ザ・サンドボックス(SAND)とは
SAND(サンド)は香港を拠点とするブロックチェーン関連企業のAnimoca Brandsが開発、運営するWeb3ゲーム「The Sandbox」の基軸通貨となっている仮想通貨。The Sandbox内で使用したり、決済やステーキング、ガバナンスに利用できる。2019年10月29日より発行開始された。
The Sandboxはイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上でゲームを体験できるメタバース。ユーザーはLANDと呼ばれる仮想上の土地をNFT(非代替性トークン)として保有することが可能。ゲーム内のアイテムなど様々なデジタルアセットを制作しNFTマーケットプレイスに販売することができる。
イーサリアム上で発行されるERC-20規格のトークンであり、コンセンサスアルゴリズムはProof Of Stakeを採用している。
価格
- 現在価格(2024年10月24日時点):0.266ドル(約40円)
- 年初来高値(2024年3月):0.824ドル(約125円)
- 年初来騰落率(YTD):-55.82%
- 過去最高値(2021年11月):8.442ドル(約1284円)
価格予測
23年2月:仮想通貨相場反発、サウジアラビア政府機関との提携でSAND前日比30%高
時価総額|関連銘柄
ザ・サンドボックス(SAND)の時価総額は2024年10月時点で約6億4千万ドル、「GameFi」セクターの中では8位に位置する。同セクターで1位のIMX(Immutable)の時価総額は約24億ドル。2位のFLOKIの時価総額は約14億ドル、SAND以降は、SUPER(SuperVerse):約6億2千万ドルが追従する。
主な出来事
- 2021年11月:ソフトバンク、メタバースNFTゲーム「The Sandbox」で100億円規模の資金調達主導か
- 2022年5月:コインチェック、メタバースゲームThe Sandboxの仮想通貨「SAND」を国内初上場
- 2022年6月:The Sandboxが「キャプテン翼」と提携、Mintoと共同でLANDプロデュースへ
- 2023年2月:The Sandbox、サウジアラビアとメタバースで提携 SAND高騰
エコシステム支援組織
Bacasable Global: ザ・サンドボックスを運営するソフトウェア開発会社。香港に拠点を置きThe Sandboxの開発・運営を行なっている。2022年には株式会社SHIBUYA109と業務提携し、SHIBUYA109 LANDを開設した。
Animoca Brands: 香港に拠点を置くブロックチェーン関連企業。ブロックチェーン技術を活用したプラットフォームの構築や知的財産権、IPホルダーがNFTやトークンを発行できる仕組みを提供している。
上記2つの会社(Bacasable GlobatとAnimoca Brands)が2024年6月6日に転換社債による2千万ドルの資金調達を実施したと発表をした。
出資参加企業
- リード企業: Animoca Brands
- 出資企業: LG Teck Ventures、True Global Ventures
トークンアロケーション
出典: CoinMarketCap
ザ・サンドボックスのトークン配分は企業年金積立金25.82%、チーム19%、シードラウンド17.18%、財団12%、競売12%、アドバイザー10%、販売戦略4%となっている。
Animoca Brandsが発表したレポートによると、完全子会社のTSB Gaming Ltd.が「SAND」ユーティリティトークン及び将来株式に関する簡易契約(SAFE)転換証券の発行を通じ現金40%、ビットコイン60%で構成される250万ドルを調達したことを発表した。
投資家の大多数はSAFE債券(200万ドル相当)を介したSANDトークンと将来株式の購入に投資を割り当て、残りの50万ドル相当がSANDトークンの購入のみに投資が割り当てられた。
トークンの総供給量は30億SANDで循環供給量は23億9千万SAND。
- 資金調達総額:約1.2億ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2021年11月、9300万ドルのシリーズBトークンセール
- リードインベスター:SoftBank
- フォロー投資家:Animoca Brands、SamsungNext、Polygon Studios、LG Technology Ventures、Kingsway Capital、Galaxy Interactive、True Global Ventures、Sound Ventures、Com2u5、Blue Pool Capital、Liberty City Ventures、Red Beard Ventures、Sterling VC、Sun Hung Kai & Co.limited、Webbush Ventures、Double Down、Alpaca VC、SCB 10X
ザ・サンドボックスの将来性
期待される今後の動向
- 多くの企業がサンドボックスのコンテンツに参加
- The Sandboxエコシステムの拡大
有名企業やブランドのサンドボックス参加
様々な企業やブランドがサンドボックス内の仮想上の土地(LAND)でコンテンツを展開している。2023年には香港マクドナルドがマックナゲットをモチーフとした「McNuggets Land(マックナゲッツランド)」を開設した。
同年には北斗の拳をモチーフにした「世紀末LAND」、2022年には国民的サッカーアニメのキャプテン翼と提携し「キャプテン翼Land」など国内外問わず有名なIPとの提携とLAND開設をしており、今後も企業のサンドボックスコンテンツへの参入が期待される。
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The Sandboxのエコシステム拡大へ
ザ・サンドボックスの公式ニュースで今後のビジョンが公開されている。
今後はクリエイターをサポートする目的のため、既存のプログラムや製品の強化と新しいプログラムや製品の立ち上げに重点を置く模様。
- ビルダーズチャレンジ
1,500,000SANDの報酬プールを追加で提供し、クリエイターが最新のGame Maker 0.10(ザ・サンドボックスが提供するゲーム開発用ツール)の機能とルールを使用して新しい体験を構築、ゲームへのエンゲージメントを高めることが期待される。 - 新しいゲームジャム
The Little Prince、Aeko & Friends、Dabbids、Blond:ISHなどのアーティストやブランドと提携し、複数のゲームジャムを開催する。 - Game Maker 0.11のアップデート
ザ・サンドボックスが提供するゲーム開発用ツールGame Maker 0.11のアップデートを実施。新しいゲーム機能と性能が導入され、様々なテンプレートが導入される予定。このアップデートでゲーム作成者のプロセスを簡素化することを目指す。 - サンドボックスクリエイタープログラム
作成や購入、最初のアセット選択から収益化までの作成プロセス全体におけるクリエイターのサポート体制の強化。
上記の今後のビジョンを通して更なるエコシステムの拡大が期待される。