CoinPostで今最も読まれています

重要チャートパターン「三尊、逆三尊、三角保ち合い」を解説|ビットコイン投資に役立つテクニカル分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場で使えるローソク足分析

仮想通貨のマーケットではテクニカル分析を利用してトレードする投資家が多いマーケットです。そのため仮想通貨を投資の第一歩としてスタートしようとする方がいるとすれば、テクニカル分析から勉強する方も多いことでしょう。

ここではテクニカル分析の中でも重要なローソク足、チャートの形状について覚えておくべき点をいくつかピックアップして解説したいと思います。

ローソク足から見えてくるもの

最初に、「どうして投資家はローソク足を利用してチャート分析を行うのか、その分析によって何が見えてくるのか?」という重要な点を解説したいと思います。

ローソク足というのは投資家が設定した時間軸(分足、1時間足、日足等)の間の値動きを一つの箱のような形状で示しているもので、チャートではそのローソク足が連なって過去の値動きが表示されています。そのため、単純に「マーケットの値動きを表すためのツール」という理解をされている人が多いでしょう。

しかし、本質的に大事なことがこの説明には欠けています。 それは「マーケットの値動きを作り出す投資家心理が価格に反映されて動いた値動きを表したもの」ということです。

相場の分析は将来の価格を予想するものですが、その将来の価格を作り出すのはニュースではなくマーケット参加者のお金です。マーケット参加者は投資対象の価値の値動きを予想してトレードしていますが、常にトレードする時に考えるべきことは、その投資対象の本質的な価値を予想するのではなく、予想する人間の心理行動を考えてトレードすることです。

まずそのことをしっかりと頭に入れておきましょう。またローソク足の典型的なパターンは投資対象は違うとしても全てのチャート分析で利用できます。

覚えるべきチャートパターン3選

ヘッドアンドショルダー

最初にご紹介するのは「ヘッドアンドショルダー」です。これは相場の天井や大底の転換点で発生します。日本語では「三尊」とも呼ばれています。 下記のチャートは逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)というパターンの形状です。

下記の場合①、②、③の位置と緑の水平線がポイントになります。

逆三尊(画像拡大可)

まず下落相場から一度下落(①)して反発する兆しも見せるも、再度直近の安値を下抜けして下落(②)、その後再度反発するも上値が重く下落する動きを見せますが、①の同じラインでストップ(③)して反発する動きになります。

これを①、②、③の場面毎にショートポジションを保有していると考えて、どのような心理的な状況に陥るのかを考えてみてください。

①の場合の時にある程度評価益が出ているとして、一旦反発されるも、トレンドは下落トレンドのためまだ利益確定するのは時期尚早だろうと判断する投資家も多いでしょう。

次に②で安値を下抜けするも再度大幅反発され、下落圧力弱まったから不安になってくるような動きとなります。

最後③の場面で下落し始め、安心したのもつかの間、綺麗に①のラインでストップして反発します。緑の水平線のラインが反発後の高値のため、この水準を超えると一旦利益確定するという判断になりやすいのは理解しやすいでしょう。

この逆パターンがヘッドアンドショルダーで相場の天井付近に出やすいものです。考え方は上記と同様です。このように、心理的背景がこのような典型的なパターンを作り出していることを常に意識してください。

二番天井・二番底

次にご紹介するのは「二番天井・二番底」です。これもトレンドの転換点でこのようなパターンを形成します。 チャートの形状は下記の画像の通りです。

二番底(画像拡大可)

上記のチャートは二番底の典型的なパターンです。このように一度下落がストップするも(①)再度下値トライの動きになります。(②)しかし最初の安値をブレイクできず反発することでトレンドが転換する動きとなります。

特に反発後の戻り高値を上にブレイク(ブレイクポイントの位置)すると、そこから下落はしづらくなります。このパターンの反対の形状が天井で示す二番天井のパターンです。考え方は上述と同様になります。

この時のトレーダーの心理的な動きを考えてみましょう。先ほどと同様にBTCJPYのショートポジションを保有しているとします。

①の位置で下落がストップしますが、トレンドは下落トレンドのためまだ保有しておくという選択をする投資家が多いでしょう。しかしここで注意すべきはこの①の前にすでに一度同じラインまで下落しているタイミングがあります。つまり下落している時にこの位置をみながら、投資家は利益確定の位置を考えていたということが①の段階で把握できる動きです。

しかしその後再度②の動きになっていますが、①の安値、そしてその前で同じラインで止まっていることを見ると少し不安な気持ちを持ちながらポジションを保有していると想像できるでしょう。

そしてやはりそこから再度反発して上昇方向に動いています。「ブレイクポイント(反発後の戻り高値)」でトレンドは転換したと判断するしかなくなったことからショートポジションの買い戻しも含めてフローが発生し相場が大きく上昇しています。

この動きには「ショートポジションの買い戻し+トレンド転換と判断したロングポジションの新規フロー」の2つが重なりこの大幅な上昇を作り出したということです。

三角保ち合い

三角保ち合いはトレンドが発生する前に現れるチャートパターンです。

相場ある程度動きトレンドレスな展開となると、次はどちらに動くか迷っている時間帯があります。当然その間に取引はされており、上昇すると下落すると考えた投資家がショートポジションを構築し、下落すると上昇すると考える投資家がロングポジションを作りながら、どちらにも動かず徐々に値幅が収斂していきます。

下記がその三角保ち合いのチャートパターンです。

三角保ち合い(画像拡大可)

上記のチャートでポイントとなるのは、ブレイクポイントで超えてくるとその方向にトレンドが発生するということです。なぜこのようなパターンになるのかという理由はブレイクポイントでポジション整理のフローが入っているからです。

上記のチャートの場合下落トレンドの中でこの三角保ち合いが発生しており、ショートポジションを保有している投資家が全体的に割合が多かったと考えるのが自然です。

その中で三角保ち合いの間にショートポジションを新たに構築している投資家が増加しています。当然ロングポジションの投資家も増加していますが、今回は上方向にブレイクしたため三角保ち合いでショートポジションを保有していた買い戻しのフローや、この三角保ち合いが発生する前からショートポジションを保有していた投資家のポジション整理の買い戻しフローが重なったことで、トレンドが上方向に出たと言えるでしょう。

ローソク足が作り上げるチャートパターンは人間の心理を表しているもの

今回はローソク足から発生するチャートパターンの必ず覚えるべき代表的なものを3つご紹介しました。この他にも様々なチャートパターンがあり、そのパターンが発生する理由が投資家の心理的な背景に隠されています。

大事なことは単純にパターンだけ覚えるものではなく、そのパターンになぜなるのかという理由や投資家がポジション保有中に感じ不安心理、感情を理解することを徹底するようにしましょう。

連載の第1回『仮想通貨ビットコインチャートの見方とラインの引き方(基本編)』は、下記の関連記事から確認できるので是非どうぞ。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/08 金曜日
18:39
ビットコインETFへの資金流入予測、金ETF事例や経済環境から算出
ビットコイン現物ETFが承認された場合の資金流入見込みに関してVanEck社が予測レポートを出した。米経済の景気後退予測や金ETFの事例、過去の金融経済動向を基に、暗号資産(仮想通貨)市場の新たな潮流を探る。
18:25
来年11月までにビットコインの過去最高値を予測、上昇要因に半減期や米大統領選|VanEckレポート
仮想通貨ビットコインが2024年11月に過去最高値を記録するとの予測。半減期と米大統領選が影響。VanEckによる予測と市場サイクルの分析内容を解説。
14:26
米大手ベンチャーキャピタルa16z、「2024年に期待する9つの仮想通貨トレンド」を発表
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツは、2024年に仮想通貨領域で期待されるトレンドのリストを発表。分散化、人工知能(AI)、顧客体験の向上などの9項目に言及した。
12:30
米下院エネルギー委員会、ブロックチェーン促進法案を可決
米国の下院エネルギー・商業委員会は、ブロックチェーン技術や分散型台帳技術を促進する法案を可決した。米国の競争力強化が期待される法案となる。
12:23
ビットコイン上昇一服、主要アルトはイーサリアム前日比5.6%高、ソラナ(SOL)12.1%高に
暗号資産(仮想通貨)市場では高騰していたビットコインが一服し、アルトコイン相場ではイーサリアムが上昇した。ソラナ(SOL)エコシステムではエアドロップされたJito Networkのガバナンストークン「JTO」が高騰するなど反響を呼んだ。
11:45
サム・アルトマン支援のMeanwhile Group、1億ドルのビットコイン運用ファンドをローンチ
Meanwhile Advisorsが仮想通貨ビットコインに焦点を当てたプライベートクレジットファンドを立ち上げ。BTCで5%の利回りを提供し、2024年第1四半期までに1億ドル調達の計画。OpenAIのサム・アルトマンが支援するMeanwhile GroupはBTCベースの生命保険ビジネスも展開。
11:00
ブロック社、BTCのセルフカストディウォレットをローンチ
米ブロック社は、仮想通貨ビットコインのセルフカストディウォレットBitkeyをローンチ。ウォレットの特徴や仕組み、出荷時期などが明らかになった。
10:40
ソラナDeFi「Kamino Finance」、将来エアドロップ向けのポイントシステムを開始予定
仮想通貨PYTHやJTOなどソラナプロジェクトの無料配布が注目を浴びる中、ソラナDeFi「Kamino Finance」は将来のエアドロップに向けてポイント制システムを導入すると発表した。
10:15
バイナンス、UAEアブダビでの投資ファンドライセンス申請取り下げ
大手仮想通貨取引所バイナンスは、UAEアブダビにおける投資ファンドのライセンス申請を取り下げた。グローバル戦略見直しの一環とみられる。
08:25
米国株AI銘柄上昇 日銀総裁発言で円高進む
米国株は来年の米利下げへの行き過ぎた期待との指摘が散見される中、AI関連株ではグーグルのGemini発表や、AMDの新たなAIチップ発表などがAI相場上昇への追い風となった。
07:50
仮想通貨Jito(JTO)、バイナンスやBybitにも上場 価格高騰
ソラナの大手リキッドステーキングJitoのガバナンストークン「JTO」は昨夜、仮想通貨取引所大手コンベースやバイナンス、Bybitに上場し価格が暴騰していた。
07:40
Uphold、補助型のセルフカストディウォレット提供へ
Web3金融プラットフォームUpholdは、補助型のセルフカストディウォレットをローンチ。まずは仮想通貨XRPに対応し、今後はビットコインなどにサポートを拡大する。
07:05
SECのビットコインETF審査 最終段階か=ロイター報道
米証券取引委員会(SEC)と申請企業の間で重要な技術的な詳細について協議が進んでおり、近く仮想通貨現物ビットコインETFを承認する可能性があることが示唆された。
12/07 木曜日
17:00
「Beyond The Price」、未公開内容や過去のまとめを配信
第11回のGM Radio:Beyond The Priceは2日に公開。仮想通貨ビットコインなどについて過去の配信をまとめ、未公開の内容も追加した。
15:00
「ビットコインETF承認は機関投資家を後押しする決定打となる」米ARKのウッドCEO
米ヘッジファンドARK Investのキャシー・ウッドCEOは、米証券取引委員会によるビットコイン現物ETFの承認は、仮想通貨投資を検討している機関投資家に対し、「確定的なお墨付き」を与える可能性があると述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/12/08 12:00 ~ 13:00
その他 オンライン
2023/12/12 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧