The Graph(GRT)の概要
The Graph(GRT)は、「ブロックチェーンのグーグル」と呼ばれるネットワークのネイティブ通貨である。
何か調べる時の検索でグーグルは利用されるが、ブロックチェーン上の情報を検索したい時に使われるのがThe Graphのネットワーク。メインネットは2020年12月にローンチされた。
The Graphは、プラットフォームを運営する人々がステーキングしたり、運営を行う人々へ報酬を支払ったりする際に使用。また手数料の支払いでも利用されている。
発行にはイーサリアム(ETH)のブロックチェーンを使用。The Graphはイーサリアムの規格「ERC-20」で発行されている。総供給量は100億GRTで、現在は約50億GRTが既に流通済みだ。
The Graphの役割
The Graphの技術は、例えば分散型取引所Uniswapの出来高のグラフをウェブサイトに表示させたい時、裏でデータを取得するインフラとして利用されている。
これまでUniswapの出来高を掲載する際、ウェブサイトは自らデータを取得・解析する必要があった。その際、データの取得や解析のための開発コストやサーバー代を支払っている。こういった負担を軽減する役割を果たすのがThe Graphのサービスだ。
ネットワークの仕組み
The Graphのネットワークでは作業の役割を分担。ノードを運営してデータを提供する「インデクサー」、インデクサーにどのデータを集めるべきか指標を与える「キュレーター」、データ解析ルールを設定する「サブグラフの開発者」、さらにThe Graphをインデクサーに預けてネットワークの安全を維持する「デリゲーター」もいる。
現在はイーサリアムに加え、PolygonやArbitrum、バイナンス・スマート・チェーン、Avalanche、Fantomなどのブロックチェーンからデータを収集することが可能。今後はSolanaやPolkadotのネットワークにも対応するとしている。
ユースケース
2021年9月にはブロックチェーンゲーム・NFTサービスの開発を行うCryptoGamesが、NFTマーケットプレイス「NFTStudio」にThe Graphの技術を導入したことを発表。
Polygonから直接、整理されたデータを発見できるようにすることで、ユーザーの体験価値を向上させることが可能になると考えたという。