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イーサリアム利回りの大幅削減提案、アーベ創設者が反論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • アーベ創設者が発行量削減案に反論
  • 個人ステーカーへの影響懸念を提起

発行量削減案に反論

イーサリアムの開発者コミュニティで、バリデーター報酬の一部をバーン(焼却)することで発行量を抑える新提案「EIP-8361(段階的発行量バーン)」が議論されている。これに対し、分散型金融(DeFi)大手アーベの創設者スタニ氏が反論記事を投稿し、提案の副作用が十分に検証されていないと指摘した。

提案は、バリデーター報酬の一部を段階的にバーン(焼却)し、発行カーブを緩やかにする仕組みだ。現在のバリデーター総合利回り(発行報酬とMEVの合計)は約2.862%だが、提案が完全に適用された段階では1.476%まで、約48%の引き下げを見込む。研究者pa7x1氏の先行研究と、アンダース・エロフソン氏による改良案を基にしているという。

この提案の狙いは、取引所やETF発行体といった一部の機関がイーサリアムの供給を過度に握る事態を防ぐことにある。イーサリアムのステーキング比率はここ数年で上昇傾向にあり、供給の集中に対する懸念が背景にあるという。

ETH供給数

出典:ultrasound.money

コミュニティから反論

スタニ氏は、報酬をゼロに近づける設計がむしろ集中を助長すると主張した。個人のバリデーターは利回りを目的に参加するため報酬が減れば撤退しやすいが、上場投資信託(ETF)発行体や取引所は規制対応や事業上の理由からステーキングを続けるとの見方を示した。

また、同氏は、個人が運用する32ETHのバリデーターを例に、税負担の増加リスクを指摘した。提案では報酬をいったん全額計上した後にバーンする設計のため、税務上の課税対象額が一時的に倍増する一方、実際に手元に残る報酬は縮小する。課税当局がバーン分を損失として認めない場合、正常に稼働しているバリデーターが実質的に赤字になる可能性がある。

加えて、イーサリアムが生み出すステーキング利回りは、現物ETFへの資金流入やDeFi市場での貸付・利回り商品の基準として機能してきたと指摘した。報酬が大幅に縮小すれば、こうした需要が他の資産や米ドル建て商品に流出しかねないとの見解も示した。

スタニ氏は、税務上の扱いに関する各国当局の見解や、利回り低下が需要に与える影響についての具体的なモデルを提案側が公開すべきだとし、その上で、利回りをゼロにする設計ではなく、一定の下限を設ける代替案を検討すべきだと主張した。

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