ポルカドット(DOT)とは
ポルカドットは、異なるブロックチェーンの相互運用を目指すプロジェクト。イーサリアムの共同創設者兼元CTOのギャヴィン・ウッド博士を中心に、より公平かつユーザー主権的な分散型ウェブ(Web3)の構築を目指す団体、Web3財団が開発を主導し、2020年5月にメインネットをローンチした。
ポルカドットのネットワークにおけるネイティブトークンが「DOT」。DOTはガバナンスに参加したり、ステーキングしたり、ポルカドットのネットワークに接続したりするために使用される。
価格
- 現在価格(2024年10月9日時点):4.13ドル(約611円)
- 年初来高値(2024年3月):11.54ドル(約1,708円)
- 年初来騰落率(YTD):-49.70%
- 過去最高値(2021年11月):55.00ドル(約8,141円)
時価総額|関連銘柄
ポルカドット(DOT)の時価総額は2024年10月時点で約59億ドルで、仮想通貨全体で20位、「スマートコントラクト」セクターの中では9位に位置する。同セクターで1位のイーサリアム(ETH)の時価総額は約2,960億ドル。8位は、ビットコインキャッシュ(BCH):約65億ドル、10位はSui(SUI):約52億ドルである。
主な出来事
- 2023年1月:ポルカドット、クロスチェーン機能を強化
- 2023年10月:ポルカドット、新しいガバナンスの仕組みを発表
- 2024年3月:クジラ投資家向けのPoS銘柄の仮想通貨投資信託、グレースケール提供
- 2024年5月:「Web3.0 - 分散型テクノロジーの未来」Gavin Wood(ギャビン・ウッド)氏講演レポート
エコシステム支援組織
Web3財団:ユーザーが自身のデータやIDを管理できるようにして、公平な分散型インターネットを提供することが目的。エコシステムでの役割は、助成金の提供や教育である。創設は2017年。
Parity Technologies:信頼ではなく事実に基づいた関係が基盤となる世界を構築しようとしている企業。エコシステムでの主な役割は技術開発に携わることで、2015年に創設された。
トークンアロケーション
ポルカドットは2017年、2019年、2020年にトークンセールを実施。プライベートセール・プレセールでは3.6億DOT、パブリックセールでは4.9億DOTを販売した。
トークンは財団に30%、プライベートセールに27.6%、パブリックセールに22.4%準備金に11.6%、その他に8.4%の割合で配分。また、DOTは1年に10%インフレするように設定されている。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年10月時点、リレーチェーンのポルカドットに接続するプロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- Hydration(4,420万ドル):仮想通貨のスワップやレンディングなどのサービスを提供するDeFiプラットフォーム。以前は「HydraDX」という名称だった。
- Moonbeam(3,120万ドル):「ポルカドット上のイーサリアム」とも呼ばれるスマートコントラクトプラットフォーム。dApps(分散型アプリ)の開発者とユーザーのために基盤のブロックチェーンを提供している。
- Astar(2,060万ドル):コインベースやバイナンス、コインチェックが出資する日本発のパブリックブロックチェーンで、スマートコントラクト機能を持つ。別で開発を行うイーサリアムL2「Astar zkEVM」は、ソニーグループの「Soneium」に移行する計画。
- 資金調達総額:5.1億ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2017年10月、プライベートセールで8,000万ドル調達。
- 投資家:HashKey Capital、Fenbushi Capital、1confirmationなど
ポルカドットの将来性
ロードマップ
ポルカドットのプロジェクトは、2024年の終わりに向けて「ポルカドット1.0」から「ポルカドット2.0」にアップグレードしようとしている。
1.0では、ネットワークに接続したい各プロジェクトがオークションで枠を競っていたが、2.0では必要に応じてリソースを購入できる仕組みを導入。他にも新しい仕組みや機能をローンチして、拡張性や柔軟性を向上させ、より安価で速く稼働できるようにする計画だ。
そして、その先には、現在のリレーチェーンに代わる「JAM Chain(ジャムチェーン)」の導入を計画。JAM Chainをローンチすれば拡張性と機能性を新たなレベルに引き上げることができると説明している。
期待される今後の動向
現在ポルカドットで期待されていることの1つが、上述した大型アップグレード。例えば、これまでは他のプロジェクトよりも多くのDOTをロックしないとネットワークに接続する枠を獲得できなかったため、相対的に小規模なプロジェクトがエコシステムに参加することが困難だった。
そのため、ポルカドット2.0ではオークションがなくなり、参入障壁が下がることがエコシステムの発展につながると期待されている。
投資リスク、懸念材料
ポルカドットは、ブロックチェーンの課題である相互運用性を向上できると期待されているプロジェクトだが、上述した参入障壁、構造の難しさや分散性などが課題として挙げられてきた。
また、24年10月時点のDOTの価格は、21年11月の最高値から90%超下落。今後は課題を解決したり、機能を向上させたりしてDOTの価値を高めていくことが求められている。
さらに、米証券取引委員会(SEC)がDOTを有価証券とみなしているかは不明確だが、他社の訴訟ではステーキングを投資契約とみなしている。そのため、ステーキングの仕組みを採用するDOTは、規制面でのリスクが生じる可能性も警戒しておきたい。