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韓国の仮想通貨保有額、1年余りで半減 株式市場好調が資金吸収

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 株高・AI相場が個人資金を吸収、取引高も74%減
  • AML報告件数85倍・22%課税と規制の波も追い打ち

AML規制強化や22%課税方針も重なる

韓国の国会議員チャ・ギュグン氏が韓国銀行から入手したデータによると、韓国の投資家が保有する仮想通貨の総額は2025年1月末の121兆8,000億ウォン(約13兆円)から2026年2月末には60兆6000億ウォン(約6兆5,000億円)へと1年余りで半減した。朝鮮日報が5月5日付で報じた。

国内5大取引所(アップビット、ビッサム、コービット、コインワンおよびゴパックス)の合計日次取引高も、2024年12月の約116億ドル(約1兆8,200億円)から2026年2月には約30億ドル(約4,700億円)まで74%縮小した。取引所に預けられたウォン建て待機資金も同期間に10兆7000億ウォンから7兆8000億ウォンに減少しており、投資意欲の冷え込みが数字に表れている。

背景には仮想通貨価格の下落に加え、AI・半導体株主導で急騰した株式市場への資金流出がある。韓国の主要株価指数KOSPIは、AI需要の拡大と半導体輸出の記録的な伸びに支えられ、2026年に入ってからも過去最高値を更新し続けている。

関連記事:韓国大手取引所ビッサム、量子耐性暗号をウォレット・認証システムに導入

韓国の仮想通貨取引所ビッサムが量子耐性暗号(PQC)の導入を推進。セキュリティ企業アトンと協業し、ウォレット管理・本人認証・秘密鍵保護の全工程に量子対策を適用する。

規制面では業界団体のDAXA(デジタル資産取引所協議会)が新たなAML規制案への反発を強めている。金融委員会(FSC)と金融情報分析院(FIU)が3月末に提案した改正案は、海外取引所などへの1000万ウォン(約107万円)超の送金を一律で不審取引として報告することを義務付けるもので、パブリックコメントの締め切りは本日5月11日となっている。

アップビットやビッサムなど27の登録事業者を代表するDAXAは、この規制が実施された場合、主要5取引所の不審取引報告件数が昨年の約6万3000件から約540万件へと85倍に跳ね上がると試算し、実務上の対応が不可能になると訴えている。政府は7月の閣議決定を目指しており、早ければ2026年8月20日に一部施行が始まる見通しだ。

さらに韓国財政経済部は、仮想通貨売買益への22%課税を2027年1月1日から予定通り実施すると改めて表明した。課税をめぐっては与野党内でも異論が出ており、株式投資の譲渡益課税が廃止された一方で仮想通貨だけが課税対象となることの不公平さを指摘する声も上がっている。

関連記事:韓国、2027年1月から仮想通貨課税を開始へ 税務当局が方針を正式確認

韓国財政経済部が2027年1月からの仮想通貨課税を初めて公式確認。年間約27万円の利益に22%課税、対象投資家は約1,326万人の見込み。

韓国の仮想通貨市場は2021年のバブル期に世界有数の取引量を誇り、「キムチプレミアム」と呼ばれる独自の価格上乗せが常態化するほど個人投資家の熱狂が高まっていた。

その後、市場の成熟化と規制強化が同時に進む中、株式市場の急伸が個人マネーを取り込む構図が定着しつつある。AML規制の厳格化や課税強化が重なれば、資金が国内規制外のオフショア取引所に流出するリスクも指摘されており、規制当局と業界の綱引きは当面続きそうだ。

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