%
- 米国債10年:年利回り3.79 +1.1%
- 金先物:1,847.6ドル -0.9%
暗号資産
伝統金融
本日のニューヨークダウは売り先行だったが最終的にプラスに転じた。ナスダックは続伸した。15日に発表の1月の米小売売上高が堅調な消費需要を示したことが悪材料とされ、インフレ圧力の継続としてFRB利上げ継続の裏付けとなる観測が高まった。
1月の米小売売上高は3ヶ月ぶりのプラスとして前月比3%増。エコノミスト予想の2%を超えて約過去2年間で最大の伸びとなった。自動車や家具、レストランなど13カテゴリー全てがプラスとなり、借り入れコストの上昇やインフレ高止まりという背景におかれても堅調な賃金伸びに支えられた財やサービスへの支出を継続しているようだ。前日のCPIに続き強い経済指標を受けて想定されていたより高い政策金利の水準に引き上げられると懸念されている。
一方、CPIデータなどの遅行指標では実際の経済動向が反映されるまでに数ヶ月がかかるとされており、一過性の可能性が高くインフレは確実に沈静化し続けているとの指摘も上がっている。
今夜は米1月生産者物価指数(PPI)の発表を控えている。前月比では前回が-0.5%で+0.4%の予想となっている。
2月の重要な経済指標日程
- 16日22時30分(木):米1月 生産者物価指数
- 23日22時30分(木):米10-12月期 四半期GDP個人消費とコアPCE・改定値
- 24日22時30分(金):米1月 個人消費支出(PCEデフレーター)
- 24日24時(金):米ミシガン大学消費者態度指数2月・確報値
関連:仮想通貨市場も注目のCPI(消費者物価指数)とは|わかりやすく解説
米国株
個別銘柄の前日比では、アップスタート(AI融資)+28%、NVIDIA-0.9%、c3.ai+9.4%、ビッグベア.ai+2.4%、テスラ+2.3%、マイクロソフト-0.8%、アルファベット+2.3%、アマゾン+1.4%、アップル+1.3%、メタ-1.2%、コインベース+17%、マイクロストラテジー+10%、シルバーゲート・キャピタル+28.6%、アイリス・エナジー+67%。
AI基盤の融資プラットフォームを提供する米アップスタートについては、前日発表の10-12月期決算で経常収益は予想を上回った。1株損益は赤字になったものの、予想ほどではなかった。一部からは底打ちの可能性が指摘されている。
また、ビットコインマイナーのアイリス・エナジーは今週、現在のハッシュパワーがFTXクラッシュの前の水準に戻りつつあり、これから数ヶ月の間では5.5 EH/sに引き上げる計画と発表し、Bitmain関連の借金を全て返済したと伝えた。一方、引け後発表の決算で1,380万ドルの収益に対し、1億4,400万ドルの純損失を計上したことが明らかになったことを受け、株価は時間外で-14.6%と急落している。
日本株では、野村ホールディングスの海外での動きが話題に。同社傘下の仮想通貨関連子会社Laser DigitalはDeFi関連プロトコル「「Infinity Exchange」に出資した。Infinity Exchangeは昨年9月に420万ドルをGSRやFlow Tradersなどから調達している。
関連:野村の仮想通貨子会社、NEAR基盤のDeFiプロジェクトへ出資
仮想通貨全面高
ビットコインは続伸。今年の高値を更新し24,308ドルまで上昇。AI銘柄やArbitrumエコシステム銘柄、昨日上場したばかりのBlurなども高騰している。
関連:特にサプライズなくCPI通過、ビットコインは22000ドル台を回復
ここのところは仮想通貨市場はCPI前に強い雇用統計やBUSDへの規制引き締めなどネガティブな材料が相次ぎアルト相場を中心に値幅調整していたが、重要なイベント通過は一定の安堵感をもたらしたようだ。
関連:バイナンスCZ氏 日本円など米ドル以外のステーブルコインの必要性に言及
また、ビットコインブロックチェーン上で発行されるNFTへの関心が高まっていることも追い風になった格好だ。
関連:「CryptoPunks」のビットコイン版が価格急騰、2,700万円で取引も
さらに、昨日、中東アブダビの政府系テックエコシステム「Hub71」はウェブ3・ブロックチェーン技術のスタートアップ群に20億ドル規模の資金を投じることを発表した。「Hub71+ Digital Assets」という新たな専門分野のイニシアチブはアブダビに拠点を移す企業へサポートを提供するものだ。
関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」
ドル円続伸
ドル円は1ドル=134.1円、前日比+0.7%。ドルが対円で6週間ぶり高値を付けたほか、ドル指数も6週間ぶりの水準に戻った。連日の強い米経済指標がインフレ抑制のための利上げ継続を正当化するとみられる。
関連:仮想通貨市場にも影響する「ドル高」の背景は 相関性や円安要因についても解説
今夜のGMラヂオ
関連:「GM Radio」 次回はイーサリアムL2開発企業Scrollが参加
今週木曜日12:30から第6回GMラヂオを開催予定。ゲストに、zkロールアップ開発企業「Scroll」の共同創設者Sandy Peng氏を招待し、「EVMの等価性におけるZK競争」をテーマにL2間の競争や今後の計画などについて質問していく予定だ。
先週のGMラヂオ
先週木曜日には第5回GMラヂオを開催した。ゲストのConnextの共同創設者Rahul Sethuram氏で、米VC関連の動向や、ConnextのパブリックローンチやxAppsのメリット、今後の計画などについて語った。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します