ビットコインに強い売り圧力、二番底を探る展開に
仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)
13日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比3.97%安の339万円(32,800ドル)と続落した。
一時30,100ドルから36,500ドルまで大幅反発するも、その後約4,000ドル幅下落して33,000ドルを割り込むなど乱高下した。上位足の長い下髭を食うようにして陰線を付けており、強い売り圧力を示唆するなど際どい局面が続いている。
仮想通貨トレーダーのAltcoin Daily(@AltcoinDailyio)氏は、5年チャートを示した上、29〜38%の大幅調整を挟みつつ上昇してきた相場について図解。#HODLのハッシュタグでホールドを継続する意向を示した。
前回の「半減期」を挟んだ2015年〜2017年の強気相場では計9回もの大幅調整を挟んでおり、下落幅は平均37%に及んでいる。記憶に新しいところだと、19年6月に14,000ドまで高騰した後30%ほど急反落したほか、15年11月には41.3%、17年9月には40.3%の大幅下落を経験した。
海外の著名アナリストJosh Rager(@Josh_Rager)氏は、過去の上昇相場では30%超のプルバック発生後、平均153%ほどの上値につながったことを指摘している。
今回の上昇トレンドの始点である、20年9月の最安値9,800ドルから過去最高値42,000ドルに引いたフィボナッチ・リトレースメントでの61.8%押しは3万ドル付近。
日足の25日移動平均線は30,600ドルに位置する。今後調整局面が深刻化すれば、3万ドルを底抜ける危険もあるため注意が必要だろう。11日の暴落に伴い、MACDのデッドクロスなど売りシグナルも散見される。
市場環境は現在と大幅に異なるため単純比較はできないものの、過去のBTC相場では、2017年12月に2万ドルまで急騰した後急反落、その直後に①MACDはデッドクロスを形成し、②その後ゼロラインをクロスして、本格的な下落トレンドが到来した。
関連:『MACD』でトレンドを知る、仮想通貨投資に役立つチャート講座一方、短期的には売られすぎ水準にあり、昨今の金融・経済(株式市場)情勢からも、押し目買いを狙う勢力は少なくないものと思われる。この局面をさえ凌ぎ切れれば、大幅反発する余地はありそうだ。
そのような状況にあるなか、The Blockのデータによると、米大手取引所コインベースとバイナンスは、暴落した11日に過去最高の取引量を記録した。
コインベースは1日あたりの取引量が95.6億ドルに、バイナンスは306億6000万ドルに達した。コインベースは、21年1月7日に記録した60億5000万ドルからさらに57.9%増、バイナンスは38%増を示している。
BTCバブルへの警戒感
DoubleLine CapitalのJeffrey Gundlach CEOがCNBCの金融番組「Halftime Report」に出演し、仮想通貨ビットコインに言及した。
Gundlach氏は著名な債券投資家として知られる。ビットコインが過去2ヶ月の間、20,000ドルから40,000ドルに高騰したことについて、「ビットコインは、バブルの様相を呈している」とコメントした。
同氏がコメントしたタイミングは、ビットコインが40,000ドルから33,000ドルまで下落したタイミング。投資家のセンチメントが過度に楽観的であることを指摘した上、「投資家の市場心理が一辺倒な状況に陥った場合は要注意だ」と指摘した。
一方、今後の強気シナリオについては、ビットコインの需給関係を取り上げ、「機関投資家がさらに参入してきた場合、さらなる需要も期待できる」とした。
総額30兆円超を運用する資産運用会社グッゲンハイム パートナーズのScott Minerd首席投資責任者は、「希少価値とゴールドとの関係性」に基づき、高値水準にあると指摘した。一方、長期的には最大40万ドル(約4100万円)までの上昇余地があると強気の見立てを示している。
参考:CNBC
関連:グッゲンハイム、現在のビットコイン市場に資金を投じるか
トレード関連の人気記事一覧
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します