過去最長のビットコイン9週連続下落も、仮想通貨相場に反転の兆し
仮想通貨市況
世界大恐慌以来の90年ぶりの8週連続下落記録後の先週のニューヨーク株式市場は、売られすぎ水準にあったことから買い戻しの動きが先行。
NYダウが6営業日連続の値上がりで前日比575.77ドル(1.7%)高、ハイテク株中心のナスダックが前日比390.48ドル(3.3%)高となった。
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これを受け、週明けの東京株式市場も全面高に。日経平均株価は前営業日比527.67円(1.97%)高と反発した。
2021年にかけて発生した”金融緩和”バブルの恩恵を受けて大きく上昇してきた株式市場・暗号資産(仮想通貨)市場であったが、2022年以降は高止まりするインフレ抑制のため、FRB(米連邦準備制度)による”金融引き締め”が加速。リスク資産市場に流れ込んでいた大量の資金が逆流した。
相場分析
30日の暗号資産(仮想通貨)市場は、金融市場の投資家心理改善により一斉反発した。
週足クローズで史上初の9週連続陰線となったビットコインは、前日比+4.4%の383万円(30,185ドル)となり、3万ドル台を再び回復した。
日足MACDのゴールデンクロス(上図:赤丸)は、過去の相場でも反転シグナルの1つとして一定の信頼性が認められる。また、直近1週間の先物市場では、Funding Rate(資金調達率)がマイナスに振れるなど売り過熱を示している。
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なお前週を振り返ると、メジャーアルトの中でもイーサリアム(ETH)の下落が目立っていたところであった。BTCの前週比+1.12%に対し、ETHは-7.97%とはっきり明暗を分けた。仮想通貨銘柄の中でも相関性の高いアセットとしては比較的珍しいデカップリングと言える。
上位アルトでは、ソラナ(SOL)が前週比-47.2%、アバランチ(AVAX)が前週比-54.7%と下落率が高い。
背景には、ETH/BTCのライン割れや悲観相場におけるBTCドミナンス上昇があるものと考えられる。
一時先行指標化したイーサリアム(ETH)はサポートライン(下値支持線)の1700ドル台で反転すると、アセンディングトライアングルを形成して上放れた。1940ドル付近のレジスタンスをブレイクできれば一段高も見込めるか。
ただ、現時点ではトレンド転換を判断するには早計だ。反転の兆しが見え始めた段階に過ぎず、信頼性は不十分との見方もある。昨今では米株指数と暗号資産(仮想通貨)相場の相関性は高まる一方であるため、米株指数次第では一時的な反発に留まる可能性は否めない。
ビットコイン(BTC)が年初来安値の25,300ドルを底割れた場合、200週間の移動平均線(MA)の22,300ドルまで、あるいは20,000ドルまでのダウンサイドリスクを残すとの指摘もある。
とはいえ、少なくとも市場が最も注視する指標の1つで米ドルの強さを示す「ドル・インデックス」の反落は、株高・債券安につながる買いシグナルであり、金融マーケットの”リスク選好度”回復を示唆するものと言えるだろう。
合意形成アルゴリズムPoW→PoSへの大型アップグレードを控えるイーサリアム(ETH)への関心も依然高い。
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LUNA2.0
CoinMarketCapのデータによると、28日にリバイバルプラン(復興計画)の一環で緊急エアドロップされた「テラ(LUNA)2.0」は上場直後に17.8ドル(2,260円)を付け、乱高下した後急落。 30日11時時点で67%安の730円台を推移する。
Terraform Labsの開発したアルゴリズム型ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」のディペッグ騒動は、関連トークンである「テラ(LUNA)」の前週比-99%の暴落のほか、担保資産にしていたビットコインの大幅下落を招くなど暗号資産(仮想通貨)市場を震撼させた。
規定日時のテラ(LUNA)保有量に応じてスナップショット(権利確定日時)が実施され、権利者に対して新チェーンのLUNA2.0相当分が付与された。
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