CoinPostで今最も読まれています

「CryptoPunks」のビットコイン版が価格急騰、2,700万円で取引も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインNFTの人気上昇

NFT(非代替性トークン)ブームを牽引したETH基盤の人気NFTコレクション「CryptoPunks」が、ビットコインNFTでも価格の火付け役となったようだ。

見逃した人向け:OrdinalPunksのインスクリプション#620が9.5BTC(~21万4,766.5ドル)で売却された

ビットコインブロックチェーン上でNFTの作成を可能にしたのは、今年1月21日にローンチしたばかりのOrdinals Protocol。2,740万円相当で取引されたビットコインNFTは、イーサリアム上に構築されたYuga Labsの「CryptoPunks」コレクションを彷彿させるスタイルで、「Ordinal Punks」と呼ばれる。

全部で100個のOrdinal Punks NFTが作成されたが、すでに完売。今回、9.5BTCの高値をつけたのは「Punk 94」で、非常にレアなエイリアンのCryptoPunksを基盤としており、オリジナルは31.5億円(2400万ドル)相当の値をつけたことがあるという。

ビットコインNFTに対する関心が急上昇していることは、オンチェーンデータからも読み取れる。

暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所BitMEXのリサーチ部門は、Ordinalsに関するビットコインのブロックチェーンデータを分析。今月に入りOrdinalsの利用が急激に高まっていると指摘。2月7日までに1万3,000以上のOrdinalsNFTが確認され、526MBのブロックスペースを消費し、消費された取引手数料は6.77BTCだったと報告している。

Ordinalsの累積取引件数

出典:BitMEXリサーチ

関連:史上最大4MBのビットコインNFTがミント、コミュニティは賛否両論

Ordinalsとは

OrdinalsはBitcoin Coreの元貢献者であるCasey Rodarmor氏が設計したプロトコル。ネットワークの安全性と効率性を高めるビットコインのアップグレード「Taproot」で導入された機能を利用することで、サイドチェーンやレイヤー2などを介さず、任意のデータをビットコインのブロックチェーンに直接保存する。

Ordinalsは、ビットコインの最小単位であるsatoshi(1BTCの1億分の1)に通し番号をつけることで、ユーザーが個々のsatoshiを探索、転送、受信することを可能にした。一つのsatoshiに動画や画像などのデータも含めることもできる。

なおOrdinalsでは、個々のsatoshiにテキストや画像などのコンテンツを追加することをインスクリプション(Inscription)と呼び、そのデータはNFTではなく「デジタル・アーティファクト(加工品)」と表現される。

続々と作成されるビットコインNFT

オリジナルの全CryptoPunks1万個のレプリカをミントした「Bitcoin Punks」など、Ordinal Punksに類似したNFTコレクションも作成されている。

また、2021年に登場したイーサリアムのNFTコレクション「OnChain Monkey」が、Ordinalsを介してビットコイン・ブロックチェーン上のNFTとして誕生した。

イーサリアムNFTと同数の全1万個のNFTがビットコイン上にも完全に複製されたことになる。この発表を受けて、OnChain MonkeyのNFT価格は約3倍に急騰した。

OnChain Monkeyを運営するMetagoodは、ビットコインNFTの取引を可能にすることが次のステップだと述べ、Ordinals周辺に取引関連ツールを作成する必要性を指摘した。同社は、将来的にイーサリアムとビットコイン間にブリッジを構築し、NFT保有者が2つのバージョン間で切り替えられるようにすることを計画しているという。

限られた取引環境

注目を集めるOrdinalのビットコインNFTだが、従来のNFTのようにOpenSeaなどの公開市場で売買できる環境は、まだ整っていない。Ordinal Punksなどの取引は、ユーザー間での直接取引やエスクローサービスを通じて行われている。ウォレット間の転送を行うにはフルノードを稼働させる必要があり、技術的なハードルは非常に高い。

このような取引インフラの欠如に対し、「史上最大のNFT詐欺の可能性もある」として警鐘を鳴らすユーザーもいる。

TheNorwegian氏は、全ての取引がOTC (店頭取引)であり、情報の非対称性が大きいことや透明性の低さが、詐欺の温床となる可能性が高いと指摘した。

Ordinalのブームが単なる一過性のもので終わるのか、継続的に成長していくのかは、今後、ビットコインNFTを支えるマーケットプレイスやブランド力、ウォレットなどのエコシステムが、どれだけ充実していくかにもよるだろう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/08 日曜日
12:00
今週の仮想通貨市場 主要銘柄の注目材料まとめ|XRPL機能強化やSuiゲーム機先行販売
今週は雇用統計データを受けビットコインが続落した。他にも仮想通貨イーサリアムに関する分析や、ソラナ・SUI・XRPの銘柄情報があった。
11:36
今週のビットコインは下落 景気後退懸念でリスクオフムードが波及|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション(景気後退)懸念が強まり、今週の暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコイン(BTC)が大幅下落した。FOMCの注目度が高まっている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|日本の仮想通貨税制に高い関心
今週は、金融庁による税制改正要望での仮想通貨取引への言及、国民民主党の玉木代表による自民総裁選への要望、ドナルド・トランプ前大統領による演説に関するニュースが最も関心を集めた。
09/07 土曜日
15:00
2026年までに米国企業が最大1.5兆円のビットコインを購入か=レポート
仮想通貨ビットコインを財務資産として購入する米企業が増加中。リバー社は、企業によるビットコイン保有量は2026年までに最大94万枚になると推算。
12:30
リップル共同創業者ら88名の実業家、米大統領選でハリス氏支持を表明
米リップル社のラーセン氏、著名投資家キューバン氏など88名の実業家が米大統領選でハリス氏支持を表明した。
11:15
予測市場KalshiがCFTCに勝訴、11月米国選挙で市場立ち上げへ
米予測市場KalshiがCFTCとの裁判に勝利。11月の米国選挙に向けて新たな予測市場の開設が可能になった。
07:50
ビットコイン、米雇用統計発表後に乱高下
仮想通貨ビットコインの価格は、米雇用統計発表後に乱高下し、現在は下落基調に。米国の景気後退への懸念が根強く、株式市場も下落している。
07:10
イーサリアム財団が主要ウォレットに約900億円相当の仮想通貨を保有、財務報告書発表へ
イーサリアム財団は、財団による仮想通貨ETHの運用透明性が欠けていると指摘される中、投資家やコミュニティメンバーの懸念を解消するために近いうちに財務報告書を発表する予定としている。
06:40
バイナンスとOKX、NEIROなどのミームコインの永久先物取引提供
大手仮想通貨取引所バイナンスおよびOKXは6日、ミームコインの永久先物取引を新たに提供開始した。一部のトークンは高騰していた。
09/06 金曜日
17:22
サイバー攻撃から暗号資産を守る「NordVPN」とは|市場トップシェアVPNの活用方法を解説
NordVPNは、市場トップシェアを誇るVPNサービスです。高速の通信速度と多くのユーザーから高い評価を得ているNordVPNの特徴と活用法を詳しく解説します。
16:26
ビットバンク、ポリゴンエコシステムトークン(POL)の取扱い開始
ビットバンクは、ポリゴン(MATIC)から新トークン「ポリゴンエコシステムトークン(POL)」への移行を完了し、POLの現物取引を開始。トークンの特徴と取引方法について解説。
14:30
テレグラムCEO、逮捕後初の声明でフランス当局の対応を批判
テレグラムCEOパベル・ドゥーロフ氏が逮捕後初めて声明を発表。フランス当局の対応は「誤ったアプローチだった」と強く非難した。
14:00
「知的財産権(IP)をWeb3でどう活用すべきか」講談社、サンリオ、手塚プロダクションの有識者が討論|WebX2024
WebX 2024で講談社、サンリオ、手塚プロダクションが、Web3を知的財産(IP)にどう活用するか徹底討論。二次創作、ライセンス管理、新たなビジネスモデルなどを議論した。
13:05
米上場仮想通貨マイニング企業Riot、保有ビットコインが1万BTC突破
米マイニング企業Riotが8月の採掘状況を報告。保有するビットコインが1万枚を突破。今後の成長戦略も明らかにしている。
11:42
ポリゴン(POL)の買い方|STEPN GOユーザー向けおすすめ取引所
STEPN GOで必要なポリゴン(POL)の買い方・使い方を解説。おすすめの取引所やPOLの送金方法も詳しく紹介しています。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア