7/6(土)〜7/12(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、7/6(土)〜7/12(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、先週の下落から一転して値固めの様相を呈している。
ドイツ政府によって押収されたBTCが市場に放出される中、米国の現物ビットコインETFには堅調な資金流入が続き、週前半のBTC相場は戻りを試す展開となった。しかし、10日にドル建てBTC相場が200日移動平均線を回復すると、その後は失速した。
11日にも堅調なETFへの資金流入を背景に、相場は再び上値を試したが、6月の米消費者物価指数(CPI)発表直後の本邦政府・日銀による為替介入でドル円相場が急落し、円建てBTC相場の上値を圧迫した。さらに、この日の米株式市場では、大型株から中小型株への資金ローテーションによってナスダックが急落し、BTCは週前半の上げ幅を縮小した。
先週はMt.GoxのBTC弁済が始まり、相場は高値レンジ下限の5.65万ドルを下抜けるも、その後は事実確定買いの様相で買い戻された(第2図)。週明けの相場は再び5.65万ドルをわずかに下回っての取引となったが、弁済開始を懸念した売りが巻き戻る形で底堅く推移した。
この5.65万ドルはBTC相場とって引き続き重要なチャートポイントとなると指摘される。週足では、同水準がダブルトップのネックラインともなっており、今週の週足が5.65万ドルを上回って取引を終えれば、先週の下落がベアトラップ(ダマシ下げ)となる可能性も浮上する。
一方、先週に引き続き、今週のオプション市場でもアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のプット(権利行使価格が原資産価格より低いプットオプション)を積極的に物色する動きは確認されなかったが、米CPIの下振れを受けてもアップサイドのコールオプションを物色する動きも乏しい(第3図)。
先週と比べれば、今月中に期限を迎える5万ドル〜6万ドルストライクの間で若干の建玉の増加が認められ、「材料消化からの速やかな復調」というよりは、期近のプットとコール双方のショートで短期的な「相場の膠着」を見込んでいる格好か。
一方、今月に入ってBTCの売却ペースを早めていたドイツ政府だが、1月に約5万BTC(約4532億円)あった残高は、今週約9,000BTC(約815億円)まで減少した(第4図)。ドイツ政府は、直近数日間では1日におよそ3,000BTC〜1.2万BTCを売り捌いており、このペースが続けば向こう2・3日程度で売却が完了する見通しだ。
ドイツ政府のBTC売り圧力が解消されれば、今週のようなETFとドイツ政府の綱引き状態が解消されると指摘され、BTC相場にはプラスとなろう。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコイン相場900万円割れ、弱地合い脱却までもう少しの辛抱か|bitbankアナリスト寄稿