概要
「Worldcoin(ワールドコイン)」は、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が共同創業した、個人認証技術を基盤としたベーシックインカムの構築を目指す暗号資産(仮想通貨)プロジェクトです。
Worldcoinは「Orb」と呼ばれる特殊な機器を用いて、ユーザーの目の虹彩をスキャンし、それに基づいて個人を識別するユニークなID(World ID)を生成します。ユーザーは、World Appをダウンロードして、World IDに基づきユーザー・グラントとしてWLDトークンを受け取ることができます。
2024年4月時点で、500万人以上がこのオーブによる認証を受け、World IDを取得しています。これらのIDは、160カ国以上で活用されており、1億3700万WLD以上のユーザーグラントが請求され、現在流通している1億9300万WLDの大部分を占めています。
ワールドコインの認証デバイスと普及状況
現在、世界中で500万人以上の人々が「Orb(オーブ)」と呼ばれる生体認証デバイスを使用してWorld IDを取得しています。このIDは、大手掲示板サイトReddit、SNSのテレグラム、EコマースプラットフォームのShopifyなどで利用可能です。日本における採用事例
日本国内では、バーチャルワールド『Yay!』を運営する株式会社ナナメウエがワールドコインのIDを導入しています。これにより、ユーザーのアカウント保護や不正アカウントの防止に役立てています。このように、ワールドコインは国内外での採用が進んでおり、注目を集めています。WLDの取引方法
現時点では、WLDは国内の取引所に上場していませんが、分散型取引所で取引が可能です。購入するためには、まずメタマスクを用意し、国内の取引所でイーサリアム(ETH)を購入します。その後、購入したETHを自分のメタマスクウォレットに移し、ユニスワップなどの分散型取引所でWLDを購入することができます。イーサリアム(ETH)に投資したい方はこちらをチェック(PR)
WLDトークンの詳細
WLDトークンの流通管理は、英国領ヴァージン諸島に設立された「World Assets Limited」というビジネス会社が行っています。この会社はWorldcoin Foundationの子会社であり、Worldcoinトークンのエコシステム配分「75%(75億WLD)」を管理しています。この中には、マーケットメーカーへのローンやトークン販売契約の管理も含まれます。
エコシステム資金の一部は、法務や管理などの関連運営コストに加え、Worldcoin Foundationの少人数スタッフの資金提供に使用されています。Worldcoin Foundationは、World Assets Ltd.と協力し、Worldcoinコミュニティが自立し分散化されるまでサポートしています。
Worldcoinの初期発行上限は100億WLDで、そのうち残りの25億WLDは「Tools For Humanity(TFH)」が管理しています。。2024年5月時点で、WLDトークンはまだ国内市場への展開を果たしていません。
Tools For Humanity(TFH)
Tools For Humanity(TFH)は、Worldcoinのプロトコル・アプリケーション開発を手がける企業です。2019年にアレックス・ブラニア(CEO)とサム・アルトマン(会長)によって設立されました。本社はカリフォルニア州サンフランシスコとドイツのエアランゲンにあります。
TFHは2023年5月にシリーズCの資金調達を完了し、このラウンドはBlockchain Capitalが主導し、a16z cryptoも参加しました。このラウンドでの評価額は非公開ですが、報道によれば、調達額は約160億円(1.1億ドル)とされています。