イーサリアムとPolygonの流動性向上へ Kyber Network、最大30億円超の報酬プログラムを発表

イーサリアムとPolygonの流動性向上へ

DeFi(分散型金融)における流動性のハブとして機能するKyber Networkは16日、流動性マイニングプログラム「Rainmaker」を行うことを発表した。

DeFiの基盤であるイーサリアム(ETH)と、イーサリアムのレイヤー2ソリューション「Polygon」のネットワークにおける流動性を向上させるため、この2つのネットワークを介してKyber Networkに流動性を提供したユーザーに、総額で最大3,000万ドル(約33億円)の報酬を分配。その前提として、新たな流動性プロトコルである「KyberDMM」を、Polygonに拡張させることも決定している。

レイヤー2とは

レイヤー2とは、「2層目」のネットワークを指す。メインのブロックチェーンと区別するために使用される。

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関連分散型金融(DeFi)運用をサポートするソリューション、KyberDMM解説

Kyber Networkのチームは、2017年からDeFi領域に特化して開発に取り組んできた。Kyber Networkのようなプロジェクトが、イーサリアムのネットワーク上に構築された様々なプラットフォームに流動性を提供することで、DeFiのユーザーは、暗号資産(仮想通貨)の交換などをシームレスに行うことができる。

逆にユーザーは、誰でもKyber Networkのようなプラットフォームに、仮想通貨を預けて流動性を提供することも可能。今回発表されたRainmakerは、この流動性を提供する側のユーザーに報酬を与えるプログラムだ。2つの仮想通貨をペアで提供してもらい、対象のトークンペアに対し高い利回りを提供することで、KyberDMMの利用を促す狙いもある。

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Polygonは、イーサリアムの処理能力をサポートするレイヤー2ソリューション。DeFiやNFT(非代替性トークン)の需要の高まりなどで手数料(ガス代)が高騰する傾向のあるイーサリアムのスケーリング技術として、最近注目を集めている。Kyber Networkは、PolygonのDeFiのエコシステムに多くのユーザーを呼び込むために、Polygonのチームと提携しているという。

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PolygonのSandeep Nailwal共同創設者は、今回のプログラムの発表に際し、「流動性は、あらゆるDeFiエコシステムにおいて極めて重要な要素である」と説明。そして「Kyber Networkと協力し、KyberDMMプロトコルを通じて、Polygonの流動性を高められることを嬉しく思う」とコメントを寄せた。

Rainmakerについて

流動性提供者に報酬を分配するプログラム「Rainmaker」は、6月30日から開始。Polygonのネットワークを対象にしたプログラムは2カ月間、イーサリアムの方は3カ月間実施される。

Polygonのプログラム

Polygonを対象にしたプログラムでは、Kyber Networkの仮想通貨KNCを252万KNC(最大5.5億円相当)と、Polygonの仮想通貨MATICを50万ドル分(約5,530万円)分配。以下のプールの流動性提供者に配分される。

  • USDT-USDC
  • USDC-ETH
  • USDC-DAI
  • MATIC-DAI
  • KNC-ETH
  • KNC-MATIC

また、今回の報酬で得たKNCやMATICを、さらに流動性提供に使うことも可能。KNCをステーキングすれば、Kyber Networkのガバナンスに参加して、報酬を得ることもできるという。

イーサリアムのプログラム

イーサリアムを対象にしたプログラムでは、1,260万KNC(最大27億円相当)の報酬が、以下の5つのプールに分配される。

  • USDT-USDC
  • USDT-ETH
  • USDT-WBTC
  • WBTC-ETH
  • KNC-ETH

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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