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プロが解説:ビットコイン現物と先物を利用して「安定して利回りを得る」運用手法

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン現物と先物を利用する

仮想通貨市場では現在、株や為替など他の投資商品と同様に様々な種類の商品が出てくるようになりました。

2017年の仮想通貨バブルまでは現物とレバレッジ取引やFX取引のみで、日本ではレバレッジ取引が全体の取引高の9割を占めるようなマーケットでした。取引参加者もほとんどが個人投資家でしたが、現在は機関投資家の割合が増加しつつ、商品の多様化が進むようになっています。

その多様化した商品の一つに「先物取引」が登場しました。ここではその先物取引を利用して安定して利回りを得る手法をご紹介したいと思います。

現物取引と先物取引の違い

まず、現物取引と先物取引の違いについて説明します。

現物取引は「今」の価格で売買を行い、すぐに実際の仮想通貨を受け渡しを行う取引を指しています。機関投資家のOTC取引では、決済はT+0(当日決済)やT+1(翌日決済)で行われています。

一方で、先物取引は名前の通り「先日付の価格を売買すること」です。つまり先日付で必ず決めた値段で買えるように予約注文することになります。 商品例として、2020年6月26日の先物価格や、2020年9月25日の先物価格が現在売買されています。

先物価格から予測できるのは、投資家が「将来」の時点で価格が上昇方向で予想しているのか、下落方向で予想しているのかということです。

先物取引は、価格を先日付でロック(確定)させたいマイニング業者や投資家がヘッジ手段として利用することが多いですが、実はこれを利用して確実に安定した利回りを得る方法があります。

その方法を次からご紹介していきます。

仮想通貨を利用した安定利回りを得る手法とは

では、ここから本題に入ります。この手法の対象となる投資家は「仮想通貨(ビットコイン)を現物で長期間保有する人(予定の人)」です。1ヶ月程度の短期で引き出す可能性のある投資家は利用できないためご注意ください。

取引所は、限月がある先物商品を取り扱っているところであればどこでも可能な取引手法です。またロジックもシンプルであるため、簡単に行うことができます。

上記の画像は、先物に対応した仮想通貨取引所のBTCの2020年9月25日の先物価格とスポット価格を表示しています。 青色のラインの8834ドルがスポット価格、ローソク足の8984.5ドルが9月25日の先物価格です。

例として、投資家が現在2BTCを保有しているとします。

このBTCは、完全に長期保有目的で保有していると仮定します。現在投資家が抱えているリスクは「BTCの価格変動リスク」ということは誰でも理解できるでしょう。

では1BTC=100万円として、100万円分から200万円分の仮想通貨を入金するようにします。そして9月25日の先物価格である8984.5ドルで2BTC分のショートポジションを構築します。

ここでのポイントは下記になります。


  1. BTCの価格変動リスクを先物ポジションでヘッジしているということ(BTCの価格上昇時のリターンを無くしたということ)
  2. (※スポット価格を先物価格でヘッジしているようになるため、フルヘッジできているわけではない)

  3. BTCは現物で保有しているため、キャリーコスト(FXでのポジション保有時にかかるスワップコスト)が掛からないということ
  4. 先物ポジション構築にはレバレッジを効かせることができるため、丸々現物と同等金額必要ないこと

(※上記のケースでは、安定運用のためレバレッジは2倍までを推奨します。先物で現物保有しているBTCの価格変動リスクを100倍ショートでヘッジすると、1.0%上にいっただけでヘッジが外れてしまうため、アービトラージができなくなってしまいます。また「ロスカット水準」も仮想通貨取引所や仮想通貨業者で異なるため、実際は1.0%よりも手前でロスカットが発動することになります)


この3つがポイントのため、理解するようにしましょう。

このポジションを構築することで瞬時に9月25日までのリターンが確定します。9月25日は8984.5ドルで売ることになるため、もしも現物を8834ドルで購入できていたら、その差額が確定する利益になります。

利回りは、下記のような計算になります。

(8984.5ドル-8834ドル)÷8834ドル×100=1.70%

つまり4ヶ月弱で1.70%の利回りが享受できるということです。これを年に換算すると約5.40%となるため、利回りとしては悪くない利回りと言えるでしょう。

このデメリットとしては、ポイントで記載したように「ビットコインの上昇によるリターンが享受出来ない」ということです。そのため、ビットコインを現物として決済用に利用したりする投資家がいれば、とても優れた手法と言えるでしょう。

マイニング業者は、この手法である程度価格変動リスクをヘッジしながら少しずつコストを回収しているはずであり、現物は常に一定量持っておかないといけないニーズがあるのであれば、色々な先物市場を見ながらこの手法を利用することで、年間5%超ブレークイーブンを低下させることが可能になります。

また先物価格は上記の利回りで常に確定しているわけではなく、投資家のポジションの傾きによって大きく変化します。そのため値動きの激しいところを上手く取っていき、より高いリターンを享受することも可能です。

先物価格の形成はどのようになっているのか

最後にリターンの源泉ともなる「先物価格の形成方法」について解説します。

伝統的なアセットクラスでの先物価格は「現物価格-保有期間の収入(配当金等)+金利等の調達コスト」という計算式となっています。(少し大まかに書いている部分もあるので、詳細な点を議論する余地があることはご理解ください。)

では、上記の式から仮想通貨の先物価格を考えた場合に「保有期間の収入」というものは存在しません。そして「調達コスト」は日々のfunding rateがそのコストに該当します。つまり、仮想通貨の先物価格は「現物価格」と「funding rate」の2点から成り立っていると言えるでしょう。

そしてfunding rateというのは何かということを考えた時に、相場の需給を表している数字というのは理解できると思います。ロングポジションに全体のポジションが偏っていればfunding rateはプラスとなり、ショートポジションに全体のポジションが偏っていればマイナスとなります。

そして、限月のある日付の価格(上記の場合9月25日)を金利から逆算して計算したものが、理論上の先物価格になっているということです。

あくまで理論価格のため、実際にマーケットで取引されている先物価格がこの理論価格と一致するわけではありません。しかし仮想通貨の場合、先物価格は「市場のポジションバランス(funding rate)から成り立っている」ということを知っておくだけでもいいと思います。

このように使い方によっては安定した利回りを得ることができる手法が仮想通貨には存在します。これは一例に過ぎず自分自身で疑問を持ち、調べていくことで新たな手法が見つかるようになります。仮想通貨というものを上手く利用することで資産運用を効率的に行いましょう。

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