日本政府、Web3の環境整備を本格化 骨太方針を閣議決定
Web3の環境整備へ
日本政府は7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」を閣議決定した。
骨太方針には、「より分散化され、信頼性を確保したインターネットの推進や、ブロックチェーン上でのデジタル資産の普及・拡大など、ユーザーが自らデータの管理や活用を行うことで、新しい価値を創出する動きが広がっており、こうした分散型のデジタル社会の実現に向けて、必要な環境整備を図る」と明記。これからWeb3(分散型ウェブ)の環境整備を本格化していく意思を示した。
政府は、特定のサービスに依存せずに、個人・法人によるデータのコントロールを強化する仕組みを「トラステッド・ウェブ(Trusted Web)」と表現。その上で、トラステッド・ウェブの実現に向け、機能の詳細化や国際標準化への取り組みを進めると述べている。また、「ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)やDAO(自律分散型組織)の利用等のWeb3の推進に向けた環境整備の検討を進める」と続けた。
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そして、メタバース(仮想空間)も含めたコンテンツの利用拡大に向け、2023年通常国会での関連法案の提出を図ると述べている。
上記以外にも、フィンテックを推進するため、セキュリティトークン(デジタル証券)での資金調達に関する制度整備、暗号資産(仮想通貨)について利用者保護に配慮した審査基準の緩和、決済手段としての経済機能に関する解釈指針の作成などを実施すると説明。この取り組みには、ステーブルコインに関する制度整備等の安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を含むとした。
ブロックチェーンの可能性に言及
政府は「新しい資本主義の グランドデザイン及び実行計画(案)~人・技術・スタートアップへの投資の実現~」も作成している。
この中でも、Web3推進に向けた環境整備を進めると説明。そして、ブロックチェーン技術の可能性について、以下のように記述した。
ブロックチェーン技術は、自立したユーザーが直接相互につながるなど仮想空間上の多極化を通じ、従来のインターネットの在り方を変え、さらに社会変革につながる可能性を秘めている。
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今後について
7日付の「新しい資本主義実行計画工程表(案)」には、Web3について、22年末までに「環境整備について検討」すると記載。その後の計画は、現時点では決定していない模様だ。
仮想通貨については、「暗号資産交換業に関する認定自主規制団体の審査基準の緩和・合理化の検討」と「暗号資産該当性に関する解釈指針の策定に向けた検討」を22年末までに実施。そして、22年度内を目処に前者については自主規制の改正を行い、後者については解釈指針等の策定・公表を行うとした。
岸田総理は7日、以下のように述べている。
本年の骨太方針では、機動的なマクロ経済運営によって経済回復を実現しながら、新しい資本主義の実現に向けた計画的で重点的な投資や規制・制度改革を行い、成長と分配の好循環を実現する岸田内閣の経済財政政策の全体像を示しています。
次は実行です。参議院選挙後に、本日決定した方針を前に進めるための総合的な方策を具体化し、エネルギー分野を含め、経済社会の構造変化を日本がリードしてまいります。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します