WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

バイナンス創設者CZ氏、仮想通貨業界へのAI攻撃増加を警告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • CZ氏が63億ドル流出事件に初言及、AI攻撃の急増を指摘
  • 取引所間の情報共有や資金凍結など、業界全体の防御連合を提唱

事件を振り返る

バイナンス共同創業者のチャンポン・ジャオ氏(通称CZ)は3日、ポッドキャスト番組「Talking Tokens」に出演し、10月29日に発生した約63億ドル(1兆円)規模のハッキング事件について、事件後初めてのインタビューで言及した。インタビューの中で同氏は、事件発生時の対応から、AIがもたらす脅威や業界全体での協調の必要性などについて独自の見解を示した。

事件発生当時、CZ氏はアラブ首長国連邦(UAE)にいた。真夜中近くにXを見ていたところ、チームからの緊急連絡で攻撃を知ったという。「最初は本物かどうか確信が持てなかった」と振り返る。その後は、被害の封じ込めとユーザーのパニック防止を同時に進めたと説明した。

CZ氏は現在、バイナンスの日常的な経営から退いている。事件後は主に自身のSNSで、迅速で透明性の高い情報発信に努めたという。発生直後に「ユーザー資金は安全で、損失はバイナンスが全額補償する」と表明したことが、市場の動揺の連鎖を抑えるのに役立ったとみている。

最大の教訓を問われると、「セキュリティ対策において、決して油断してはならない」と答えた。長期間にわたり問題なく企業運営ができていると警戒心が薄れ、小さな異常を見逃しやすくなる。事前に十分な努力と注意を払っていれば「ハッキング攻撃を防ぐことは可能だ」と同氏は考えている。

関連記事:バイナンスが明かす、1兆円流出の手口に偽の採用面接 6月から段階的に侵入

バイナンスは10月29日に起きた約1兆円相当のハッキングの手口を公表。攻撃者は偽の採用面接で社内に侵入したことが判明した。

AIによる攻撃の高度化と対策

CZ氏が強調したのが、AIの進化によるサイバー攻撃の高度化だ。AIの性能が上がるにつれ、仮想通貨業界への攻撃は増えている。以前は「数ヶ月に1回」だった攻撃が今は「週単位」になり、さらには「1日で4件」に上るという。

今後も攻撃は増えるとみており、「怪物に対抗するには、こちらも怪物にならざるを得ない」と語った。防御側も高度なAIモデルを大規模に活用し、攻撃を自動的に検知・防止する仕組みを作るべきだという。

現状では、AI業界や大手テクノロジー企業でさえ、ハッカーに先回りして防御ツールを導入する体制を確立できていない。ただしCZ氏は、これは「解決可能な技術的課題」だと語る。最先端のAIプロバイダーとの深く連携しつつ、仮想通貨業界全体で早期にセキュリティ防御連合をつくるよう強く呼びかけている。

具体策として挙げたのは、主要な取引所やプロトコルが過去の攻撃事例や防御に関する知見を共有すること、コードを相互に監査すること、オンチェーンで異常を検知した際に複数のプラットフォームがすぐに資金を凍結できる仕組みを作ることだ。

同氏は、こうした連携は予想よりも早く実現する可能性があるとの見方を示し、自身も形成に貢献したいと述べた。

仮想通貨のセキュリティは国家安全保障の問題へ

米連邦捜査局(FBI)は10月31日、バイナンスから約63億ドルの資金が流出したハッキング事件について、北朝鮮が関与したと発表した。

CZ氏は、今回の事件は単一企業のセキュリティ問題にとどまらず、国家安全保障や世界的な金融システムにも影響すると語った。

仮想通貨業界では、トークン化株式、現実資産(RWA)、米国債を裏付けとするステーブルコインなど、実体経済との結びつきが急速に強まっている。そのため、仮想通貨企業への攻撃が金融システム全体に波及する恐れがあるという。被害規模や影響の大きさを考えれば、国家安全保障の観点から評価すべき問題だとも述べた。

同氏の業界全体へのメッセージは「技術進歩のスピードを強く認識すること」だ。 「AIの指数関数的な進歩は、通常の人間の認知能力をはるかに超えている」のに、仮想通貨業界のセキュリティ投資は著しく不足していると批判した。優秀なセキュリティエンジニアの採用、最先端のAI監査ツールの導入、専門的なセキュリティ機関との連携に、コストを惜しまず投資して欲しいと呼びかけた。

量子コンピュータの脅威が現実になる前に、ブロックチェーンはAIを活用した防御能力を進化させる必要があるとCZ氏は指摘する。一方で長期的には、今回の事件が仮想通貨業界のセキュリティ投資を促すきっかけになると考えている。

関連記事:北朝鮮、バイナンス流出の関与を否認 FBIに「重大な政治的挑発」

北朝鮮の金与正氏は、バイナンスから60億ドル超の仮想通貨が盗まれた事件を北朝鮮の犯行としたFBIの発表に反発し、「重大な政治的挑発」と非難する談話を出した。過去最大とされる流出の経緯をまとめた。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/04 水曜日
15:16
米中間選挙で民主党が両院奪還へ、仮想通貨政策の主導権が交代か
米中間選挙で民主党が下院に続き上院でも多数派を獲得すると米主要メディアが報じた。仮想通貨のクラリティー法案は上院で審議入りできず、1月3日の会期末までに通過しなければ廃案となる。ビットコインは一時約7週間ぶりの安値を付けた。
14:30
バイナンス創設者CZ氏、仮想通貨業界へのAI攻撃増加を警告
バイナンス共同創業者のCZ氏がポッドキャスト「Talking Tokens」で、10月29日に起きた1兆円規模のハッキング事件に初めて言及した。AIによる攻撃の増加を指摘し、業界全体でのセキュリティ連合の結成を呼びかけた。
13:40
フランス国民議会、仮想通貨を「出国税」に含める修正案2件を否決
フランス国民議会は仮想通貨を出国税の対象に加える修正案2件を否決した。その他にも、仮想通貨の少額決済非課税や自己管理する一定額以上の仮想通貨を申告する案も議論されている。
12:48
メタプラネット傘下入り控えるスーパーリーグ、ビットコイン購入を倍々に 計15BTC
メタプラネットの米国拠点となる予定の米スーパーリーグが8BTCを追加取得し、ビットコイン保有は15BTCとなった。1回ごとの購入量は前回の2倍に増えている。2,100BTCの拠出を受ける取引の進捗とあわせて伝える。
12:15
米SEC企業金融局、カントンコイン(CC)は証券に非該当との認識示す
米SECの企業金融局は、カントンネットワークの仮想通貨であるカントンコインはデジタルコモディティで証券に該当しないとの認識を示した。考慮した点などを説明している。
12:12
オンチェーン調査員ZachXBT、204億円超の仮想通貨流出元は仏銀行アルケアと特定
オンチェーン調査員のZachXBT氏は4日、204億円超の仮想通貨流出で被害を受けたとされる金融機関を、フランスの銀行グループ、クレディ・ミュチュエル・アルケアと特定した。銀行側の公式発表は確認されていない。
12:00
ブータン・ゲレフ特区に中央銀行設立へ 仮想通貨の準備資産組み入れを容認
ブータン国王が王令に署名し、特別行政区ゲレフ・マインドフルネス・シティの金融規制当局が中央銀行へ移行する。新中銀は従来の準備資産と並行して仮想通貨やデジタル資産に投資できる。最大1万BTCの拠出表明との関係も整理する。
11:30
グレースケール、バイナンス巨額流出で機関カストディの重要性を強調
米グレースケールのリサーチ責任者が、約63.6億ドルが流出したバイナンスのハッキング事件を分析。2026年の被害額は過去最高となる一方、時価総額に対する比率は低下傾向にあると指摘し、米国の仮想通貨ETPが担う機関カストディの役割にも触れた。
11:13
スペースX、アマゾン、ネットフリックスなど6社、OKXICEのトークン化株式取引に異議
OKXICEの開示書類によると、アマゾン、テスラなど新たに6社がトークン化株式の取引に異議を表明した。ロビンフッドの株式トークンに関しても懸念を表明する企業が現れている。
11:00
技術文書サービス大手GitBookにAI悪用で不正アクセス、DEXも資料を一時非公開に
ドキュメントサービスのGitBookが、AIエージェントを使った攻撃でインフラの認証情報に不正アクセスされたと公表した。APIトークンなどにアクセスされた可能性があり、全顧客のAPIトークンを無効化した。仮想通貨DEXのパンケーキスワップも文書を一時停止した。
10:30
韓国中銀、金融機関31社に仮想通貨リスク調査 取引所停止も想定
韓国銀行(中央銀行)が金融機関31社に仮想通貨リスクの初調査を実施。KB国民銀行など5大銀行を含む18行と証券会社13社が対象で、国内首位の取引所がハッキングなどで営業を停止した場合や、ビットコインが急落した場合を想定し、金融機関への影響を尋ねた。
10:15
バイナンスが明かす、1兆円流出の手口に偽の採用面接 6月から段階的に侵入
バイナンスは10月29日に起きた約1兆円相当のハッキングの手口を公表。攻撃者は偽の採用面接で社内に侵入したことが判明した。
10:00
NYSE、トークン化株式で株主管理の4社と提携 計6社に
ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、24時間取引を想定したトークン化株式の新市場に、株主名簿を管理するブロードリッジやコンピューターシェアなど4社が加わると発表した。提携先は計6社に。開始時期は未公表で規制当局の承認待ち。
09:20
バイナンス、ハッキング後の出金再開を拡大、入金額が出金額上回ったことも
バイナンスは3日、ハッキング被害後の出金再開を拡大し、時間あたりの入金が出金を上回ったと発表した。1日午後3時以降の純流出は52億7,600万ドルで、安全確認が済んだ銘柄から順次再開している。
08:20
テザーが1.8兆円相当ビットコインを保有、ストラテジー以外の上場企業を大幅超過
非上場企業のテザーが、1.8兆円相当の仮想通貨ビットコインを保有していると明らかにした。上場企業のランキングで比べると、首位のストラテジーを除く全社を大きく上回る水準だ。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧