米AI(人工知能)関連株が軒並み高、ドル円下落|4日金融短観
3/4(土)朝の相場動向(前日比)
- NYダウ:33,390ドル +1.1%
- ナスダック:11,689ドル +1.9%
- 日経平均:27,927円 +1.5%
- 米ドル/円:135.8 -0.6%
- 米ドル指数:104.5 -0.4%
- 米国債10年:年利回り3.9 -2.7%
- 金先物:1,861ドル +1.1%
- ビットコイン:22,311ドル -4.8%
- イーサリアム:1,561ドル -5.1%
伝統金融
暗号資産
本日のニューヨークダウは続伸し380ドル高で取引を終えた。ナスダックとS&P500も昨日から続伸した。
3日夜に発表された2月ISM非製造業景況指数は55.1と、1月55.2から微落も予想54.5を上回った。FRBのタカ派姿勢を正当化する内容となり、株式市場などはネガティブな反応を示したものの、売りは限定的だった。
同指数の仕入れ価格は65.6と、1月67.8から低下する一方、雇用の指数は54と、1月50.0から上昇し21年12月来の最高水準となった。サービス業が新型コロナウイルス流行期に労働者の確保に苦労していたことから、雇用状況が改善しつつあることが示唆されている。
また、2日夜発表の米10-12月期非農業部門労働生産性改定値は前期比年率+1.7%と、速報値+3.0%と予想+2.5%を下回った。一方、同期単位労働コスト改定値は前期比年率+3.2%と、速報値+1.1%から予想(+1.6%)以上に上方修正。また、先週分の米新規失業保険申請件数(2/25)は2000件減の19万件と、前回19.2万件から増加予想(19.5万件)に反して減少に転じた。また、失業保険継続受給者数(2/18)は165.5万人と、予想(166.9万人)に反し前回166万人から減少した。継続する労働市場の逼迫による賃金インフレへの懸念が強まり、米長期金利が一時4%台に急上昇し昨年11月以来の高水準に戻った。米国債相場は続落した。
FRB高官発言
米アトランタ連銀のボスティック総裁は2日に、3月21、22両日に開催予定のFOMC会合で0.25ポイント(0.25%)の利上げが適切だと記者団に対して発言。「私の立場はデータ次第で、経済が想定よりも強い状況を示唆し続けるようであれば、私は政策軌道を調整する」と話した。なお、利上げ停止の時期について、総裁は「夏の半ばか夏の後半までにそうなる可能性があるが、状況次第だろう」と答えた。
ボスティック総裁は今年のFOMCでは投票権を持たない。
今月のFOMC会合と5月の会合では0.25ポイントずつ利上げすると見込まれているが、数人の当局者は0.5ポイントの利上げ幅の可能性を示唆している。また、市場参加者の一部は5月以降も利上げ継続の可能性があるとみている。
3月経済指標(3/8〜3/15)
- 3月8日22時15分(水):米2月ADP雇用統計(前月比)
- 3月10日22時30分(金):米2月平均時給(前月比)・2月非農業部門雇用者数変化(前月比)
- 3月14日21時30分(火):米2月消費者物価指数・コア指数(CPI)
- 3月15日21時30分(水):米2月小売売上高
- 3月15日21時30分(水):米2月卸売物価指数(PPI)
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米国株
個別銘柄の前日比では、NVIDIA+2.4%、c3.ai+33.6%、ビッグベア.ai+11.9%、テスラ+3.6%、マイクロソフト+1.6%、アルファベット+1.8%、アマゾン+3%、アップル+3.5%、メタ+6.1%、コインベース+1.3%、シルバーゲート・キャピタル+0.8%。
人工知能(AI)関連銘柄は3日の取引で全面高。エンタープライズ人工知能(AI)ソフトウェア企業のc3.aiは決算を受け株価が高騰。四半期業績が市場予想を上回ったほか、23年度の売上高と利益の見通しを上方修正したことが好材料とされた。
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仮想通貨・ブロックチェーン関連株(前日比/前週比)
- コインベース|64.5ドル(+1.2%/+10.4%)
- ライオット・プラットフォームズ|6.3ドル(+2.6%/+8%)
- シルバーゲート・キャピタル|1.85ドル(+0.8%/-60%)
コインベースは3日に、資産管理会社One River Digital Asset Managementを買収したことを発表した。One River Digital Asset Managementは金融大手One River Asset Management傘下のデジタル資産管理部門。コインベースはOne River Digital Asset Managementを基盤として機関投資家向けのCoinbase Asset Managementをローンチする予定だ。
シルバーゲート・キャピタル銀行は今週-60%と暴落した。シルバーゲートの財務状況に関する懸念が浮上したことを受けてコインベースやPaxosなどの仮想通貨関連企業は相次いで同社と取引関係を解消した。
*追記:シルバーゲート・キャピタルは4日、「Silvergate Exchange Network(SEN)」のサービス停止を発表。声明で「シルバーゲート銀行は、リスクに基づいてSENを停止する。その他の預金関連サービスはすべて稼動している」と説明している。
SENとは、2017年に機関投資家向けの送金プラットフォームとして開発された自社決済ネットワークで、仮想通貨企業などに特化。2020年に「SENレバレッジ」というビットコインを担保にドル建ての融資を受けられるサービスを開始した。
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また、仮想通貨マイニング企業Riot Blockchainは2日に2022年通期(1〜12月)の決算報告を発表した。2022年に約700億円(5億960万ドル)の純損失を計上。12月末時点に長期債務なし、手元現金2億3030万ドルを含む3億2180万ドルの運転資本、6,974 BTC(年末時点で158億円)を保有して終了した。なお、BTC減損費用に関する現行の計算方法が会計規則の要件を満たしていないとしてSEC(米証券取引委員会)向けの10-Kファイリング(年次報告書の提出)を延期することも2日に発表した。
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ドル円135.8円
ドル円は1ドル=135.8円、前日比-0.6%。ドル円は米10年債利回りが3.98%台まで低下した状況を受けて136円を割り込んだ。2日には137円台に上昇する場面もあったが、米国債利回りが上げを一服させたことがドルを押し下げた材料に。
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来週の米雇用統計が米債利回りとドルの上昇をもたらす可能性があるとの指摘も見られるが、予想を下回る内容になり、前回分も下方修正されるのではとの慎重な見方も出ている。前回(2月発表の1月分)の非農業部門雇用者数は51.7万人の大幅増の結果となりドル円が急上昇したが、2月分については現段階20万人増にとどまる見込みだ。なお、一部のアナリストは1月以降の強い経済指標を受け市場はFRBのターミナルレート引き上げをすでにほぼ織り込んだと見ているようだ。
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木曜日のGMラヂオ
今週木曜日には第10回GM Radioを開催した。ゲストにはFireblocksでAPAC(アジア太平洋)部門のトップと金融市場部門の幹部を務めるStephen Richardson氏が参加し、仮想通貨の資産管理をめぐる問題点や将来性について討論した。
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月曜日のGMラヂオ
コインポストグローバルは27日の昼に第9回GMラヂオを開催した。今回は「Building on Bitcoin(ビットコイン上での構築)」をテーマに、Lightning VenturesのマネージングパートナーであるMike Jarmuz氏と対談した。
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