仮想通貨商品の市況
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesでリサーチ部門のトップを務めるジェームズ・バターフィル氏は13日、週次レポートを公開し、現在の仮想通貨市場はマクロ経済と金融政策の影響を受けやすくなっていると指摘した。
先週のデジタル資産投資商品の資金フローが、仮想通貨に肯定的なドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことに起因する強気相場の終了を示唆していると指摘。現在は再び、マクロ経済のデータが相場の重要材料になっていると述べている。
その根拠としてバターフィル氏は、デジタル資産投資商品に先週、前半におよそ10億ドル(約1,580億円)が流入したにもかかわらず、マクロ経済のデータやFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公開されると、後半は9.4億ドル(約1,480億円)が流出したと指摘した。
そして、デジタル資産投資商品への先週の純流入額は最終的に、合計4,800万ドル(約76億円)だったと説明している。
先週は8日のFOMC議事録公開、10日の米雇用統計発表など、重要イベントが続いた。バターフィル氏は、米経済が強く、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派(金融引き締め)姿勢に傾いていることが影響していると指摘した。
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銘柄別のデータ
投資商品を銘柄ごとに見た資金フローは以下の通り。ビットコイン(BTC)やXRPなど、ほとんどの銘柄の金融商品はプラスだったが、イーサリアム(ETH)からおよそ2.6億ドル(約400億円)が純流出した。
イーサリアムについてはバターフィル氏は、固有の問題があるのではなく、IT株に連れ安しているとCoinSharesは考えていると説明。一方、同じスマートコントラクト銘柄のソラナ(SOL)は同様の影響を受けず、資金フローはプラスだったとした。
また、XRPについては、政治や規制に対する楽観的な見方が追い風になっていると主張。米証券取引委員会(SEC)がリップル社との裁判で、15日に上訴の期限を迎えるが、投資家は楽観的であるとの見解を示した。
他にも、上記の表の「その他」に該当する銘柄の投資商品のフローとして、アーべ(AAVE)に290万ドル(約4.5億円)、ステラ(XLM)に270万ドル(約4.2億円)、ポルカドット(DOT)に160万ドル(約2.5億円)が流入したと言及している。
なお、先週の9日は、ジミー・カーター元米大統領服喪の日で米国は休場だった。
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