CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン下落の背景は?──仮想通貨時価総額は一時27兆円減

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン下落で全面安

11日のビットコイン反落を受け、全面安の様相となる仮想通貨市場。

仮想通貨市場全体の下落を受け、全体時価総額は、約24時間で-25%の2592億ドル減(27兆円減)となった。

時価総額の減少は、市場ドミナンスで70%を超え、市場規模が膨れ上がったビットコイン(BTC)が一時前日比20%安を超えたことが大きく影響した。

売りが広がった背景には、①急ピッチな価格高騰に伴う利益確定売り、②米実質金利やドルがブルーウェーブ(民主党支配)以降に反転、③規制当局の警告やマスメディアの報道論調の変化などがある。

ビットコイン市場は、急落時の反騰の強さからも買い意欲の強さを示してきた一方、アルト市場への強い資金循環で暴騰する銘柄が続出、個人投資家の関心高も17年バブル水準に近くなど、市場心理における過度の強気(陶酔状態)にある足元の過熱感が示されていた。

株式市場同様、新高値更新時にレジスタンスライン(上値抵抗線)の存在しない真空地帯で売買されることから買い優勢となりやすい市場環境の中、高値更新が続いたビットコインも、20年3月のコロナショック時の安値から10倍高(テンバガー)に達するなど、反動下げリスクを嫌気した利益確定売りの見方も強まった。

当時、短期移動平均線>中期移動平均線>長期移動平均線とローソク足が「パーフェトオーダー」を示すなど強い買いシグナルが続いていたほか、ここ数ヶ月では短期天井を示唆した後の調整期間も異例の短さを観測するなど、市場心理として強烈なFOMO(置いていかれる恐怖)を中心とした買いが加速していただけに、地合い悪化後の投機的な資金抜けへの警戒感も今後高まることが予想される。

過熱感をデータで確認すると?

なお、個人投資家も取引を活発化し、大商いとなった年末から年始の仮想通貨市場について、データ分析を行うDilutionproof氏が最新データを公開した。

Dilutionproof氏は11日のツイートで、ビットコイン市場の過熱感をグラフ化したBPTチャートで、過去のバブル相場に匹敵するBPT7(オレンジの水準)に達したと説明。17年バブルの時は、この水準に達するまでに複数の価格調整があったとした上で、現在の市場の過熱感が極端に高まっている可能性を指摘している(2013年の高騰時に類似)。

仮に、今回の下落を価格調整として、再び反騰した場合、バブル相場の天井付近に位置するBPT8(赤の水準)に達する価格は、46500ドル(484万円)付近になるという。

Dilutionproof氏は、統計データとしては、過去のビットコインバブル相場の様相と類似点があるとした一方で、BPT分析の欠点を過去の価格ヒストリカルデータのみを参照して算出したものであることから、機関マネーの流入や量的緩和政策の影響など、現在の市場環境を考慮できない点にあると参考時の注意点を説明している。

メディアも論調を変化

また、11日のビットコイン急落を受け、これまで価格高騰を連日報道していた経済メディアも、警戒感に関する報道や、売り時に関する内容が続いている。

ブルームバーグは、11日のニュースで、「揺らぐ仮想通貨ブーム」のタイトルの上で、「仮想通貨バブルが今にも崩壊するのではないかとの懸念が強まっている」と下落について報道

JPモルガン・チェースは、再び申請されているビットコインETFの誕生で、資金が集中するGrayscaleの投資信託に影響が出ると指摘。機関投資家の投資目的となっているプレミアムに影響が出るなど、ビットコインの短期的な売材料になる可能性があるとした。

ビットコイン市場に投資する申請を行う投資運用会社グッゲンハイムのScott Minerd首席投資責任者も11日、「BTCは3万5000ドル(約360万円)というターゲットを超えた。パラボリック(放物線的)な上昇は短期的には維持できないだろう」と投資家に対し、利益を確定するよう促すコメントを発表した。

グッゲンハイム、現在のビットコイン市場に資金を投じるか

なお、総額30兆円超の資産を運用する大手グッゲンハイム パートナーズは、米グレースケールが提供するビットコイン投資信託(GBTC)を通して最大5億ドル(約520億円)をBTCに割り当てる可能性があることを昨年SECに申請しており、2021年1月31日よりそれが有効になる予定だ。

「米NYウォール街の巨人」とも称されるグッゲンハイムがGBTCを通して間接的にBTC投資を検討していることが分かったのは2020年11月末。同社の「Guggenheim Macro Opportunites Fund(マクロ機会ファンド)」において、純資産の10%となる最大5億ドル相当をBTCに割り当てるための書類をSECに提出した。

関連米大手投資運用会社グッゲンハイム、ビットコイン投資を検討

申請書では、ベンチマークに制約されることなく、幅広い確定利付証券に投資する柔軟性があり、変化する市場環境の機を見て投資チームが確信を持っている他の資産クラスに投資する戦略を持っていると説明。GBTCに純資産額の最大10%を投資することにより、間接的にBTCへの投資機会を求める可能性があるとしていた。

なお、マクロ機会ファンドは同社の完全子会社を介してGBTCに投資するが、GBTC以外では、間接的にも直接的にも暗号資産(仮想通貨)に対する投資は行わないと付け加えている。

グッゲンハイムのScott Minerd首席投資責任者は先月、同社のファンダメンタルズ分析(「希少価値とゴールド価値との関係性」という2つの要素)に基づくと、BTC価格は長期的に40万ドル(約4100万円)まで上昇するとの見解を示したが、上述の通り、現在の短期的な高値圏への警戒を強めている。

ビットコイン関連商品に投資が可能になる2月からの資産運用には、注目も集まっている。

関連BTC、2万ドル突破前後で起きた3つのこと──過去最高値・年初から約3倍に

英FCAの警告

英国の金融行動監視機構(FCA)が暗号資産(仮想通貨)企業に向けてメールを送信、ライセンス登録を申請していない企業は、1月10日までに事業を停止する必要があると警告。消費者に向けても注意喚起を行なっていることがわかった。

FCAは公式サイトで、未登録の企業は1月10日以降、違法に営業していることになると指摘し、取引所などを利用する際は、まず「金融サービス登録簿または仮登録会社リストに掲載されているかどうかを確認する必要がある」と消費者に促した。

また、消費者に向けては、同時に仮想通貨の投資リスクについても警告。

仮想通貨関連の投資では、何か問題が発生した場合に補償が受けられず「すべてのお金を失う可能性」があるとして、価格変動性の大きさや、製品の複雑さ、手数料の高さなどのリスク要因を挙げている。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
17:08
HSBC銀行がトークン化されたゴールド商品を香港で提供開始
HSBCは香港の個人投資家に向けて、オンラインバンキングとウェブサイトを通じたトークン化されたゴールド商品のアクセスを提供開始した。トークンはHSBC Orionプラットフォームで発行され、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧