Aave(アーべ)とは?
Aave(アーべ)は分散型金融(DeFi)プラットフォーム。高金利のレンディングが可能で低コストでトークンを借りることができる。ガバナンストークンAAVEはプロトコル内で重要な役割を担う。AAVEトークンを預け入れて手数料割引やガバナンス運営へ参加することが可能。
2017年に創設者のStani Kulechov氏によって「ETHLend(イーサレンド)」として組織が設立され、2018年に「Aave」に名称を変えてローンチされた。その際にETHLendはAaveの子会社となっている。
貸し手のユーザーは、資産をスマートコントラクトに預けてロックすることで流動性を提供し金利を獲得できる。また、借り手のユーザーは無期限過剰担保またはフラッシュローンと呼ばれる仕組みを利用した無担保のどちらかの方法で資産を借りることが可能。借り入れの際には固定・変動金利の両方から選択することができる。
イーサリアム(ETH)などの複数のネットワーク上で稼働している。イーサリアムL2の「ZKsync Era」上に構築され、ゼロ知識証明のロールアップ技術「ZKロールアップ」を採用している。
価格
- 現在価格(2024年12月26日時点):361.9ドル(約5.7万円)
- 年初来高値(2024年12月):394.8ドル(約6.2万円)
- 年初来騰落率(YTD):+281.2%
- 過去最高値(2021年5月):631.5ドル(約9.9万円)
価格予測
23年10月:トランプ氏支援のワールド・リバティ、DeFi銘柄LINKとAAVEを大量購入 価格高騰
時価総額|関連銘柄
Aave(アーべ)の時価総額は2024年12月時点で約50億ドル、「分散型金融(DeFi)」セクターの中では5位に位置する。同セクターで1位のLido Staked Ether(STETH)の時価総額は約340億ドル。2位のチェーンリンク(LINK)の時価総額は約150億ドル。AAVE以降は、ダイ(DAI):約30億ドルが追従する。
主な出来事
- 2023年4月:Aaveのソーシャルグラフプロジェクト「Lens Protocol」、スケーリングソリューションを発表
- 2024年9月:トランプ一族のDeFiプロジェクト、Aave上に構築か=報道
- 2024年10月:仮想通貨Aaveの投資信託、グレースケールが新たに立ち上げ
- 2024年12月:トランプ氏支援のワールド・リバティ、DeFi銘柄LINKとAAVEを大量購入 価格高騰
エコシステム支援組織
Avara: Aaveの運営を主導するイギリスのロンドンに拠点を置く企業。2017年にAAVE Companiesという社名で設立され、2023年に現在のAvaraに社名を変更した。Aave、Lens、GHOなどを含む親会社として機能している。その中のAave Labsはプロトコルの開発を主導している。
Aave DAO: Aaveトークン保有者と貢献者で構成された分散型自立組織(DAO)。ガバナンスプロセスを通してプロトコルの活動を決める。参加者はAaveガバナンスフォーラムにて提案、議論、投票をすることが可能。
トークンアロケーション
AAVEはエコシステムのガバナンストークンとして発行されていて、過去にはLENDから移行された経緯がある。移行の際に、100LENDが1AAVEと等しくなるように設計されている。AAVEの総供給量(1,600万トークン)の内、1,300万トークンがLENDからの移行で占めていて、残りの300万トークンがAaveエコシステムのリザーブに割り当てられている。
LENDはAAVEトークンの前身で、ETHLandのユーティリティトークンとして発行されていた。ETHLandは2017年にLENDでICOを行っており、1,620万ドルを調達している。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年12月時点、AaveのTVLは、約210億ドルでイーサリアムエコシステム内で2位、「DeFiレンディングプラットフォーム」カテゴリーでは1位となっている。
- 資金調達総額:約4,900万ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2020年10月、2,500万ドルの私募トークンセール)
- フォロー投資家:Blockchain Capital、Blockchain.com、Standard Crypto
Aaveの将来性
ロードマップ
Aave Labsが2030年の戦略計画を公式ページで発表している。
Aaveの2030年に向けた戦略計画を通してエコシステムの採用を大幅に促進し、DeFiを拡張、ユーザー数10億人到達を目指す。
- Aaveが2030年のプロジェクトの中心として位置付けているのがAave V4の導入。このバージョンではUIの最適化や取引手数料を減少、借入利率の自動計算、Aaveが開発したステーブルコイン「GHO」をシームレスに統合するアーキテクチャが採用される。
- クロスチェーン流動性レイヤー(CCLL)の追加により、借り手がサポートされている全てのネットワークで即時に流動性へアクセスできるようになる。
- ステーブルコインのGHOを活用してRWA(リアルワールドアセット)の統合のため革新的なソリューションを提供し、インフラとしてのGHOの拡張性を向上させる。
- Aaveネットワークの開発。このネットワークによって、ユーザビリティを向上、ガバナンスのメイン投票可能なネットワークとして機能する。
期待される今後の動向
トランプ次期大統領の一家が推進するDeFiプロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)」が2024年12月にDeFi銘柄に大規模な投資を行っていることが判明した。WLFIはDeFiでP2P融資を提供する予定のプロジェクト。そのDeFi銘柄の中にAaveが含まれており、100万ドルをAaveに投資した。これにより、33%以上の急激な価格上昇を記録している。
Aaveはイーサリアム上に構築されたレンディングサービスで1位の時価総額を誇る人気のプロジェクト。今後も様々なWeb3プロジェクトで利用されることが見込まれ、今後の動向が期待されている。
投資リスク、懸念材料
DeFiレンディングプラットフォームに共通する課題としては従来の金融機関とは異なり分散化されているため、借り手の信用を評価することが難しい。よって、担保の必要な額が比較的大きい特徴がある。担保に必要とされる額が大きいと利用者が絞られてしまうため、今後さらにエコシステムを拡大するためにも過剰担保問題に関する施策の実行が必要となる可能性がある。